2005年4月


2005年3月の絵屋

2005年5月の絵屋

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2005年4月2日〜4月10日 企画 井上朗子

岩本 勝(いわもと まさる)
■1967年長野県生まれ。1983年写真を始める。東京、名古屋、大阪などを鳶工、土工、解体工などをしながら転々とし、長距離トラック運転手をしながら撮影した写真が雑誌に掲載されたりする。1999年、イメージフォーラム付属映像研究所で映像表現を本格的に学ぶ。以降、映像や写真のグループ展、企画展、個展など積極的に活動する。

 

個人映像上映会「先行逃切」
(岩本勝 ほか11作品を上映)
●日時:4月9日(土)午後3時〜6時
●入場料:800円

「一人でじっとこらえれば虫歯の痛みからさえ生への充実感を味わえるものです。一個人として一生涯、印象をフィルムに記録し続けていく覚悟です」
ある年の岩本さんからの年賀状には、荒涼とした風景写真に何の脈絡もなく上記の文章が添えられているだけ。「あけましておめでとう」の「あ」の字もない。
岩本さんとは、イメージフォーラム付属映像研究所で知り合い、以来、「俺たち、このまま落ちぶれちゃいけない」と、小さな上映会をご一緒させていただいている。
岩本さんの映像作品は、8ミリフィルムを自家現像し納得いくまで再撮影を繰り返すという、想像を絶する手のこんだもの。一コマ一コマに、張りつめた緊張感と深いまなざしが注がれている。
本職は鳶職人。その前は長距離トラックの運転手をしていた。などと書くと、フツフツした一匹狼的なカメラマンを想像されるかもしれないが、実際は違う。
メールよりは電話を、電話よりは実際に会って話すことを好む人なつこい作家さんです。岩本さんと岩本さんの作品に会いに是非ご来廊下さい。(井上朗子)

 


 
2005年4月12日〜4月20日 企画 外山文彦

舟見倹二(ふなみ けんじ)
■1925年上越市生まれ。版画家。52〜53年東京芸術大学美術学部工芸計画部研修生。アトリエ我廊、ヒルサイドギャラリー、MAU FINE ARTなどで個展。越後妻有アートトリエンナーレ「大地の芸術祭」、富山国際現代美術展などのほか、高田偕行社復元図面展(雁木通り美術館、長岡造形大学、他)等、建築や工芸の分野でも名高い。上越市在住。

霜鳥健二(しもとり けんじ)
■1955年新潟県六日町生まれ。彫刻家。79年日本大学芸術学部美術学科彫刻科卒業。埼玉県立近代美術館、創庫美術館、羊画廊、などで個展。原風景展(東京都美術館)、越後妻有アートトリエンナーレ「大地の芸術祭」、弥彦野外アート展、東日本-彫刻展〜39の造形美(東京ステーションギャラリー)、新潟の美術2004〜新潟の作家100人(県立万代島美術館)などに出展。燕市在住。

上:舟見倹二 「the series of space '04 A-3」
  2004年 シルクスクリーンプリント 28×65cm
下:霜鳥健二 「封印?」
  2005年 鉄・木、20×20×28cm

版と鉄の二人展というこの展のアイディアは、舟見さんの「霜鳥さんの彫刻と、二人で同じ空間を共有したらどうなるだろうか」という、雑談のなかのさりげないひとことに端を発する。
それは第1回大地の芸術祭で、民家の土間にはいりこむかたちで版画を展示していた頃のこと。外部空間も巧みにとりいれたインスタレーション作品が新鮮で、それを体感した直後のことゆえに、より興味をひき、「Wケンジ」となるのは偶然のおまけだとしても、ふたりの作品を呼応させる企画は面白いと思った。
舟見さんの「空間」と称したシリーズ版画に対し、霜鳥さんは今回は特にテーマに拘らず「造りたいものを造る」という姿勢であえて臨むとのこと。それぞれの作品は、両者のコラボレーションを強く意識して制作したものではないが、絵屋空間を含めた三者の関係が、個展とはまた違った新たな味わいと魅力を生むのではないかと思っている。(外山文彦)

 


 
2005年4月22日〜4月30日
企画 外山文彦

五十嵐祥一(いがらし しょういち)
■1960年新潟市生まれ。新潟南高校卒。神奈川大学卒業後、「ノプラマ・アート・プロジェクト」を主宰、ウィリアム・モリス(東京・渋谷)やギャルリ伝(東京・世田谷)をベースにした個展のほか、グループ展への参加多数。県内でも90年頃より「レア・アート・エキスプレス」(創庫美術館)、「グニャグニャのナイフ」(長岡市・微微館)などに出展。絵画、オブジェ、指物(さしもの)制作のほか、99年からは、妻・八千代とのコラボレーションによるボックス・アートを開始してカフェ&ギャラリーZen(長岡市)を中心に発表。2004年10月2日没。

←上「yachi&sho art projectシリーズ」
 2001年
 自作ボックス額(白木、ガーゼ、アクリル絵具)にオブジェ 

あーとぴっくす
「イノセンスが作品の魅力に」外山文彦
「私の部屋には、作りかけの絵の材料が床の上にある。作品は美しさを前にして醜く、私の気持ちを逆撫でする。作品はモノではなく夢である。それはけっして空想されず、想像の契機として惣然と変貌する。だから私はプランや設計図を持たず見積書も提出できずに、ただその前にいる。作品をつくることは日常生活のあるべきモラルを再考させる。つくられたシステムを強要され許容していることに気づき、金儲けだけが生活のすべてではなく人間のすべてではないという当然のことを知る。
花は生きるために咲き、またそれ自身が生そのものであり、私はそれを美しいと思う。作品はだれかの生を前提とするコミュニケーションであり、それはシステムではないので私は永遠にたどりつけない地平を志向して、手と眼で思考する。」
                   五十嵐祥一 1988年11月27日

本展は、昨秋44歳の若さで急逝したクリエイター・五十嵐祥一の遺作展である。絵画や晩年のボックス・アート作品など、追悼の意を込めて展示する。(外山文彦)

五十嵐祥一追悼ライブ エベヨシタカ&ヒズバンド
●日時:4月23日(土)午後7時15分〜 ●入場料:500円
member:エベヨシタカ
(アコースティックギター・ボーカル・作詩・作曲)
ジュン若月
(ウッドベース) 豊崎鈴雪(ドラムス)
 

 

新潟絵屋がNPO法人になりました

 2005年2月24日付けで新潟県から特定非営利活動(NPO)法人に認証されました。3月4日に登記も完了し、「特定非営利活動法人新潟絵屋」が誕生しました。新生絵屋(といっても活動内容はこれまでと同じですが)の会員は、正会員(年会費6000円)、個人賛助会員(同5000円)、法人賛助会員(同10000円)の3種類。これまでの会員はそのまま個人賛助会員とさせていただきます。会員特典も従前通りです。正会員は通常年一回開催される総会に参加でき議決権を有します。

 
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 画廊の役割は、優れた美術作品を展示、紹介し、売買という形で個人の許にそれらを届けることです。買われた作品の扱いは個人の手に委ねられます。長い時間の中で、扱われる状況によって、作品は時に色が褪せたり、汚れたり、傷ついたりします。消耗を少なくする作品の扱い方や、絵を飾る場合のさまざまなコツ等について、画廊が蓄えている知識や体験を一般の方々に伝えることが必要、あるいは有益ではないかと感じさせられる場合も少なくありません。個人経営の画廊はそこまで余裕のないことが多く、学校教育や美術館などでも作品の扱いについての授業や講座は少ないのが現状です。2003年の絵屋講座「絵を楽しもう」では絵や額の扱い、飾り方の実習などを楽しみながら体験していただきましたが、今後もNPO画廊として、絵や美術品との距離をより短くしてもらえるような活動を行っていきたいと考えています。


   

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