2014年3月


2014年2月の絵屋

2014年4月の絵屋

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野中光正展

2014年2月28日〜3月10日

企画 大倉宏
 

野中光正「120409」

野中光正(のなか みつまさ)
■ 1949年東京都鳥越生まれ。67年に絵画を、73年に木版画を始める。68〜71年太平洋美術研究所、73〜82年渋谷洋画人体研究所で描く。77年横浜国際船客ターミナルでの初個展。89年新潟県高柳町に移住、紙漉を学ぶ。91年かやぶきの家(高柳)で個展、同年東京に戻る。以後は、ゆーじん画廊、ウィリアムモリスギャラリー、ギャラリーアビアント、高志の生紙工房ギャラリー(高柳)などで個展。新潟絵屋では01・05(画廊 Full Moonと2会場で)・06・10・12年に個展開催。

←「120409」2012年 ミクストメディア、紙
  61.0×46cm

■同時期開催
野中光正展
2014年2月20日(木)〜3月23日(日)
会場:砂丘館 
 当たりまえのようだが、野中光正の絵は野中に似ている。そのぶっきらぼうな繊細さにおいて。あるいは、ぶっきらぼうであろうとする繊細さにおいて。
 野中の生まれた浅草は町工場と問屋の町で、完成した商品の並ぶ商店街より物作りの現場に近い。近所には大英博物館まで行って浮世絵の刷りを披露した刷り師もいた。新潟に紙すき修行に出向いたり、絵の具もすべて自作する野中には、浅草っ子の血が流れている。一方野中の青年時代には反芸術やもの派が東京に台頭し、日本的な細やかな手技への総攻撃が美術界を席巻した。直接でないにせよ、そういう時代の波にも彼は感応した。繊細精緻へ向かう力、それをたたき壊す力。二つの波が力士のようにぶつかりあう。しぶき、とどろきが、一見静的な野中の抽象の画面をうごめかす。(大倉 宏)

 


 
橋本直行展

2014年3月12日〜20日

企画 大倉宏
 

橋本直行「浜辺の女」

「浜辺の女」2014年 油彩・キャンバス 60.0×91.0cm

橋本直行(はしもと なおゆき)
■ 1962年新潟県寺泊町生まれ。88年創形美術学校卒業。93年東京セントラル美術館油絵大賞展佳作賞。99年寺泊養泉寺本堂壁画制作。個展は、94年アトリエ我廊(新潟)、98・2000・05年新潟大和、2000年新潟絵屋、03年銀座文藝春秋画廊、04・05・07・09年沖縄三越、10年砂丘館・画廊Full Moon、09・13年アートギャラリー万代島(新潟)など。寺泊町(現・長岡市)在住。身近な風景や第二の故郷である沖縄の風景などを、主に油彩画で描く。
http://naoyuki-h.jp

■アーティストトーク
真ヲ写ス  長くうねった道のり 「絵が写真にいたる long and winding road」
真に迫る橋本直行の絵が、どのように描かれるのか。画廊では見えないアトリエの時間を紹介いただきます。
トーク:橋本直行 聞き手:大倉宏
3月14日(金)18:30〜 会場:新潟絵屋
参加料500円
(定員20名/要申込/新潟絵屋へ)
 今回出品される2点の女性像と2点の山羊の絵で、橋本直行は確実な進境を見せた。特に女性像がいい。
 写真と見紛う橋本の絵は、絵の具という物質で、描かれるモノーー絵の具ではない違う物質にどこまで肉薄できるかという追求において、写真以上に写真(真を写す)たろうとする。絵に顔を近づけると女性がまとうコートの毛や毛糸、髪、爪、指輪、肌のさまざまな部位の違う質感に異なる表面の凹凸や筆の走りで迫ろうとする、濃い熱を感じる。身を離すとそれは冷えながら空気感に変容する。人を描きながら、人が人を描くときに陥りがちな主情から遠い画面に、その空気を伝って主情が訪れる。ある年輪を重ねたヒトが、身体が、冷たい風の吹く海岸に、シーツを敷いた固い床にいる。そのあらわな実感が、微細で深い思いの波を揺り起こす。(大倉 宏)

 


 
パリの書店より 林哲夫作品展

2014年3月22日〜30日

企画 大倉宏
 

林哲夫「」

林哲夫(はやし てつお)
■ 1955年香川県生まれ。武蔵野美術大学油絵科卒業。79〜80年渡欧し英仏に滞在。画業のほか、装丁家、古書愛好家、エッセイスト、評論家としても活躍。書物同人誌『ARE』(94〜98年)、『sumus』(99年〜)を編集。近著に『古本屋を怒らせる方法』(白水社)、『読む人』(スムース文庫)、『歸らざる風景―林哲夫美術論集』(みずのわ出版)。他に『林哲夫作品集』(風来舎)、『古本デッサン帳』(青弓社)、『喫茶店の時代』(編集工房ノア、第15回尾崎秀樹記念大衆文学研究賞受賞)、編著『書影でたどる関西の出版100』(創元社、第9回竹尾賞デザイン書籍優秀賞受賞)等。
http://sumus.exblog.jp

←「ローズ・ド・ジャヴァ書店」2013年 水彩・紙 23.0×16.0cm

■イベント
小さなお茶会  林哲夫さんを囲んで
3月23日(日)15:00〜 会場:新潟絵屋 参加料700円
(定員10名/要申込/新潟絵屋へ 協力:日本茶インストラクター協会)
■本展出品作の一部を、まちの書店に展示します。
会場:北書店(新潟市中央区医学町通2番町10-1 ダイアパレス医学町101 025-201-7466)
 林哲夫の絵を見ていると、パリの書店に行ったことはないけれど、何か懐かしい。東京神田の古書店街を歩く気分がよみがえる。
 いい書店にはいい顔?構えがある。看板やペンキの色、置き棚やウィンドウの本の並び。ちらりと見える奥。つい吸い込まれ、薄暗い明かりに浮かぶ本の海にたたずむ時間までが見えるよう。店内に広がる宇宙は、時に店をはめ込む建物より大きい。
 本好きは、同じ本好きが創造する書店の小宇宙に流れる空気に誘われる人種なのだろう。古書マニアで古本を描いた絵も多い林の「書店」シリーズは、ネット社会が放逐しつつある街中の小書店の価値、魅力、かけがえのなさに改めて気付かせる。北光社、佐久間書店、学生書房…一昔前にはまだ新潟にもあった書店、古書店の記憶が絵に重なる。(大倉 宏)

 



 
トピックス

松本健宏
※2014年12月 松本健宏展開催予定  新作の染色作品や人形を
今からどうぞお楽しみに。
¥10,000
裸雛set ¥5,000 洞雛 ¥5,000 円盤雛 ¥5,000

野中光正さんが手がける「AMANOJAKU」の手摺り版画栞やぽち袋、折り紙を取り扱っております。
「野中光正展」と一緒にお楽しみ下さい。

EYA SHOP CRAFT 3
2014年4月2日(水)〜30日(水)田澤祐介「木の生活道具とうつわ」

新潟絵屋サポーター、募集
新潟絵屋について・・・
1 .新潟絵屋の展覧会は、美術家の作品に共感し、それを紹介したいと思う「見る人」が企画しています。複数の運営メンバーで、より多様で、幅のある視点から、新潟の人々に質の高い美術に触れてもらえる場作りをめざしています。
2. 画廊は絵を売る商店であると同時に、無料の小さい美術館とも言われるように、公的な文化性を兼ね備えています。新潟絵屋は会員制度による会費や寄付金で経営の一部を支えられることで、販売の見込みに制限されすぎず、個の目からより自由に構想される企画展を実現できる場になりたいと願っています。
3. 作品販売は画廊の重要な経営基盤ですが、作品が「買われる」ことは、美術が直接個人の生活に入っていくことでもあります。その意味で作品販売も、美術を人々に広げていく活動の一面と考えています。
4. 展示室は、大正期の町屋を改装したもの。柱や欄間や土壁や格子戸もあります。日本の家と美術がもっと親密になることをも期待してのデザインです。
5. 近年、新潟絵屋以外での空間を会場に展覧会を企画開催し、個性的な場所ともの(作品)をつなげる活動も行っています。

種別は4種類。 寄付会員:  年会費03,000円
個人賛助会員:年会費05,000円 特典あり
正会員:   年会費05,000円 特典あり
法人賛助会員:年会費10,000円 特典あり

特典 ■作品1割引(各展覧会1作品)
■ご入会、ご更新にて有効期間中1回に限り作品1,000円割引
■有効期間中に更新でさらに1,000円割引
■新潟絵屋が主催する有料イベント2割引
■珈琲サービス
■絵屋オリジナルアイテム割引…たとえば「絵屋椅子」30,000円→25,000円
※作品1割引・1,000円オフ(併用可)のご利用は、展覧会作品の購入時に有効

   

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