2010年6月


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2010年6月2日〜6月10日

企画 大倉 宏

蓮池もも(はすいけ もも)
■ 1983年新潟市生まれ。2006年fullmoon upstairs、07、08、09年画廊Full Moonで個展。

←「鳥」2010年 アクリルガッシュ、紙 10.1×19.2cm

「新潟絵屋」「画廊Full Moon」 2会場で開催
画廊Full Moonでは彩色された作品、
新潟絵屋ではモノクロームな絵を中心に展示します。
画廊Full Moon●6月4日(金)〜13(日) ※6月9日休
中央区東堀通4-453 TEL.025-229-6792(11時〜18時・最終日17時)

4年前の初めての発表以来、蓮池ももの絵は一貫してどこか荒涼とした、けれどどこか暖かい野や丘を青や赤の筒服の少女たちがさまよい、出会い、踊り、走る風景を描き続けてきた。それは一つの心のとどまる場所の、あるいは旅の、風景だった。
けれど昨年あたりから、無言の、決然とした意志に抱えられ、守られた世界の、守り、抱える内部が膨張し殻を砕くように、絵がひび割れてきた。荒々しい裂け目が以前の絵からは想像できないような粗放な筆の動きとなって、画面を騒がせはじめた。少女の半身は獣に変じ、波立つ海に黒い岩の槍がそそり立つ。
何がおきているのか。何かがおきている。それは彼女の絵を見続けてきた者の、私の、心を揺さぶる。 (大倉 宏)

 


 

2010年6月12日〜6月20日

企画 大倉 宏・小見秀男
 


↑「田園の柿」1942年 油彩、キャンバス 45.0×80.0cm

佐藤哲三(さとう てつぞう)
■ 1910年長岡生まれ。まもなく新発田に移る。独学で画家を志し、17歳の時、落選した絵の批評を請い梅原龍三郎に会う。梅原主宰の国画会で受賞を重ね22歳で会友となる。牧歌的作風が次第に社会的主題を扱うリアリズムに変わり、歴史学者羽仁五郎の支持を受ける。戦時中は農村で児童画の教育に熱中。戦後は一時民主化運動に挺身するが、体をこわし作画に復帰するも、1954年6月44歳で病没。生涯を新発田で過ごし、蒲原の田園風景を多く描いた。死後一時忘れられたが、田部直枝、洲之内徹、新潟の美術館等により紹介、検証がくり返され、死の前年に描いた「みぞれ」は近代日本美術の重要作として近年認知されるようになる。

2000年6月16日、新潟絵屋は「佐藤清三郎遺作展」で開廊した。それから10年後の6月16日を含む会期で開廊10周年記念「佐藤哲三展」を開催する。
大正から昭和前半期にかけての同時代を、同じ新潟(哲三は新発田)に生き、その土地の風景を描いた二人の佐藤には、直接の深い交流はなかったらしい。だが二人の共通の友人であった銀行員田部直枝は、二人との交遊を契機に退職後、新発田に自宅を改装した画廊を開設し、忘れられかけた二人を紹介しつづけた。絵屋便表紙の「絵屋」はその田部さんの字である。画廊たべ(1995年焼失)の「日本家屋の画廊」は、町屋を生かして改装した新潟絵屋の直接のヒントになった。
新潟絵屋の10年の活動を支えて下さったさまざまな方々に、そして2003年97歳で亡くなられた田部さんに、この展覧会を捧げます。(大倉 宏)

講座●「佐藤哲三の肖像」
   〜戦後の足取り、44歳の早すぎる死まで〜
話し手:小見秀男(新潟絵屋企画委員)
6月5日(土)18:30-
会場:新潟絵屋 展示室(資料代700円/定員20名/要予約:新潟絵屋へ)
座談会●新潟絵屋10周年記念「佐藤哲三の100年」
話し手:大倉宏(新潟絵屋代表)
    小見秀男
(新潟絵屋企画委員)
    澤田佳三
(新潟県文化行政課主任学芸員)
6月19日(土)14:00〜16:00
会場:砂丘館(参加料1000円/定員60名/要予約:新潟絵屋へ)

聞き書き
画廊たべ「絵のある茶の間」物語

 


 

2010年6月22日〜6月30日

準企画
 

小林憲明(こばやし のりあき)
■ 1974年旧新津市生まれ。2000年名古屋芸術大学研究生修了。春陽会に出品。ギャラリー惣(東京)、ギャラリー環(東京)、アートエイジギャラリー(愛知)で個展。愛知県豊橋市在住。春陽会会友。

←「manma」2009年 油彩、麻布 148.0×56.0cm

■ 会期中在廊予定。

「なじらね?」と聞かれれば
「まんまばっか食ってっけ、しかも太ったて」
と報告しなければならないほど故郷新潟を離れてから太った。(18年で30キロほど…)
 少年老い(太り)易く
 学成り難し
レンブラントの絵画に憧れ油絵を始めて20年目の節目に、故郷新潟での初個展です。
等身大そのまんま、周りに在るありのまんまの光景を、キャンバスに限らず麻布などに見つめ描いたmanma(まんま)展、ご高覧頂ければ幸いであります。
ではマズマズ。(小林憲明)

 



1. 新潟絵屋10周年祝賀パーティ
  2010.6.12(土) 18:30から(18:00受付開始)
  会費5,000円・要予約 どなたでもご参加いただけます。
  絵屋の10年早い成人式です。ここまで来ました。みなさんお祝いに来て下さい!!


2.「華雪書展 劇 〜劇的な場所のあとに言葉を置く」
  
2010年5月22日(土)〜6月20日(日)の毎週金・土・日10:00〜16:00 
  会場:二宮家米蔵(聖籠町蓮野)/入場観覧料:300円
  (財)新潟県文化振興財団助成事業
  ライブパフォーマンス 「今を書く」 6月13日(日)12:00〜16:00
  (1,000円、定員50人、直接会場へ)
  ワークショップ 「書くこと伝えること」 6/12(土) 10:00〜13:00・14:00〜17:00 
  (2,000円・材料費込、定員15人、要予約/小学生以上から参加可能)
  同時開催 二宮家の日本庭園とバラ園公開
       5月22日(土)〜6月20日(日)10:00〜16:00 入園料400円


絵屋便、DMの配達を担当する絵屋運営委員・田代のはみだし連載コラム
タシロ便がゆく ―ふと見た暗がり編 その2
●●。
タシロ…田代早苗(俳人・新潟絵屋運営委員)

   

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