2011年10月
 

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「絵ことば12ヶ月」曽田文子・早川ゆーこ 2人展

2011年10月2日〜10日

企画 越野泉
 
曽田文子「おてがみ12ヶ月」より

曽田文子(そだ ふみこ)
■ 愛媛県松山生まれ。京都西安女子短期大学意匠科卒業。第10回講談社絵本新人賞受賞。著作絵本「サーカスへいったねこ」(講談社)、「サムライの娘」(考古堂)、「ミエハリザウルスのリュータ」(汐文社)。柏崎市在住。。

←曽田文子「おてがみ12ヶ月」より 2011年 カラーインク、
  ポスターカラー 紙 25.0×36.0cm

早川ゆーこ「12ランド・リンドン」より

早川ゆーこ(はやかわ ゆーこ)
■ 1965年新潟県寺泊生まれ。女子美術短期大学造形科卒業。第12回、14回講談社絵本新人賞佳作入選。著作絵本「あいたた山のてての木」(講談社)、「さんまいのエプロン」(鈴木出版こどものくに)。新潟市西蒲区在住。

←早川ゆーこ「12ランド・リンドン」より
  2011年 ペン、マーカー、色鉛筆等 紙
  26.0×37.0cm

あーとぴっくす
「メルヘンで夢と希望養って」越野泉
 曽田文子さんと早川ゆーこさんは絵本創作でのおつきあいが20年以上になるそうです。今回は初めての2人展。テーマは「絵ことば12ヶ月」で、お2人の新作原画が中心です。
 曽田さんは「おてがみ12ヶ月」という、月ごとにいろいろな手紙が旅をするイメージの作品で、どの月もとても楽しく色鮮やか。ちなみに10月は「きりかぶじいさんから どんぐりぼうやへ」です。どんな手紙かな。
 早川さんは「12ランド・リンドン」という作品。リンドーンと鐘が鳴る街で、女の子が季節を巡ります。街は早川さんが以前訪れた国のイメージだそうです。とてもかわいらしく思わず微笑んでしまいます。
 夢のような2人の世界へ、どうぞ遊びに来て下さい。(越野泉)

 


 
内田美代子展「Viva Degustation!」

2011年10月12日〜20日

企画 伊藤純一
 

内田美代子「●」

内田美代子 ドット文取皿 ゴブレット

内田美代子(うちだ みよこ)
■ 神戸市生まれ。武蔵野美術大学造形学部油絵科卒。在学中フランス、ブザンソンのエコール・デ・ボザールにて人体をテーマとして油彩を学ぶ。1991年〜93年TEAFOLLIES(パリ)・ギャラリー砂翁(東京)・CHRISTIAN ALEXANDRE(ターンレイ)・エスパスLE MANS ASSURANCE(ブリュッセル)他各地で個展。96年〜99年MUSEUMNATIONAL D'HISTOIRE NATURELLEに出展他、パリを中心に個展。2001年新潟県弥彦村に移り住み、自然の中で創作をしながら、ギャラリー陌(岩室)ギャラリー砂翁等で個展を続ける。新潟絵屋では05年1月に個展開催。

←「桜葉のフロマージュ」2011年 岩絵の具、アクリル・オイルパステル+コラージュ、紙 31.6×28.0cm

ドット文取皿 12.5×12.5cm
ゴブレット 直径8.0×h10.5cm

※Degustation<デギュスタシオン>とは仏語で試飲試食の意。
 産地での軽い試飲試食パーティの意味でも使われる。

Event
10月15日(土)18:30〜、内田さんを囲みワインと軽い食事でパーティを行います(まさにデギュスタシオン!)。定員12名・会費1500円・要予約。新潟絵屋へ電話またはメールにて。

Surprie
内田さんが作った陶製・パン型箸置きをご希望の方に差し上げます(限定50個)。スタッフまでお声掛けください。
 新潟絵屋での個展は6年半ぶり。今回も食にまつわる作品を揃え、食いしん坊の私としては作品に関して内田さんと話しているだけで至福な時に浸れる。以前新しい試みで内田さんが絵付けをした角皿を初めて拝見した。譲り受けその角皿を夕べの一品に使わせていただいているが、これがまた食卓において主張しすぎず、しかしテーブルに豊饒な風を呼び込む。食の豊かさを感じ取り表現する事を得手とする内田さんらしい作品だ。それで今回は絵の他に、陶芸家菅原洋さんの協力を得て内田さんが絵付けをした陶器も出品する。カラフェやゴブレット、小皿や片口には食が楽しくなる絵付けが施されている。Degustation!今年の出来映えをワイワイ言いながらの宴はさぞ楽しいだろう。絵屋で内田さんの作品を存分に試食あれ!(伊藤純一)

 


 
久松温子展 色湿

2011年10月22日〜30日

企画 大倉宏
 

久松温子「●」

久松温子(ひさまつ あつこ)
■ 1972年岡山県生まれ。97年創形美術学校研究科版画過程終了。97年より個展15回。Oギャラリー(東京)、自由が丘もみの木画廊(東京)、ギャラリーゴトウ(東京)、朝日新聞東京本社コンコース(東京)、エスプリ・ヌーボー・ギャラリー(岡山)、セッションハウス(東京)、新潟絵屋で個展。グループ展多数。岡山県在住。

←「あたたかな夜の雨」2011年
  銀箔・練込みテンペラ・色鉛筆、和紙 105.0×81.0cm

 久松温子の絵は、顔を近づけると、かさかさして、粒子の細かい乾いた土を思わせる。それなのに画面から身を離し、眺めると、水が見える。題名のせいだけでなく、確かに、<水>を感じるのである。前回の個展から、それが不思議だった。
 水とはなんだろう。
 飲み、浴びる水は、また川を流れ、空から落ちてくる。目にもにじむ。湿気は不快だけれど、少ないと肌が荒れる。
 そんな、とらえ難い物質である水は、さまざまな形で人の体にしみこみ、心という窪地に注ぎ、感情や記憶を溶かし入れるのだろう。久松の絵に目を凝らすと、見えない水が、目をひきはがそうとするときに現れるのは、それが、そのような人の心に潜む内なる水の気配であるからかも知れない。絵を、見つめるのでなく、ぼんやり感じていると、水溶性の気分や、季節や、追想や、衝動が、淡い色や光の姿で広がってくる。(大倉宏)

 


 

BOOKLORE フェア 10月2日〜11月30日
出版社BOOKLOREさんの書籍を期間限定で取り扱います。
今年7月 大阪へ出張しました。SEWING GALLERY(枚方市星ヶ丘)での畑尾和美さんの個展「九月の朝顔―糸で描き、言葉を綴る展覧会―」を見るのが大きな目的でした。このほど畑尾さんの著書が出版される予定です。BOOKLOREは「Book」と「Folklore」をミックスした言葉。その奥深い意味が、これまでに出版された魅力的な書籍の数々を開いていただければ、きっと感じていただけることと思います。(井上美雪)

BOOKLOREさんのHP http://booklorebooks.net/

 

タシロ便がゆく

絵屋便、DMの配達を担当する絵屋運営委員・田代の12ヶ月
タシロ便がゆく ―草猫が詠む編 その10
今日は友おしゃべりな日や鳥渡る 草猫
さすがに自転車で長岡へは行けない。友人のクルマに乗せてもらって新潟県立近代美術館へ。銅版画をしている彼女の解説で、ケーテ・コルヴィッツの作品の話で盛り上がる。ちょっと身には暗いコルヴィッツの作品も、見方を変えるとこんなに楽しいなんて。千秋ケ原の広い空を渡り鳥が横切ってゆく。

タシロ…田代早苗(俳人・新潟絵屋運営委員)

   

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