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佐佐木實 書展

2014年2月1日〜11日

企画 井上美雪
 

佐佐木實(ささき みのる)
■ 盛岡市生まれ。東京藝術大学大学院美術研究科修士課程藝術学専攻修了(美学)。フランス国立社会科学高等研究院博士課程言語学専攻修了。博士(言語学)。二十代半ばに渡欧。パリでは言語学を学び、制作と学問の双方から言葉/文字を記す行為に向かいあった。2006年帰国。11年岩手県美術選奨受賞。近年の個展に、11年盛久ギャラリー(盛岡市)、新潟絵屋、砂丘館「特別展示 佐佐木實の書」、北書店画廊、12年Cyg art gallery「書書葉葉」(盛岡市)、13年OGU MAG「佐佐木實の書 − 型ハメ 型モレ −」(東京都荒川区)など。

←「肉」2011年
  鉛筆 色鉛筆 木炭 パステル 水彩 インク 紙片・紙
  43.8x31.8cm

 佐佐木さんの制作は、主題を選び抜き、掘り下げ、その過程を残していくというスタイル。徹底的感が強くて気持ちいい。佐佐木さんは、ドローイングを「書」と呼ぶことにしている。なぜなら、言葉/文字を書いているから、と。はじめて出会ったとき、まずはインパクトがあった。見つめていて自分の中に起こるイメージの広がりに驚いた。
 「はらいたまえ きよめたまえ」「ぐうたら」「御水」「国籍」「なまけもの」「生野菜」「隣人」「偉人」「性差」「壽と順子」
 これらはとある展覧会での出品リストで、私は、佐佐木さんの言語感覚がすきだ。そして、その言語を書にする佐佐木さんの変換力が素晴らしい。

 <私が現在制作しているものにはもはや言葉/文字を記すこと以外の要素が入り込んでいるかもしれない。ともあれ今は、人間の言語活動の諸相、特にそのよくわからない領域に思いをはせてもらえるような作品をつくりたい。勿論これからまた違う主題へと移行していくかもしれないが。>

 佐佐木さんの変化は毎回たのしみである。(井上美雪)

 


 
八木なぎさ展

2014年2月13日〜23日

企画 大倉宏
 

八木なぎさ(やぎ なぎさ)
■ 1961年横浜市生まれ。個展は94年シロタ画廊(銀座)、97・99年三木ギャラリー(銀座)、2000年木の葉画廊(神田)、08・13年 NICHE GALLERY(銀座)など。97年トリエンナーレ97’(ポーランド)、04年「日本の版画展」(グラバド国際美術館/アルゼンチン)、「現代版画 技術と表現」(黒部市美術館/富山)、06年「ART Shanghai2006」(上海)、07年「15th International Triennial of Graphic Arts,Sofia」(ブルガリア)、10年「今日の版画・10」(南魚沼市立今泉博物館/新潟)などに出品。

←「流星2」2003年 カゼインテンペラ他、板
  52.5×44.5cm

 八木なぎさの1980年代の初期作品から登場した尖り山は、形という静態でなく、地表を押し、突き破り出た何かの動態を強く感じさせる。
 山はその何かが刻した空間のくぼみであり、穴なのだ。虫食いのように傾斜面に穴のある絵や、山ひだを黒虫が這い上り、あるいは棒状に水が落ち町を沈める風景もある。
 山に手や顔の影など人体の断片が現れ、映る絵などを例外に、人の姿のない風景は、壮大な自然でありつつ、夢めいた内面の光景でもあるらしい。内面という形のないものを、自然という形に写して見た世界と言いかえてもいい。
 2003年の絵画「流星2」では、地表を突き出た何かが暗い空と大地を揺さぶる。何かを封じ、緊縛するものくぼませ、破りたい感情が、円錐火山を貫通し、空を星に穿ち、流星となった。流れ星は山に接近し、衝突するだろうか―秘められたそのほのかな期待に、闇と光が、土がざわめく。
 前回の個展で紹介した黒く、粘り、垂れ下がる盥(たらい)の海のイメージも、この不思議な尖り山の、その後の変化形であるらしいと気付く。不均質、多層的に動き続ける八木なぎさのイメージの軌跡を、近作とともに、遡った作品を並べて今回は望観したい。(大倉 宏)

 


    
トピックス


砂丘館は新潟市が所有する旧日本銀行支店長役宅を、新潟絵屋と新潟ビルサービスが共同で指定管理を行っている芸術・文化施設です。レトロなお屋敷内は、年間を通じ、さまざまな企画展示、伝統文化・芸能から現代芸術までの幅広い催しを行っています。新潟絵屋と砂丘館の展覧会がリンクすることもたまに。日本家屋に絵を掛けるコツが、絵屋と砂丘館両方に隠れています。

開館時間 9:00-21:00 休館日 月曜日・2/12休 
新潟市中央区西大畑町5218-1 どっぺり坂の上にあります。
025-222-2676 sakyukan@bz03.plala.or.jp

特別展示 mikkyoz 007/1月21日(火)-2月2(日)
野中光正展 2月20(木)-3月23日(日)
新潟漆器 竹塗の世界 2月4日(火)-16日(日)
 ※event 9日(日).11日(火祝)
中野綾子・加藤千明ダンスパフォーマンヌ
 2月15日(土)14:00・17:00/
 2月16日(日)14:00
 1,500円 / 要申込

夜の砂丘館で世界を散歩する
絵を見る話の会
2月28日(金)絵・野中光正「河」(木炭・紙)
3月7日(金)絵・林哲夫「雲」(油彩・キャンバス)
案内人・大倉 宏 お茶とお菓子・浅川園
各回19:15〜 / 700円 / 中学生以上 / 要申込

そのほか 
居間・茶の間・座敷・奥座敷・蔵は貸し室利用が可能
喫茶もできます(10時〜17時)

野中光正「河」


トピックス
松本健宏 干支人形
松本健宏 干支人形
¥10,000
峰村リツ子2014年カレンダー
¥1,000
青松ワークス A4額(黒・白)
¥3,500(カレンダーは別)

↑華雪篆刻「木馬嘶風」(もくばかぜにいななく) 特製額付 ¥13,500

←松本健宏 午てぬぐい 赤/青/紺 ¥2,000(額は別)


新潟絵屋サポーター、募集
新潟絵屋について・・・
1 .新潟絵屋の展覧会は、美術家の作品に共感し、それを紹介したいと思う「見る人」が企画しています。複数の運営メンバーで、より多様で、幅のある視点から、新潟の人々に質の高い美術に触れてもらえる場作りをめざしています。
2. 画廊は絵を売る商店であると同時に、無料の小さい美術館とも言われるように、公的な文化性を兼ね備えています。新潟絵屋は会員制度による会費や寄付金で経営の一部を支えられることで、販売の見込みに制限されすぎず、個の目からより自由に構想される企画展を実現できる場になりたいと願っています。
3. 作品販売は画廊の重要な経営基盤ですが、作品が「買われる」ことは、美術が直接個人の生活に入っていくことでもあります。その意味で作品販売も、美術を人々に広げていく活動の一面と考えています。
4. 展示室は、大正期の町屋を改装したもの。柱や欄間や土壁や格子戸もあります。日本の家と美術がもっと親密になることをも期待してのデザインです。
5. 近年、新潟絵屋以外での空間を会場に展覧会を企画開催し、個性的な場所ともの(作品)をつなげる活動も行っています。

種別は4種類。 寄付会員:  年会費03,000円
個人賛助会員:年会費05,000円 特典あり
正会員:   年会費05,000円 特典あり
法人賛助会員:年会費10,000円 特典あり

特典 ■作品1割引(各展覧会1作品)
■ご入会、ご更新にて有効期間中1回に限り作品1,000円割引
■有効期間中に更新でさらに1,000円割引
■新潟絵屋が主催する有料イベント2割引
■珈琲サービス
■絵屋オリジナルアイテム割引…たとえば「絵屋椅子」30,000円→25,000円
※作品1割引・1,000円オフ(併用可)のご利用は、展覧会作品の購入時に有効

   

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