2013年11月


2013年10月の絵屋

2013年12月の絵屋

  新潟絵屋あんない 作家INDEX Blog  

 
井田英夫展

2013年11月2日〜10日

企画 大倉宏
 

井田英夫「部屋の窓から」

井田英夫(いだ ひでお)
■ 1975年旧新津市生まれ。97年新潟デザイン専門学校卒。1999年モンセラート美術大学(アメリカ、マサチューセッツ州)卒業。ミンゴーギャラリー(マサチューセッツ州)で二人 展。02・04・06・07・09・10・12年新潟絵屋、05年ギャラリーEMU-st、11年久留米市一番街多目的ギャラリーで個展開催。

←「部屋の窓から」2013年
  油彩・キャンバス 41.0×65.0cm


■夜間営業 11月2日(土)21:00まで延長営業!
 井田さんの絵の魅力は色にある。
 現実より数ルクス明るく、鮮やかに見える井田さんの絵の色は、けれど彼の前にある現実が、彼の目からつかみ出す色だ。目の中の色を、光を求めて、井田さんは新潟から南の久留米に行き4年を過ごした。今はまた新潟に戻って描いている。
 久留米やアメリカのように、新潟の風景は、井田さんの目から色をすぐに掬い出してくれないらしい。目がどこかもどかしがっていることを、近作に感じる。しかし色が自分で出てくるようになったら、それはもう井田さんの絵ではないだろう。
 映像、画像の氾濫する時代に、像を介さずに見る。買い替えることのできない<肉眼>という、ヒトの唯一のレンズの生理と向かい合う「仕事」をしているのが井田さんだ。新潟の現実と彼の目との、すぐには盛り上がらないらしい対話から、どのような色が縒り出されてくるのか。ゆっくり待ちたい。(大倉 宏)

 


 
小磯稔 うるし絵小品展

2013年11月12日〜20日

企画 大倉宏
 

小磯稔「古代彷彿・群鹿Ⅱ」

小磯稔(こいそ みのる)
■ 1937年東京都生まれ。東京芸術大学美術学部工芸科(漆芸)卒業。4年次に安宅賞、卒業制作(漆芸飾棚)でサロン・ド・プランタン賞。60年日本コロムビア入社。その後東京芸大、大妻女子大講師を経て、77年新潟大学教育学部助教授(83〜2000年教授)。現在、新潟漆器産地委員会委員長、日本七宝指導者協会理事長、無所属漆芸家として、新潟市内を中心に毎年個展を開催。

←「古代彷彿・群鹿Ⅱ」2013年 漆絵 33.3×12.1cm

 ご無沙汰していた小磯さんを、展示の打ち合わせで久しぶりに訪ねたら、頸椎後従靭帯骨化病という病気で、右手首がいつも痺れる状態になってしまい、蒔絵をする時は絵筆を輪ゴムで指にしばっていると聞き、驚いてしまった。曲線を引く時は手の方でなく、板をすこしずつ動かして描くのだという。
 ところがその小磯さんがまだ制作中といって見せて下さった板絵の鹿の明るい躍動感に、これまた驚いた。一瞬、そりを引くトナカイに見間違い、もうすぐクリスマスですねと言いかけた。そのようなメリーな(楽しい)空気感が伝わってくる。
 言われて接視すれば、線にぎこちない肥痩
(ひそう)がある。滑らかに引かれてはいない。しかし離れてみると、鹿たちはやはり楽しげに動いている。
 大学を定年退官後、小磯さんは職人になったと書いた(という記憶がある)のが10年ほど前。漆というとんでもなく根気の要る素材を友に制作し、発表し、技術指導を続けてきた。そのスローな友からもらった喜びが、動きのままならぬ手で描いた線を脈打たせ、動を、あふれさせるのだろう。(大倉 宏)

 


 
眞島美代子展

2013年11月22日〜30日

企画 小見秀男
 

眞島美代子「Copper Color -塔-」「Copper Color -家-」

眞島美代子(ましま みよこ)
■ 長岡市生まれ。2006年長岡市内に「みよしの窯」開窯、陶芸教室を始める。2008年第40回日展入選(09・10・11・12年同)、第46回現代工芸新潟会展県知事賞、09年第64回新潟県展奨励賞、11年第50回日本現代工芸50回記念展現代工芸賞受賞。11年11月新潟絵屋にて個展。その他グループ展多数開催。現在、日本現代工芸美術家協会本会員。

←右「Copper Color -家-」2013年
                w15×D17×h20cm
 左「Copper Color -プレート-」2013年 10×h3cm

 二年前の絵屋初個展では自分の手がけた焼き物を知って欲しいと、幅広く作品を披露した眞島さんだが、今回はどうだろうと長岡の工房を訪ねた。
 ヨーロッパ中世の城壁をイメージし、肌地にこだわり、釉薬を工夫して無彩色に仕上げた家形、塔形の立体作品が出来ていた。この度は、オブジェにもランプにも花器にも、時には食器の収納ケースにもなるような多用途のインテリアクラフトを家や塔をモチーフに提案したいと言う。
 角と直線主体の意匠で構成したモノトーンで簡素な造形が並んだ家並みに耳を澄ませて見ていたら、
うち
「家にきてよ・・・」と呼びかける声が聞こえてきた。内にはいろいろ使える隠れ部屋も用意されているらしい。(小見秀男)

 



トピックス

渡辺隆次展 山里に広がる生命の宇宙
2013年10月10日(木)〜11月4日(月・祝)
10:00〜17:00(10/20は〜16:00まで)
ただし会期中の祝日以外の月火・10/18休(11/4は開場)

会場: 角田山妙光寺 客殿(新潟市西蒲区角田浜1056)
(公財)新潟県文化振興財団助成事業
華雪書展「人とひと」
2013年10月23日(水)〜11月6日(水)11:30〜21:00
(14:30〜21:00には喫茶もご利用できます)火休


会場:室礼 —シツライ—(新潟市西蒲区岩室温泉666 KOKAJIYA 2階)
協賛・会場協力:灯りの食邸 KOKAJIYA
企画・主催:Bricole(ブリコール)、新潟絵屋
共催:NPO法人いわむろや
お問い合わせ:KOKAJIYA(TEL.0256-78-8781)
室礼HP:http://shitsurai.bricole.jp
◆参加型ワークショップ/「花」を書く◆ ◆書のライブパフォーマンス/しつらえる◆
書家・華雪さんをゲストに、「誰かのための場所をしつらえること」をテーマに「花」という文字を書きます
日時:11月3日(日・祝)11:30〜14:30まで(お昼休憩あり)    
定員:10人
参加費:2,000円(材料費込)
   +1,000円でKOKAJIYA特製おにぎりランチBOX付 ※要申込
展示場所名である「室礼」にちなみ、小鍛冶屋へのしつらいを華雪さんが書で表現します
日時:11月3日(日・祝)16:00〜17:30
定員:30人
参加費:1,000円(ソフトドリンク込)
※パフォーマンス後のディナーは要予約

トピックス

これからの予定 2013年12月13日(金) 片山健「舟を浮かべる」
2014年02月13日(金) 野中光正「河」
2014年03月07日(金) 林哲夫「雲」

タシロ便がゆく

絵屋便、DMの配達を担当する絵屋運営委員・田代の12ヶ月
タシロ便がゆく —草猫が詠む編 その35
来た道をいまひき返す焼き芋屋 草猫

おなじみのアナウンスを流しながら、夜の通りを焼芋のトラックがやって来た。と、思ったらスピーカーの電源を切り、灯りを消して今来た道を戻ってゆく。今夜は充分に売れたからか、逆にこんな売れない日はさっさと帰ろうと思ったからなのか。夜道がぐっと暗くなった。
タシロ…田代早苗(俳人・新潟絵屋運営委員) 
俳句の会「みんな違って、みんなヘン」
毎回テーマを変え、お茶を飲みながら俳句の解説と実作をしていきます。
10月31日(木)10:30〜12:00 会場:新潟絵屋展示室/各回500円
案内人:田代草猫(たしろ そうびょう)2000年より俳句同人誌「童子」にて句作。05年日本伝統俳句協会入会。


   

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