渡辺富栄 日本画展

1月22日sun―30日mon

vol.515 作家在廊予定日: 1/25・30(ともに午後)

 渡辺さんは市井の人々の生態を描き続けている。その眼差しは家族に、自身が暮らす地域の人々や働く人たち、そして教員時代の教え子たちに注がれてきた。彼らが生きる日常のステージが実に淡々と描かれ、衒いも外連もない仕切り派風の明快な 「生活画」に仕上げている。みんな自分の過ごす時代や生活を自然に受け入れて生きているのだろう。そろって健やかで穏やかな姿や表情が印象深い。こうした生活者に寄せる渡辺さんの共感の眼差しはいつも清々しく見るたびに心を温めてくれた。
 そんな渡辺さんがここ20年近く新潟市万代島の造船所で船を造る人々をテーマに発表を続けている。労働の現場の人の姿をどう絵にするか。今回の個展ではそのうちの何点かを紹介してもらうことにした。
(企画 小見秀男)

渡辺富栄 (わたなべ とみえい)
 
1948年新潟市生まれ。1972年新潟大学教育学部美術科卒業。日本画家片岡球子氏に師事。75年第60回院展に初入選。以後、出品を続ける。81年第36回春の院展に初入選。以後、出品を続ける。98年 「新潟の美術’98」(新潟県民会館)、2006年 「新潟の作家100人」(県立万代島美術館)出品。2010年個展 「渡辺富栄-日本画の世界」(弥彦の丘美術館)。現在、日本美術院院友、新潟県展委員、新潟県美術家連盟副理事長。

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PHOTO(上): 「船を造る人々-陸揚げ点検-」2016年 日本画/紙 106×106cm

渡辺富栄 船を造る人々–掃海船建造・新年仕事初め–

PHOTO: 「船を造る人々–掃海船建造・新年仕事初め–」(2011)