2012年10月


2012年9月の絵屋

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  新潟絵屋あんない 作家INDEX Blog  

 
長谷川徹展

2012年10月2日〜10日

企画 大倉宏
 
長谷川徹「WORKS」

長谷川徹(はせがわ とおる)
■ 1948年新潟市生まれ。69年武蔵野美術大学中退。92・94 年安井賞候補。96年感動創造美術展グランプリ受賞。2010年7月・11年7月新潟絵屋にて個展。そのほか、個展多数。新潟市在住。

←「WORKS」2012年 アクリル/板 84.0×59.4cm

 

あーとぴっくす
「頭の中で描いた「跡」を形に」華雪
 学校町の家を1年数ヶ月ぶりに訪ねた。いろいろなものに埋もれた部屋の、イーゼル前の座椅子に前と同じように長谷川徹は座っていた。
 イーゼルに描いたばかりの絵があった。板パネルに白の地塗り、ふたつのストローク。青。あと2点―去年から描いた絵のそれが全部。もう数点はこれからという。ほとんど外出もしないらしい画家の姿には、でも、閉じた感じがなかった。時間は生きていた。
 去年私は長谷川の絵に「学校町を感じる」と書いた。1日1箱の煙草を吸いながら、座し続ける部屋にはルドン、仙崖、ジャコメッティ、セザンヌ、宋元画、ギリシャ彫刻などの切り抜きが貼られている。それらを語り始めると時が消えるようだった長谷川がかつていた。
 画集は?と聞くと、今は見ないという。彼が飽くことなく語ったものが、残りながらも消えてゆき、静かな学校町の家の時間の中で置かれる数個のストロークを、絵を、今年も絵屋で眺めたい。(大倉宏)

 


 
三井一樹 door展

2012年10月12日〜20日

企画 越野 泉
 

三井一樹「カサブタ」

三井一樹(みつい かずき)
■ 1981年長岡市生まれ。2002年ギャラリー炎舎でグループ展、05・07年fullmoon upstairsで個展。坂爪勝幸陶芸工房スタッフ。村上市在住。

←「カサブタ」2012年 33.0×20.0×7.0cm

あーとぴっくす
「扉の向こうに少年の夢見て」坂爪勝幸
陶のdoorがいくつか。

本物のドアよりは小さい。

その前に佇み、何を想う。

ノックの音は運命。

心の奥深くへと、通じるdoorが現れるのか。

展覧会の扉をそっと開けよう。
 三井さんは18才の時から陶芸作家 坂爪勝幸氏に師事し研鑚を積んできた。作風は個性的でユニーク。今回は5年ぶりの個展となる。doorがテーマと聞いて、「どこでもドア」がなぜか思い浮かんだ。実際はもちろん違う。でも、気持ちは好きなところに自由に行ける。そんな作品たちだ。(越野 泉)

 


 
小林春規 木版画展

2012年10月22日〜30日

企画 大倉宏
 
小林春規「蚊帳の外」

小林春規(こばやし はるき)
■ 1953年新潟県水原町生まれ。幼時より木版画を始める。18才で初の個展後、京都の表具師の内弟子となり、表具の仕事を続けながら版画制作を続ける。90年新潟県笹神村に転居。70年より日本アンデパンダン展、平和美術展に出品。ほか個展、グループ展多数。2000年10月・02年7月新潟絵屋で新潟下町の連作を発表。

←「蚊帳の外」2012年 木版画/紙 21.0×14.0cm

 毎年秋に発表される小林春規の新作を見るたびに、ときめくのはなぜだろう。
 故郷の新潟に、笹神に、小林が帰って22年。以来彼が彫り続けてきた新潟の自然、町、田園風景は親しみやすく、美しい。
 けれどその美しさの底に「不穏」がある、と書いたことがあった。孤独と言い換えてもいいと、今年の新作に思う。雄を喰らう雌のかまきりを、黙って見つめる版画家の目は孤独だ。見つめる以外どうしようもないものの前に在る苦しさ、解放感。
 人為の向こうで動く自然の前で、人は見、感じる以外にはすべがない。そのような、追いつめられた場所の目の孤独な震えが、大きく変貌するわけではない小林の絵を、いつも更新し、私を揺らす。(大倉 宏)

 

  



シートやキャンバスなどで買われた作品の飾り方でお困りではありませんか。
額のご相談を承ります。
(担当・井上美雪)
 蓮池もも作品  蓮池もも作品  中尾昌吾作品



●講座のご案内
2012年10月31日(水) 
いずれも参加費500円。要予約。
10:30〜12:00 ■俳句の会
 「紙とエンピツと」4
■案内人/田代草猫
季節を感じ、自分と出会う俳句講座。今回のテーマは「日々是俳句」。実作もします。
13:30〜15:00 ■絵を見る話の会5 ■案内人/大倉 宏 ゲスト/田村佑(ギター・紙芝居)
毎回、一枚の絵を巡ってお話しします。今回の絵は栗田宏「密」。

タシロ便がゆく

絵屋便、DMの配達を担当する絵屋運営委員・田代の12ヶ月
タシロ便がゆく ―草猫が詠む編 その22
秋涼し川面に花のやうに鷺 草猫

高度経済成長期に生まれ、成長した私にとって、現代は自然がいくらか回復しているように見える。以前はあまり目にすることがなかった川鵜や白鷺が、当たり前のように信濃川にいるじゃないか。鳥も、人間も、ほどよく距離を保ちながら、それぞれ、生きているようだ。
タシロ…田代早苗(俳人・新潟絵屋運営委員)

俳句の会「紙とエンピツと」 案内人/田代草猫
10/31 各回10:30〜12:00(参加料500円/申込受付中)

   

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