2014年7月


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しんぞう展

2014年7月2日〜10日

企画 大倉宏
 

しんぞう「飛べない空」

しんぞう
■ 1974年横浜市生まれ。武蔵野美術大学油絵科卒業。2009年「大地の芸術祭」に出品後、12年「あなたの心の裏の河」(砂丘館)、13年「ときどき原始人」(新潟絵屋)と、新潟で個展を行う。その他の個展は、07・08・09・11・12年新宿眼科画廊(東京)、09・10・11・12・13年DAMギャラリー(韓国)など。芸術道場GP(グランプリ)銀賞、第29回損保ジャパン美術財団選抜奨励展入選、第44回神奈川美術展入選など受賞。装画に「臨床の詩学」(春日武彦・著/医学書院)がある。新潟市在住。
http://www.sinzow.com/

←「飛べない空」2014年
  アクリル・キャンバス 116.7×91.0cm

 両手にローソク(?)を持つ男の子の絵の、泡立つ白に、甘いアイスクリームと吐瀉物を感じた。忘れがたい味だ。目を近づけると大きな筆の、嵐のようなダンスに引きずり込まれる。絵にはっしと投げられ、宙空を回転する。
 しんぞうの絵はイメージの面で語られやすいけれど、力はイメージのもっと、ずっと先から来る。むかし図画の時間で、思う色に近づけようと絵具をまぜ過ぎてにごり、きたなくなった。それが男の子の背中に、尻に、足に出ていて、その色に惹かれる。美しい。それはこのきたない色が、<真実>に直結しているからだろう。絵の真実はイメージの、「思う」ことの、先にある。ときを遡上して、この絵を、むかしの自分に教えたくなった。(大倉 宏)

 


 
片桐翠展

2014年7月12日〜20日

企画 大倉宏
 

片桐翠「ギフト」

片桐翠(かたぎり みどり)
■ 1978年新潟市生まれ。99年青山学院女子短期大学英文科卒業。渡英。ウェストミンスター大学(ロンドン)で映画とイラストレーションを学ぶ。2006年創形美術学校造形科卒業。第1回パリ賞受賞。副賞でシテ・インターナショナル・デ・ザール(パリ)に8か月滞在。個展は07年知足美術館、08・10・12年新潟絵屋、11・13年アートスペース88国立、14年新潟県立植物園など。13年マレーシアArt Expoに参加。
作家在廊日:7/12.13.20

←「ギフト」2013年 油彩・キャンバス 65.2×100.0cm

 フラット(平ら)な色面は面白い。平らは高低がないことで、強弱がないということ。片桐翠のこの絵の背景の青がまさにそうなのだが、強弱がないから、どこからでも目が楽に 入っていける。間口がひろい。
 ただ、いったん入ってみると、一見平らのようで、この青、ところどころ微妙に水色やうす緑に傾いていて、土地で言えば微高地、微低地がある。ないようである塩梅が、自然なようであり、不自然(人為的)なようであり、プールと海が合体しているよう。
 水彩や色鉛筆の近作では肥痩(ひそうー太い細い)を持つ線が活躍しはじめたが、そこにも自然と人為の独自の按分が見える。さらりと描いたようで、そうでないような。片桐翠的微妙に惹かれる。(大倉 宏)

 


 
荻間久美展

2014年7月22日〜30日

企画 井上美雪
 

荻間久美「瑠璃の花」

荻間久美(おぎま くみ)
■ 1978年新発田市生まれ。2003年陶工房セラにて、06年坂爪勝幸工房(胎内市)にて制作。坂爪勝幸氏に師事。
09年大地の芸術祭越後妻有アートトリエンナーレ妻有焼展入選。08年2人展「ハナとウツワのカタチ」(カーブドッチ・薪小屋)、10年グループ展「この界隈のビジュツ—〈いま・ここ〉のパフォーマンスを上げる—」(ギャルリー炎舎)、12年グループ展「風の通り道」(芹川画廊/銀座)、水と土の芸術祭2012プレイベント「東日本大震災復興支援 松浜地区心意気ARTフェスタ」出品など。

←「瑠璃の花」2013年 左:H16cm

 落着いた色調の土片が、ファイルに整理され、きちんと並んだ様子を思い出す。それは荻間さんの色見本。トーンを探り、資料化し、実作に向かう。黙々と手探りしてきただろう荻間さんが思い浮かぶ。
 近作を見せていただいたところ、松かさの新芽を思わせる実のようなものが、絵屋の庭にもあるハランの付け根から生え、歩き出しそうになっていた。鱗のようにも見える実の襞は、手が込んでおり、地道な仕事ぶりが伺える。パステル調だが甘過ぎない色合で、焼き上がりが楽しみになった。本焼きはこれから、というところで見せていただいたのだった。特に惹かれたのは、ハラン部分の筋力である。薄く、風に吹かれたらしなやかに揺れそうだが、同時にその薄さで自在に複数の葉を使いこなしそうな好感触のあやしさがある。
 荻間さんは陶芸をはじめて10年が経つ。今回、初めての個展となる。(井上美雪)

 




 


蓮池ももさんの表紙絵から
グッズを作りました!
・一筆箋30枚綴り 500円(税別)
(3種10枚ずつ/2013年表紙絵より)
・封筒 400円(税別)
(5枚組/2014年1月号表紙絵より)



華雪ワークショップ「木」を書いて「森」をつくる(6月8日 新潟市こども創造センターにて)
2才から小学6年生の22人が参加。*8/10まで公開中
(中央区清五郎375番地2)
 


華雪さんのワークショップ作品展示 8月10日(日)まで延長
期間日中: 7月1日(火)〜8月10日(日) 9:00〜17:00
作品展示空間で「森」を舞台としたアニメDVD鑑賞
(かいじゅうたちのいるところ、ハチドリのひとしずく、やさいいオオカミ、白雪姫など)
延長開館日夜間:7月26日(土)〜8月10日(日)18時頃〜19時
作品展示空間で『「木」を書いて「森」をつくる』ワークショップ映像鑑賞

新潟絵屋サポーター、募集
新潟絵屋について・・・
1 .新潟絵屋の展覧会は、美術家の作品に共感し、それを紹介したいと思う「見る人」が企画しています。複数の運営メンバーで、より多様で、幅のある視点から、新潟の人々に質の高い美術に触れてもらえる場作りをめざしています。
2. 画廊は絵を売る商店であると同時に、無料の小さい美術館とも言われるように、公的な文化性を兼ね備えています。新潟絵屋は会員制度による会費や寄付金で経営の一部を支えられることで、販売の見込みに制限されすぎず、個の目からより自由に構想される企画展を実現できる場になりたいと願っています。
3. 作品販売は画廊の重要な経営基盤ですが、作品が「買われる」ことは、美術が直接個人の生活に入っていくことでもあります。その意味で作品販売も、美術を人々に広げていく活動の一面と考えています。
4. 展示室は、大正期の町屋を改装したもの。柱や欄間や土壁や格子戸もあります。日本の家と美術がもっと親密になることをも期待してのデザインです。
5. 近年、新潟絵屋以外での空間を会場に展覧会を企画開催し、個性的な場所ともの(作品)をつなげる活動も行っています。

種別は4種類。 寄付会員:  年会費03,000円
個人賛助会員:年会費05,000円 特典あり
正会員:   年会費05,000円 特典あり
法人賛助会員:年会費10,000円 特典あり

特典 ■作品1割引(各展覧会1作品)
■ご入会、ご更新にて有効期間中1回に限り作品1,000円割引
■有効期間中に更新でさらに1,000円割引
■新潟絵屋が主催する有料イベント2割引
■珈琲サービス
■絵屋オリジナルアイテム割引…たとえば「絵屋椅子」30,000円→25,000円
※作品1割引・1,000円オフ(併用可)のご利用は、展覧会作品の購入時に有効

   

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