2005年6月 | |
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2005年6月2日〜6月10日 | 企画 大倉宏 越野泉 | ||
藤田陽子(ふじた ようこ) ←「三日月の夜に雨が降る」2005年 h41cm
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温泉の町、村上市の瀬波に生まれ育った藤田さんが、中条町の坂爪勝幸工房で作陶するようになって9年。一昨年の新潟での初個展では、陶の肌にねじりこまれたような生気が、私の印象に残った。 今回の個展では、昨年あたりから姿を見せていた雲が主役である。 雲の上に木や家がたち、月がある。童話風の挿画かオブジェにあるようなイメージで、そんな夢めいた雰囲気も漂うのだが、同時にその夢のオブラートを蹴破る、野太いものの気配がある。 雲を支えるずんぐりした台はよく見ると雨である。あるいは雪や雹だ。雨はどう見ても豪雨、雪は豪雪、雹は豪雹だろう。稲妻が走り、突風が吹く。当の主役の雲も、まるで地中でむくむく膨れる根菜のよう。 そんな<豪>や<突>や<膨>たちを、穴のあいた夢の布に包んで、雲は行く。 (大倉宏) ● |
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2005年6月12日〜6月20日 |
企画 大倉宏 | ||
片山 健(かたやま けん) ←「八月の海」 水彩、紙 |
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東京で佐藤哲三展とマチス展を見たとのお手紙を、去年片山健さんからいただいた。どちらも欲しい絵があったが、どちらがほしいか考えたらどちらも欲しいと思ったとのこと。 佐藤の絵に顔を寄せると、いたるところに爆発を感じる。送られてきた片山さんの水彩画に同じ、と思う。小さい画面のどの部分でも、何かが何かに衝突し、はじけている。顔を離すと、でもその絵が何とも言えず美しい。わけても色に、マチスとは違うけど、同じように心に触れる輝きがある。 女性の絵本作家たちが戦後創りだした、解放された明るい詩の青空に、漫画雑誌『ガロ』のリアリズムと幻視の荒らぶる闇力を注いで生まれたのが、片山さんの絵本だった。『タンゲくん』『どんどん どんどん』「コッコさん」シリーズ、『きつねにょうぼう』。これらに子とともに会えたのは、私の人生の、とてつもなく大きい喜びだ。 記念すべき展覧会で、また片山さんの絵に、ご本人に会える。ドキドキするのは、これはもうファンの心理に違いない。 (大倉 宏) ●
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絵 屋 と ぴ っ く す
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