2014年5月


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石彫と書 漆山昌志・小山素雲展

2014年5月2日〜10日

企画 旗野秀人
 

漆山昌志「笹山の語らい」

小山素雲「超絶古今」

「笹山の語らい」2014年 h45.0cm

漆山昌志(うるしやま まさし)
■ 1955年安田町(現阿賀野市)生まれ。愛知県岡崎市で石工修業。88年から県展、芸展に石彫を出品。2000年二科展特選受賞。04年十日町石彫シンポジウムに参加。二科会会友、新潟県美術家連盟会員。新潟絵屋では01・03・06・08年に個展開催。阿賀野市在住。

「超絶古今」2014年 26.0×35.0cm

小山素雲(こやま そうん)
■ 1954年頚城村(現上越市)生まれ。高校教員の傍ら、今井凌雪氏に師事。読売書法展俊英賞等受賞。日展入選3回。個展8回。現在読売書法展理事、日本書芸院展評議員、新潟県書道協会理事、新潟県美術家連盟会員。新潟絵屋では2000年に渡部由春(陶芸)との二人展を開催。阿賀野市在住。

 1997年以来だから久しぶりの2人展である。はじめての会場は安田城跡内堀のほとりにあるコミュニティセンターだった。周りの穏やかな風景がそのまま展示会場の作品にも馴染むように繋がっていて、素材がまったく違うのに違和感なく、ほっこりした気分になったものである。展覧会以外でもずいぶんとお二人からは協働してもらっている。例えば、98年の春には水俣病事件発祥の地にお地蔵さん石を見極めてもらうために漆山さんからも同行願って、阿賀野川のほとりに建立した。小山さんにはそのお地蔵さんの背中に「不知火から阿賀へ」そして、その建立の由来を和紙に揮毫してもらい末代まで語り伝えられるようステンレス製の経筒に入れ、腹に納めた。今回の絵屋空間でのハーモニーも楽しみである。(旗野秀人)

 


 
栗田宏展

2014年5月12日〜20日

企画 大倉宏
 

栗田宏

栗田宏(くりた ひろし)
■ 1952年白根市(現新潟市南区)生まれ。白根市役所に勤務し、在職中より絵を描き始める。その後、退職し絵に専念。「生成」「気」「密」などのテーマで制作を続ける。84・85年現代画廊(東京)、2000・02年新潟絵屋、04・05・07・08・09・10年画廊Full Moonで個展。砂丘館にて07年個展、11年「栗田 点 華雪」、13年「平野充・栗田宏」開催。89年「新潟の絵画100年展」(新潟市美術館)、「新潟の画廊から アンティエ・グメルス/栗田宏/蓮池もも」(KANI/東京)等グループ展に参加多数。

←無題 1980年代 油彩・キャンバス 15.1×9.7cm

 五泉の家をずいぶん久しぶりに訪ねると、栗田宏は絵を描き出していた。小さい板に半透明のものが塗られている、蜜蝋系の樹脂らしい。
 2年前に「而今(じこん)」という白一色の絵を発表した。が、それだけで、この数年ほとんど制作を絶ち、良寛に没頭していた。絵に以前のような集中を持てなくなったので描かないとも、話していた。部屋の隅の棚には前に見なかった良寛関係の本が2段、ぎっしり背表紙を見せている。
 白に透明感を求めて、試しだしたのだという。まだ試作段階だという絵は、図版にできないので、かわりに近くにあった赤い油彩を借りてきた。1980年代の絵だろうか。溶岩のような絵の具の盛り上がりが、若き日の画家の切迫した息を伝えている。栗田を評価した画廊主・評論家の洲之内徹が1987年に急逝し、東京での葬儀に共に参列した。その帰途、車中で見せられた素描から、栗田の絵との長い付き合いが始まったのだった。新潟市美術館では「洲之内徹と現代画廊」展が折しも開催中。今はいない洲之内徹とともに、長い沈黙後の新作を、期待して待ちたい。(大倉 宏)

 


 
佐藤裕一郎展

2014年5月22日〜30日

企画 大倉宏
 

佐藤裕一郎「Glacier」

佐藤裕一郎(さとう ゆういちろう)
■ 1979年山形県生まれ。2003年東北芸術工科大学日本画コース卒業。05年同大学院修了。05年第3回トリエンナーレ豊橋 星野眞吾賞展で優秀賞。09年川口市文化三賞芸術奨励賞。11年YOUNG ARTISTS JAPAN Vol.5で佃義徳賞受賞。個展は04年なびす画廊、05年ガレリア・グラフィ カbis、07〜12年gallery―58、07年砂丘館、07・08年画廊Full Moon、09・11年新潟絵屋、川口市芝川鋳造「アートがまちに繰り出す 佐藤裕一郎展」など。

←「Glacier」2013年 顔料・和紙 240×700cm

 佐藤裕一郎の絵は大きい。山形や横浜での展示では、横幅で20メートルを越える作品があった。砂丘館では絵が展示室に入りきらず、折り曲げた。写真の近作は実見していないが、そうとう大きそう。もちろん狭い絵屋に入らない。イメージ写真である。
 今回も川口の佐藤のアトリエには行かれず、電話で話した。まったく違う絵をこれからも描きたい、研究したいとのこと。次に電話すると、今回はそれを作品化するには研究が足りないと感じているとのことで、「まったく違う」絵ではない近作の写真を送ってもらった次第。新作がどう「まったく違う」かも少し聞いたが、それは書かない。どう変わっても、彼の絵の大きさは変わらないと思うからだ。大きいとでかいは違う。後者はただ物理的に大きい。佐藤の絵の大きさは、むしろ内容にある。絵に向かう衝動の大きさ、壮大が、物理的大きさを求める。色彩、テクスチュアなど、作風は幾度か変わってきたが、絵の感じさせる「大きさ」は変わらなかった。
 佐藤の制作は不断の格闘である。出会ったころから変わらない姿勢の健在を、電話で感じた。(大倉 宏)

 






絵を長くたのしみ、大切にするにはどうしたらよいのか。
これが意外と知られていないようです。
お客様の手元に作品が渡ってからも絵が長く大切にされることを願い、
取り扱いについていくつかのアドバイスをお伝えする印刷物を作ります。
まずは、絵画編を。おたのしみに。(担当:大倉・井上)

Photo Clip
絵だけでは味わう世界とは、また別種の体験を、参加された皆さんと共有することができました。(大)
 
3/14夜 橋本直行展アーティストトーク 3/23午後 林哲夫展 小さなお茶会

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新潟絵屋について・・・
1 .新潟絵屋の展覧会は、美術家の作品に共感し、それを紹介したいと思う「見る人」が企画しています。複数の運営メンバーで、より多様で、幅のある視点から、新潟の人々に質の高い美術に触れてもらえる場作りをめざしています。
2. 画廊は絵を売る商店であると同時に、無料の小さい美術館とも言われるように、公的な文化性を兼ね備えています。新潟絵屋は会員制度による会費や寄付金で経営の一部を支えられることで、販売の見込みに制限されすぎず、個の目からより自由に構想される企画展を実現できる場になりたいと願っています。
3. 作品販売は画廊の重要な経営基盤ですが、作品が「買われる」ことは、美術が直接個人の生活に入っていくことでもあります。その意味で作品販売も、美術を人々に広げていく活動の一面と考えています。
4. 展示室は、大正期の町屋を改装したもの。柱や欄間や土壁や格子戸もあります。日本の家と美術がもっと親密になることをも期待してのデザインです。
5. 近年、新潟絵屋以外での空間を会場に展覧会を企画開催し、個性的な場所ともの(作品)をつなげる活動も行っています。

種別は4種類。 寄付会員:  年会費03,000円
個人賛助会員:年会費05,000円 特典あり
正会員:   年会費05,000円 特典あり
法人賛助会員:年会費10,000円 特典あり

特典 ■作品1割引(各展覧会1作品)
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