2012年11月


2012年10月の絵屋

2012年12月の絵屋

  新潟絵屋あんない 作家INDEX Blog  

 
片桐 翠 展

2012年11月2日〜10日

企画 大倉宏
 
片桐 翠「ボーリング大会」

片桐 翠(かたぎり みどり)
■ 1978年新潟市生まれ。99年青山学院女子短期大学英文科卒業。渡英。ウェストミンスター大学(ロンドン)で映画とイラストレーションを学ぶ。2006年創形美術学校造形科卒業。第1回パリ賞受賞。副賞でシテ・インターナショナル・デ・ザール(パリ)に8か月滞在。個展は07年知足美術館、08・10年新潟絵屋、11年アートスペース88国立で開催。マレーシアArt Expoに参加。

←「ボーリング大会」2012年 油彩/キャンバス

■作家在廊日:11/2・3・4・10(予定)

 片桐翠のボーリング場の絵を見ていたら、「きまぐれコンセプト」というマンガを思い出した。
 マンガ好きの人なら、もっとあれこれ思うかも、と思えるほど、マンガ風の一見随意な輪郭線の動きが特徴だ。マンガは、コマを次々越えてマンガ時間を紡ぐけれど、片桐の絵では、時間は揺り戻され、色に変換され、表面をゆらめかせる。
 立体感をなぞるように見えて、自由な色の濃淡が、このゆらめきを生んでいる。身近な人の写真やモノから始まるらしい絵は、ゆらぐ線と色にもまれ、なめされて、明色の切り紙に似た世界に現実を変換させる。現実と絵のこのくっきりした距離に、ひそかな力を、技倆を私は感じる。(大倉 宏)

 


 
鶴巻謙郎展 光・気・彩III〜横浜・パリ・新潟〜

2012年11月12日〜20日

企画 小見秀男
 

鶴巻謙郎「Monochrome-chartres」

鶴巻謙郎(つるまき けんろう)
■ 1973年三条市に生まれ。2000年多摩美術大学大学院美術研究科絵画専攻修了。個展は99年「自己との対話」(まるよし本店/三条市)、08年「残像の余韻」(鶴見画廊/横浜市)、09年「光・気・彩」(ギャラリーソレイユ/京橋区、川田画廊/神戸市)、11年「Paysage」(鶴見画廊)など。神奈川自主県展横浜市長賞、県展新潟日報美術振興賞、創画展入選、雪梁舎フィレンツェ賞展佳作など多数受賞。

←「Monochrome-chartres」 2012年 
 33.5×45.5cm 岩絵具・箔・墨

■作家在廊日:11/18・19(予定)

 2010年の9月、弥彦の丘美術館で開催された妹で銅版画家の貴子さんとの二人 展で鶴巻謙郎さんの作品に初めて接した。そして、瞬時に魅せられた。抑制され た、小声で囁き合っているように散りばめられた色彩、ひそやかに対象の存在を 暗示する線、何よりも透明感に満ちた空気の表出。そこから、なんと柔らかな光 に包まれた町並みの風景が生まれているのだろう・・・と。このようにシックで デリケートな日本画は初めて見た気がした。
 鶴巻さんはヨーロッパの教会とか塔とかの洋風の建物をモチーフに街の風景を 描き続けている。描いて見せるのではなく、その場の空気を連想させるような表 現を目指す。金箔、銀箔の砂子など、様々な技法が駆使された鶴巻絵画の類いま れなる「光」と「空気」をこの機会に是非、体感してほしい。(小見秀男)

 


 
平野照子展「そこは、いつも風が少し吹いている。」

2012年11月22日〜30日

企画 井上美雪
 
平野照子「啼く鳥の名前は知らない」

平野照子(ひらの しょうこ)
■ 1972年宮城県生まれ。97年〜坂爪勝幸氏に師事。個展は03年ギャラリー炎舎、04・05・06年fullmoon upstairs、07年新潟絵屋、08・10・12年mu-anなど。10年松本クラフトフェア、12年工房からの風に出品。09年独立・築窯(ceramic studio apetpte)、11年ギャラリーショップ草舟(日曜日のみ営業)開店。新発田市在住。

http://ceramicstudioapetope.blog134.fc2.com/

https://twitter.com/kusafune1

←「啼く鳥の名前は知らない」2012年
 15.0×13.0×h42.0cm

■作家在廊日:11/23・24・25(予定)

 あわいの刻がいつまでも続き、夜にも昼にも移り行かないでいる、ひんやりとした空気のその場所。シンとした草原は、白く光る川縁までなだらかに続く。深い森にかこまれたそこに、私一人が立っている。身体をとおりぬけた様々な感情は、ここではどこか遠く、嵐のような心は静まりかえり、深く深く息をする。(平野さんの制作ノートより)

 近年、平野さんが取り組んでいる人がモチーフのシリーズは、場所と人の2つのパーツが合わさり構成される。どれも、居場所がある人の<ひとり時間>が形になっているようで、私は安心する。ここと並行してある、そこ。そこは、自分では見えづらい自分の世界。人のシリーズは、そのようなものと出会うことができる。(井上美雪)

 

 



蓮池もも 十二の絵と言葉で綴るカレンダー2013

蓮池ももさんの絵屋便表紙絵を、2013年のカレンダーにしました。
毎月、ももさんが届けてくれた原画には、裏面に鉛筆の文字が添えられていました。
このカレンダーは、12ヶ月を12の絵と言葉で綴っています。

ポストカードサイズ(10.0×14.8cm)/13枚セット
限定200部/1,000円(税込)/発行:新潟絵屋
*取扱店 :新潟絵屋、砂丘館、北書店のみ
*発売開始:10月22日(月)
*通信販売:可。別途送料。

掲載写真のスタンドは別売り



12月下旬 「絵屋市」
今年も開催!
収益は2013年の新潟絵屋の運営資金に充当します。

募集!
その1. 絵屋市への出品
その2. オークション展への出品
詳しくはお問い合わせ下さい

タシロ便がゆく

絵屋便、DMの配達を担当する絵屋運営委員・田代の12ヶ月
タシロ便がゆく ―草猫が詠む編 その23
立冬の扉開ければ誰もゐず 草猫

11月7日頃から暦の上では冬。いや新潟あたりであれば冬のはじまりは実感であるか。低く垂れ込めた鉛色の雲の下。暗くなりがちな気分を何とか吹き飛ばそうと自転車を漕ぐ。ようやく辿り着いた目的のギャラリー、扉を開ければ、主はどこにいるのだろう。声をいくらかけても誰もあらわれない。心にも冬が忍び込んでくる。
タシロ…田代早苗(俳人・新潟絵屋運営委員)

   

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