2012年8月


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中尾昌吾展

2012年8月2日〜10日

企画 大倉宏
 

中尾昌吾(なかお しょうご)
■ 1965年 兵庫県生まれ。2004年より日本画を描き始める。2010年8月新潟絵屋で個展。

←「回帰」2012年 墨、銀泥/和紙 27.2×16.0cm

 前回の中尾昌吾展で求めた小さい絵を、部屋のよく目にはいる場所に長く掛けている。
 黒が主体の中尾さんの絵は、金や銀が使われても華やかでなく、その金銀も近作ではあまり使われなくなった。
 暗さや重さを一見感じてしまう人もあるだろう。毎日見ている私の印象は、そうでもない。通勤、通学ですれ違う、あまり表情のない、言葉を交わさぬ人の顔に、次第に不思議な安心を、慰安を覚えるようになることがある。そんな質の安定感、明るさを中尾さんの絵に感じる。
 若くして抱えた病気などいくつもの不安定や苦しみを、中尾さんは生きてきたことだろう。でも描くことが、その中尾さんを一貫して鎮めてきた。そんな絵の力が、見る側の私にもきっと作用するのだろう。(大倉 宏)

 


 
小林憲明展『ダキシメルオモイ』

2012年8月22日〜30日

準企画
 

小林憲明(こばやし のりあき)
■ ●1974年旧新津市生まれ。2000年名古屋芸術大学研究生修了。春陽会に出品。ギャラリー惣(東京都)、ギャラリー環(東京都)、アートエイジギャラリー(愛知県)で個展。2010年6月新潟絵屋で個展。12年「ダイキシメルオモイ」プロジェクト始動。愛知県豊橋市在住。春陽会会友。

■会期中ほぼ毎日作家在廊予定

←「ダキシメルオモイ」2012年 油彩/麻布 148.0×56.0cm

 親が子を抱きしめる―僕らも、親も、そのまた親も、太古の昔から抱きしめられて育ってきました。
 子を守る強いオモイは、僕らのなかのどこそこか、密かにすり込まれ、抱きしめられた記憶が残ってなくても受け止めて欲しい、抱きしめられたいと無意識に求めてしまうようです。
 子を抱きしめ、抱きかかえられる時期は限られています。それは子育ての一番大変で、一番充実している時期でもあります。
 その貴重な時間を切りとって描いて生きたい。この先の未来に、この繰り返される営みが途切れないように、紡いでいきたいとオモイます。(小林憲明)

 

 

EYA SHOP CRAFT 8/2-10
 泉健太郎さんは木でものを作る。近年は漆塗りも始め、そののち木彫や卵殻で作品を制作されるようになった。
 陶器の貫入や土壁の割れなどのヒビを好む。大理石や古地図を思わせる質感にも惹かれているそうだ。木の下地を生漆で固め下地を塗り重ね、黒中漆を塗り、研ぎ、その後に漆で鶏卵の殻を丹念に貼り付け、卵殻作品は生まれる。
 それから、泉さんは箱を好む。なぜに箱か。秘密は、どこかの箱に隠れているので探してみてほしい。
 今回の新作プレートは、和菓子などを配膳するお皿としても、何げないお気に入りを置く場所づくりにも、一枚の絵のようでもある。用途はなくともあるだけでいい、そういうものの一例が、ここにあるような気がしている。

泉健太郎(いずみ けんたろう)
1972年新潟市生まれ。2012年5月クラフトフェアまつもと、10月工房からの風出展予定。http://izumi.g.dgdg.jp/


2000年の開廊に際し作った旗を、このたびリニューアルしました。制作は12年前と同じ染色家・SAYUさんこと佐藤裕子さん。日を浴び風を受け、随分傷んでしまっていましたが、染め直し、形も変え、生まれ変わりました。風にそよぐ旗を眺め、毎朝心躍らせています。 (I)

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タシロ便がゆく

絵屋便、DMの配達を担当する絵屋運営委員・田代の12ヶ月
タシロ便がゆく ―草猫が詠む編 その20
喜雨降らす威風堂々たる雲よ 草猫

自転車で移動する事がむやみと多いので、天候の変化には、とりわけ注意している。特に雲の動きは見逃せない。入道雲は突然の雷雨が起こる予兆。でも、うだるような暑さが続き、激しく乾燥している時はありがたい。そんな時の雨は喜雨(きう)という。入道雲も頼もしく見えてくる。
タシロ…田代早苗(俳人・新潟絵屋運営委員)

俳句の会「紙とエンピツと」 案内人/田代草猫
7/31、10/31 各回10:30〜12:00(参加料500円/申込受付中)

   

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