2011年9月


2011年8月の絵屋

2011年10月の絵屋

  新潟絵屋あんない 作家INDEX Blog  

 
渡辺康文写真展「縁(えにし)の仏様」

2011年9月2日〜10日

企画 伊藤純一
 
渡辺康文「こんがら童子 長谷寺」

渡辺康文(わたなべ やすふみ)
■ 1952年新潟市生まれ。東京、奈良を経て新潟市にてフリーで活動。フォトグラファー。新潟市在住。

←「こんがら童子 長谷寺」モノクロ

同時期開催
特別展示 渡辺康文の写真「縁(えにし)の仏様」
2011年8月30日(火)〜9月11日(日)
会場:砂丘館


開催にあたり展示許可下さった仏像所有者の関係者皆々様に感謝の意を表します。

 「仏像には、仏教が作り出した智慧がある。故に拝んでいる人たちがいる。だから美しい。」と語る渡辺さん。そんな思いで県内にある仏像を、まずは記録として残す事を目的に撮り続けている。仏像の写真展は新潟においてもまれな企画だと思うが、かつて歴史深い奈良でも勉強してきた渡辺さんには絵屋での個展はどうしても仏像の写真でお願いしたかった。この企画をお願いしたとき「仏像を管理するお寺様などや、それらを拝んでいる人たちの事を考えると、私が撮影した写真を発表してよいものだろうか」と悩まれた事を聞き、謙虚な渡辺さんの人柄がしのばれる一面を垣間見た。新潟にはまだまだ知られていない仏様が多々あるという。そんな仏様に是非絵屋で出会って欲しい。(伊藤純一)

 

                  

 
石原けいこ展

2011年9月12日〜20日

企画 大倉宏
 

石原けいこ「おいかけっこ」

石原けいこ(いしはら けいこ)
■ 東京都生まれ。California College of Artsで絵画を学ぶ。2000年イタリアUnbriaのinternational School of Paintingの絵画と彫刻のサマーセッションに参加。05、06年Cecile Moochneck Gallery(バークレー/米 カリフォルニア)での展覧会、08年Red Dot Art Fair(ニューヨーク)に参加。個展は03年カフェひょうたん島(東京)、04―08年ギャラリーブリキ星(東京)、10年Gallery Nokta(伊豆)、11年ギャラリーみずのそら(東京)、06年Front Gallery(オークランド/カリフォルニア)。新潟絵屋では09年9月個展開催。バークレーに在住。

←「おいかけっこ」2011年 油彩、木 15.0×15.0cm

■作家在廊予定日 9月12日

 なにげない影を、なにげなく見続けていて、ふと襲われるめまいの底。スイマーがターンしようとして付く指先のたわみを、何であったか確かめる間もなくよぎっていく何か。石原けいこのやわらかいモノクロームな絵や写真が掬ってくる、そのような気配が好きだった。
 だから、人形や動物や花といった、それと分かるものが画面に登場するや、ひそかに動いていたものたちがとまるような気がして、そう彼女に感想を述べたこともある。けれど近作では、それらはどんどん絵に踏み込んできて、とどまる様子がない。イメージの侵入に、重みに、けれど支点の向こう端が、ぐいと迫り上がりだしたような意外な「動」の気配がある。どこか野太く、つよい動きだ。
 見る側の期待をするりと抜け、泳ぎだす絵という「動物」が、やはり面白い。(大倉宏)

 


 
小林久子展

2011年9月22日〜30日

企画 大倉宏
 

小林久子「Last thing said」

小林久子(こばやし ひさこ)
■ 東京都生まれ。ニューヨークを拠点にフィラデルフィア、パリ他で個展多数。日本ではニッチ・ギャラリー(東京)を中心に各地で個展。新潟では2005、07年画廊Full Moon、09年10月新潟絵屋で個展。ニューヨーク在住。

←「Last thing said」2007―08年 油彩、キャンバス
  45.7×61.0cm

あーとぴっくす
「日常生活のリズムを視覚化」井上美雪
 数年前、小林久子の絵を見たとき、線に魅せられた。初めて見る種類の線だった。線だから「引かれて」いるのだろう。だろうと書くのは、筆でも、釘でもいい、細く長いものを持つ手が画面を動いた軌跡というのでなく、宙空の網、皺、吹き寄せられた蜘蛛の糸―そういうものが、閃光に打たれ、浮かび上がった、そんな感じがしたからだ。つまり、線が引かれた、幅ある時間でなく、もっと凝集した「一瞬」を感じさせる。
 色が鮮やかに、強くなっても、小林の絵は「自然」の感触を帯びている。自然はどんなに穏やかに見えようと、曙光、落雷、驟雨のような「不意打ち」をふところに入れている。その一瞬の衝撃が、打音が、季節のように時に外貌を変えてゆく小林の絵ぜんぶ底にある。そこに、私は惹かれるのだ。(大倉宏)

 


 

BABY-GRAND
「かわいくて偉大」をコンセプトに、長原啓さんとパートナーの画家 久松温子さんとでコラボレーションを展開する[BABY GRAND]。小物を中心に、2010年3月から季節ごとに新作をご紹介してきました。取り扱いはいよいよ10月で終了します。お見逃しなく。

かみのけTシャツ ワイルド
BOOKLORE フェア
大阪の出版社「BOOKLORE」の書籍を10、11月限定で取り扱います。
お楽しみに。

     http://booklorebooks.net/

 

タシロ便がゆく

絵屋便、DMの配達を担当する絵屋運営委員・田代の12ヶ月
タシロ便がゆく ―草猫が詠む編 その9
もと本屋なりしが糸瓜すだれかな 草猫
どうして人は大型ショッピングセンターに行ってしまうんだろう。だって住んでいるところも、やっぱり郊外なんだもの。街の中は静かになって、電気屋も文房具屋もみんな錆びたシャッターを閉じている。街には街の良さがあるんだけどね。かろうじて書店とわかるシャッターにプランターのへちまが揺れている。
タシロ…田代早苗(俳人・新潟絵屋運営委員)

   

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