2014年6月


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華雪展「家を巡る」

2014年6月2日〜10日

企画 大倉宏
 

華雪

華雪(かせつ)
■ 1975年京都府生まれ。新潟では2004年の「雲と仮面と、雨粒の鳥」(新潟絵屋)以来、07年「足もとのこと」(砂丘館)、「上」(新潟絵屋)、08年「刺心」(新潟絵屋)、09年「刺心」(二宮家米蔵/聖籠町)、「刺心の跡」(新潟絵屋)、10年「劇」(二宮家米蔵)、「日」(F/style)、11年「十二」(新潟絵屋)、13年「人とひと」(室礼/岩室温泉)などつながりが深い。刊行物に『石の遊び』(平凡社)、『書の棲処』(赤々舎)、『ATO 跡』(between the books)など。『戦争×文学』(集英社)、『石原慎太郎の文学』(文藝春秋)、『木の戦い』(詩:タリエシン/エクリ)をはじめ書籍の題字も多数手がける。〈字を書く〉ことを軸としたワークショップを各地で行う。水と土の芸術祭2012出品。東京都在住。
http://www.kasetsu.info

■こどもを対象としたワークショップを開催します。
 テーマは家。「これまで書いてきたスケッチ的なもの」といういくつかの「家」の書の、宀とその下の生き物めいた豕(いのこ)を見る。
<わたしが惹かれる「家」はさまざまな理由で、もはや実際にそこへは帰ることのできない「家」であることに気付きました。だから時折、「家」 とそこに住んだひととをつないでいるなにか、あるいは途切れてしまったなにかを無性に確かめたくなるのです。>
という書家の言葉を思う。豕は屋根に頭をぶつけ、はみだし、突き破り、屋根下の余白もふくらみ、尖り、ねじれている。どの家も安泰からほど遠そうだけれど、 面白い。どっしりした屋根もあれば、こころもとない屋根もあり、そういえば私が住んだいくつかの家も、屋根の下はあまり平穏でなかったが、それぞれに面白かった。混乱を極めた家にも郷愁を感じる。ふしぎだ。(大倉 宏)

 


 
蓮池もも展

2014年6月12日〜20日

企画 大倉宏
 

蓮池もも

蓮池もも(はすいけ もも)
■ 1983年新潟市生まれ。2006年fullmoon upstairs、07、08、09、10、11年画廊Full Moonで個展。新潟絵屋では10・12・13年個展開催。12年2月「新潟の画廊から 栗田宏/アンティエ・グメルス/蓮池もも」(ギャラリーKANI/東京中野)出品。12年〜絵屋便・表紙絵を連載する。

←2014年 色鉛筆・紙 24.5×33.6cm

■絵屋便に連載した蓮池ももさんの原画から、
 一筆箋・封筒を作りました。
 2014年6月12日発売。
 蓮池ももは、この数年、年一度の個展ごとに書法を変えてきた。揺れ、動く彼女の心の位置と呼応してあらわれる書法とともに、行き着くところまで歩く。個展は個々の絵とともに、その軌跡を望観する場になってきた。
 2年前の書法にもどこかつながるようにも見える、色鉛筆の黒を用いた今回の素描群から「分かれ目」という言葉が浮かんだ。光る人の光を、気泡のように迎えいれることで、もろさと新しい強さを同時に孕んだようにも見える線。ざくざくという音が聞えるようなそのタッチが、左右に分けた髪の分かれ目のような姿を、方々で刻む。光る人は家族の集合体から、数人、ふたり、ひとりへと揺れ、ふたりの少女が抱き合う印象的なイメージがあらわれる。ふたりの足元を水がひたし、<湿地>が広がる。(大倉 宏)

 


 
井田英夫展

2014年6月22日〜30日

企画 大倉宏
 

井田英夫「自画像」

井田英夫(いだ ひでお)
■ 1975年旧新津市生まれ。97年新潟デザイン専門学校卒。1999年モンセラート美術大学(アメリカ、マサチューセッツ州)卒業。ミンゴーギャラリー(マサチューセッツ州)で二人 展。02・04・06・07・09・10・12・13年新潟絵屋、05年ギャラリーEMU-st、11年久留米市一番街多目的ギャラリーで個展開催。

←「自画像」2014年 油彩・キャンバス 73.2×60.7cm

■夜間営業のお知らせ
 6月27日(金)のみ21時閉店です。
 今回で9回目になる井田英夫展。去年の11月の個展から、8か月たらずという間隔は新潟絵屋では異例だが、井田さん自身からの、短い間隔で発表してみたいという希望に応えたものである。意欲的な一方で、井田さんはここしばらく、苦闘しているようにも見える。彼の内側にあるものと、向かい合う新潟の風景や自然とのかみあわなさが、いい時期の絵にあらわれる豪胆で繊細なリズムを見失わせている。
 見せてもらったなかでは、まだ中途だという自画像に、井田さんらしさを感じた。なんとなく平安初期の仏像のような力と存在感がある。膝の猫と、その膝や体全体に猫の重み、存在を感じつつ描く自分を、気負いなく、坦々と見つめる時間に浮上するものが、井田さんの色を深めている。(大倉 宏)

 






華雪 書のワークショップ  「木」を書いて「森」をつくる
日 時 2014年6月8日(日)14:00〜16:00
会 場 新潟市 こども創造センター(いくとぴあ食花 内)新潟市中央区清五郎375番地2 025-281-3715
参加料 1,500円*材料費込み
対 象 主に小学生*親子でも可能(小学生未満の方は親子でご参加ください)
持ち物 新聞紙数日分。メモする程度の筆記用具。筆と紙はご用意します。
タオルをご持参の上、汚れてもよい服装でご参加ください
参加方法 新潟絵屋へお申し込みください
・メール info@niigata-eya.jp
・電話/ファックス 025-222-6888
*参加される方のお名前、学年(年齢)、連絡先をお知らせください



2000年オープンしたに新潟絵屋は、この6月で満14歳。現在地に移って7年。並木町時代の6年6か月より長くなった。6年前の漆山昌志石彫展の出品作、通称「三つ編み観音」も、絵屋の前庭にすっかりなじんで、画廊を訪ねる人を見つめている。
その漆山さんとの二人展で14年ぶりに絵屋で展示をしていただいた小山素雲さんが、会期中の5月8日急逝された。6日間画廊に通って下さった、翌朝だった。 (O)

小山素雲さん 2000年7月→


Photo Clip

2000年以来、玄関に置いている「開廊中 ご自由にお入り下さい」は、小山さんに書いていただいたもの。絵屋椅子の「絵屋」の字、看板も 三つ編み観音
   

新潟絵屋サポーター、募集
新潟絵屋について・・・
1 .新潟絵屋の展覧会は、美術家の作品に共感し、それを紹介したいと思う「見る人」が企画しています。複数の運営メンバーで、より多様で、幅のある視点から、新潟の人々に質の高い美術に触れてもらえる場作りをめざしています。
2. 画廊は絵を売る商店であると同時に、無料の小さい美術館とも言われるように、公的な文化性を兼ね備えています。新潟絵屋は会員制度による会費や寄付金で経営の一部を支えられることで、販売の見込みに制限されすぎず、個の目からより自由に構想される企画展を実現できる場になりたいと願っています。
3. 作品販売は画廊の重要な経営基盤ですが、作品が「買われる」ことは、美術が直接個人の生活に入っていくことでもあります。その意味で作品販売も、美術を人々に広げていく活動の一面と考えています。
4. 展示室は、大正期の町屋を改装したもの。柱や欄間や土壁や格子戸もあります。日本の家と美術がもっと親密になることをも期待してのデザインです。
5. 近年、新潟絵屋以外での空間を会場に展覧会を企画開催し、個性的な場所ともの(作品)をつなげる活動も行っています。

種別は4種類。 寄付会員:  年会費03,000円
個人賛助会員:年会費05,000円 特典あり
正会員:   年会費05,000円 特典あり
法人賛助会員:年会費10,000円 特典あり

特典 ■作品1割引(各展覧会1作品)
■ご入会、ご更新にて有効期間中1回に限り作品1,000円割引
■有効期間中に更新でさらに1,000円割引
■新潟絵屋が主催する有料イベント2割引
■珈琲サービス
■絵屋オリジナルアイテム割引…たとえば「絵屋椅子」30,000円→25,000円
※作品1割引・1,000円オフ(併用可)のご利用は、展覧会作品の購入時に有効

   

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