2014年9月


2014年8月の絵屋

2014年10月の絵屋

  新潟絵屋あんない 作家INDEX Blog  

 
半間道子展『過去に流れていた時間について』

2014年9月2日〜10日

企画 大倉宏
 

半間道子「亡き王女のためのパヴァーヌ」

半間道子(はんま みちこ)
■ 1979年新潟県生まれ。2006年新潟大学大学院教育学研究科修了。個展は05年「シグナルとスケッチ」(トキアートスペース/東京)、10年「シグナルとスケッチvol.3」(新潟県立図書館内カフェ micicoco)、11年「ぺネロペの寝室」展(今井美術館/見附市)、13年「ジャパニーズ・イコン—団地の一室にてー」(今井美術館)開催。

←「亡き王女のためのパヴァーヌ」2014年 27.4×28.2cm

 最近の<芸術祭>と呼ばれる催しでは作品は発想で選ばれ、制作は後で始まる。しかし魅力的な発想が、発想だおれに終わる例も少なくない。半間さんはそんな<芸術祭>時代に大学で美術を学び、内野deアートという芸術祭にも実際関わり、参加した。内野deアートを見逃す年も多かった私は、新潟市美術館の荒井直美さんに教えられて半間さんの仕事を知った。<芸術祭>世代の空気をポートフォリオに感じた。
指など体の部分を拡大した写真作品に、あっと思わせる力があった。制作の質はまだ揺れているけれど、光る何かがある人だ。
 発想を作品で確認するだけでは、人の心は揺れない。制作の過程で、発想とは違う水源が、いく筋も流れ込み、時に逆流して、作品はふくらむ。そのふくらみが発想とあいまって人を動かす。新作に会う最初の一瞬、一瞥を期待したい。(大倉 宏)

 


 
仲塚庸子展

2014年9月12日〜20日

企画 大倉宏
 

仲塚庸子「虹のなかで」

仲塚庸子(なかつか ようこ)
■ 1954年新潟市生まれ。79年より個展で発表。90・93年?毎年アトリエ我廊(新潟)、08・10年上海にて、10年gt.moo.gallery、11年mu-an、13年アートサロン環にて個展開催。2001年「接点」(埼玉県立近代美術館)出品。そのほか個展・グループ展多数。

←「虹のなかで」2014年 墨・紙 15.0×20.0cm

 仲塚庸子の絵を最初に見たのは、西堀前通りにあった寿画房という画材店だった。30年も前になる。
 画材店の主の伴さんが、若い画家たちの絵を見ていろいろ助言などをしていたようで、そうして持ち込まれた絵の一枚だったらしい。球体が描かれ、背後に強い光を発する何かがあり、その何かが、しかし球体に隠されて見えない、という絵だった。その見えなかったものが、今も強く記憶に刻まれてある。
 以来、仲塚の制作も変遷を重ね、減筆体の抽象を経て、数年前から不思議な水彩画の制作を始めた。光を阻むかたくなさは、なお健在だが、その堅さに光がきりきりとしみ入り、にじんでもきた。カラーのDMに載せたそのピンクの作品と別に、絵屋便の絵は、一緒に見せられた墨の作品から選ばせてもらった。この画家の強さでもあり、弱さでもある固さが、一瞬、無防備にほどけたような気配がここにはある。(大倉 宏)

 


 
石原けいこ展

2014年9月22日〜30日

企画 大倉宏
 

石原けいこ「return to something familiar」

石原けいこ(いしはら けいこ)
■ 東京都生まれ。California College of Artsで絵画を学ぶ。2000年イタリアUnbriaのinternational School of Paintingの絵画と彫刻のサマーセッションに参加。05、06年Cecile Moochneck Gallery(バークレー/米 カリフォルニア)での展覧会、08年Red Dot Art Fair(ニューヨーク)に参加。個展は03年カフェひょうたん島(東京)、04—08年ギャラリーブリキ星(東京)、10・12年Gallery Nokta(伊豆)、11年ギャラリーみずのそら(東京)、06年Front Gallery(オークランド/カリフォルニア)。新潟絵屋では09・11年個展開催。バークレー在住。

←「return to something familiar」2014年
 コンテ・紙 32.0×23.0cm

 3年ぶり3回目の石原けいこの個展。会期はずいぶん前に決めていたのだが、石原さんから事情で中断していた制作をようやく再開したと、少し前に連絡があった。図版はそのときに、バークレーから送られてきた一枚である。
 石原らしい魅力的なあいまいの片鱗が見えるが、まだ本格的な集中の手前のようなスケッチだ。羊飼いのはく靴で、世界中を旅していた石原は、その靴を見失ったのかもしれない。けれど、人は、靴なしだって歩けるのではないか。はだしで歩き出す石原けいこが、絵の世界でどのような旅を紡ぐのか、見守る個展として開催したい。(大倉 宏)

 



    
砂丘館情報 休館日/月曜日(ただし9/15は開館)・9/16・24

「村の肖像I・展」
9月2日(火)〜21日(日)

同時開催
「村の肖像II・展」
9月3日(水)〜21日(日)
新潟大学旭町学術資料展示館
(中央区旭町通2-746/025-227-2260/
10:00〜16:30/月火休)

長尾玲子展「おはな」9月11日(木)〜13日(土) 
刺繍で描く、長尾玲子さんの三日間だけの新作展覧会。会場:砂丘館(居間)/公開時間10:00〜18:00/市民利用


「生誕120年 西脇順三郎展 汝は汝の村へ帰れ」
9月27日(土)〜10月5日(日) 水曜休館
会場:小千谷市民学習センター(楽集館)
小千谷市上ノ山4-4-2 tel.0258-82-8282
主催:小千谷市教育委員会・西脇順三郎を偲ぶ会 
協力:新潟絵屋
・9月27日、10月5日 トークやシンポジウムイベントあり

西脇順三郎生誕120年記念講演会
小千谷に生まれ、小千谷で亡くなった永遠の旅人・西脇順三郎。今年はその西脇の生誕120年にあたります。ノーベル文学賞候補に5回、「汝は汝の村へ帰れ」とうたった西脇順三郎。その多彩な才能の一端を講演会と企画展示で紹介します。
日 時 2014年9月27日(土曜日)午後1時〜5時
プログラム
第1部:講演会  時間:午後1時〜
講師:諏訪哲史さん(第137回芥川賞作家)
演題:『古代が懐かしい—西脇順三郎の「永遠=超時間」』
第2部:座談会  時間:午後3時〜
テーマ:『ふるさとの夢』—西脇順三郎の生誕から未来へ—
パネリスト:新倉俊一(明治学院大学名誉教授)、澤正宏(福島大学名誉教授)、
八木幹夫(詩人)、大倉宏(美術評論家)、加藤孝男(歌人)、諏訪哲史(作家)、
太田昌孝(名古屋短期大学教授:司会)
会 場 小千谷市民会館大ホール(新潟県小千谷市土川1丁目3番3号)
入場料、申込み 無料、申込みは不要です。当日直接小千谷市民会館にお越しください。
主催、
問い合わせ
主催者:小千谷市教育委員会、西脇順三郎を偲ぶ会
問い合わせ:小千谷市立図書館(電話0258-82-2724)


8月2日 陶芸体験「かおをつくる」 講師:フジタヨウコ(新潟市こども創造センターにて/協力事業)
子供たちと土が仲良くなっていきました。手に馴染んで柔らかくなっていったグレーの白土は、焼き上がると白く、赤茶のベンガラは黒っぽくなります。8月中に施設の窯で焼いて作者の元へ。

峰村醸造(株式会社峰村商店)さんの直売店が、9月上旬栗ノ木バイパス沿い(中央図書館近く)にオープン予定です。現在、そちらへお納めする華雪の書を額装中。上質なものを扱う空間に、上質な書が飾られます。

新潟絵屋サポーター、募集
新潟絵屋について・・・
1 .新潟絵屋の展覧会は、美術家の作品に共感し、それを紹介したいと思う「見る人」が企画しています。複数の運営メンバーで、より多様で、幅のある視点から、新潟の人々に質の高い美術に触れてもらえる場作りをめざしています。
2. 画廊は絵を売る商店であると同時に、無料の小さい美術館とも言われるように、公的な文化性を兼ね備えています。新潟絵屋は会員制度による会費や寄付金で経営の一部を支えられることで、販売の見込みに制限されすぎず、個の目からより自由に構想される企画展を実現できる場になりたいと願っています。
3. 作品販売は画廊の重要な経営基盤ですが、作品が「買われる」ことは、美術が直接個人の生活に入っていくことでもあります。その意味で作品販売も、美術を人々に広げていく活動の一面と考えています。
4. 展示室は、大正期の町屋を改装したもの。柱や欄間や土壁や格子戸もあります。日本の家と美術がもっと親密になることをも期待してのデザインです。
5. 近年、新潟絵屋以外での空間を会場に展覧会を企画開催し、個性的な場所ともの(作品)をつなげる活動も行っています。

種別は4種類。 寄付会員:  年会費03,000円
個人賛助会員:年会費05,000円 特典あり
正会員:   年会費05,000円 特典あり
法人賛助会員:年会費10,000円 特典あり

特典 ■作品1割引(各展覧会1作品)
■ご入会、ご更新にて有効期間中1回に限り作品1,000円割引
■有効期間中に更新でさらに1,000円割引
■新潟絵屋が主催する有料イベント2割引
■珈琲サービス
■絵屋オリジナルアイテム割引…たとえば「絵屋椅子」30,000円→25,000円
※作品1割引・1,000円オフ(併用可)のご利用は、展覧会作品の購入時に有効

   

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