末松 由華利展ー砂の縁を歩くー

10/18[火]―31[月]

作家在廊日:10/30終日・10/31(-17:00)
niigata eya exhibition 639

  末松由華利の目は風景の構造をとらえるふしぎな触覚を持っている。
 新潟の、くもりがちな空、強風にさらされる松林、夕日を溶かしてひかる海。図様のようにも、抽象画のようにも見える横長の絵の前で、一挙に体験されるわけでは必ずしもないそれらが、清冽な色光に照らされた一体の構造体のように、具体的な感覚までともなってあらわれていた。昨年のゆいぽーとでの展示での記憶だ。
 その感覚はけれど、あわせて展示された自然の、場所のディテールのスケッチ風の色絵の数々が示すような小さい体験の積み重ねから析出されてきたのだろう。末松のどの抽象画にも、そんな現実や風景とのこまやかな交流の時間の厚みが基層にあるに違いない。だからシンプルなのに、風景のようにゆらぐ深い奥行きがある。(企画者:大倉宏)

末松由華利(すえまつ ゆかり)
埼玉県生まれ、大阪府育ち。2010年多摩美術大学美術学部絵画科油画専攻卒業。近年の個展は、17年長野市芸術村「輪の中で考えたこと」(長野)、19年東京オペラシティアートギャラリー「projectN 76 末松由華利」、20年KURUM’ART contemporary「満ち欠けのあらまし」(東京)、21年ゆいぽーと「空と海を砂で分く」(新潟)、日本橋髙島屋「設える時」(東京)、22年日本橋三越本店「Visions of a Torn World」など。17年9-11月長野、2021年1-2月新潟、22年3月フィンランドにて滞在制作を行い発表。https://yukarisuematsu.wixsite.com/mysite

PHOTO(上):「雪ぐ03」2020年 アクリル・キャンバス 15.8×22.7cm

末松由華利展
PHOTO:「砂のかたち」2022年 アクリル/キャンバス 41.0×31.8cm

末松由華利展
PHOTO:「空と海を砂で分くのためのドローイング01」2021年 アクリル/紙 18.4×26.0cm


イは 佐佐木實展

10/4[火]―16[日]

作家在廊日:10/4.15.16 *10/15は13:30〜
niigata eya exhibition 638

  今回のテーマは、5、7年前の前回、前々回と同じ「イ」。
 夕陽の大手町で往来の人やビルが「イ」に見えたというステイトメント(言明)を読んで、それが強烈な、あるいはささいな体験だったかはともかく、ひどくなまなましい感覚だったのだろうと想像した。そのなまなましさが、今回のどの出品作にもある。
 新内、義太夫など日本の語り物では語尾の母音が揺らされて、イ~エ~とどこまでも伸ばされて続く。物語の意味がそこで断ち切れ、言葉のひだに隠された意味にも言葉にならない感覚が湧出して聴き手を揺らすのだが、延々書かれ、描かれてきた佐佐木の「イ」が感じさせるのは、そんな感覚に似ている。
 よろこびと苦痛を表裏に生きている、無数の個々の生の断面が、イ刀に伐られ、イに流れ、込み、出ている。(文:大倉宏/企画者:大倉宏・井上美雪)

佐佐木實(ささき みのる)
美術家。盛岡市生まれ。東京藝術大学大学院美術研究科修士課程藝術学専攻修了(美学)。フランス国立社会科学高等研究院博士課程言語学専攻修了。博士(言語学)。二十代半ばに渡欧。パリでは言語学を学び、制作と学問の双方から言葉/文字を記す行為に向かいあった。 2006年帰国。11年岩手県美術選奨受賞。個展は11年盛久ギャラリー(盛岡)、 12年Cyg art gallery「書書葉葉」(盛岡)、13年OGU MAG「型ハメ 型モレ」(東京)、14年Gallery 彩園子「ヒ象る」(盛岡)、17年Cyg art gallery「イは人の象徴であるかもしれない」、21年G&S根雨「たましいのいろか」(大阪)など。新潟では11年に砂丘館、新潟絵屋、北書店画廊で個展、14・15・17年新潟絵屋で個展。
https://www.minorusasaki.com

PHOTO(上):「イイ」2021年 紙にパステル、インク 18.6×57.1×2.6cm

イは 佐佐木實展

PHOTO(上):「イ」2022年 紙に鉛筆、色鉛筆、木炭、パステル、インク、シール、磁石 20×19×3.2cm

イは 佐佐木實展
佐佐木實

「イ」2022年 布に色鉛筆、グワッシュ、紙、磁石 21.6×15.6×2.7cm

佐佐木實

PHOTO(上):「イ」2022年 紙に鉛筆、色鉛筆、木炭、パステル、インク、粘土、磁石 23.5×27.5×4.7cm

PHOTO(上):「イイ イイ イイ」2021年 紙に鉛筆、木炭、パステル、インク 60.8×18.8cm

(撮影:宮島径)

▶ 2017年 佐佐木 實 展 イ充つ㊁
▶ 2015年 佐佐木 實 展「イ充つ」


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佐佐木實 関連書籍

会期中、店頭ではサンプルをご覧いただけます。

佐佐木實 関連書籍
『イ充つ』
2015年以降継続している「イ充つ」のシリーズから14点の「イ」の図版+αを収録。
これもまた、本の形をした佐佐木實の作品です。
18.2×16.2cm/20ページ著者:佐佐木實/2021年発行
税込 1,500円

佐佐木實 関連書籍
『書書葉葉』
2012年10月、盛岡での個展の公式カタログ。「故郷を探して」「言葉」「生野菜」「ううううう…」など2011~12年に制作された22点の作品と1997年の大作1点を収録。
21.0×12.7cm/24ページ
企画・発行:Cyg art gallery/2012年発行
税込 1,200円

華雪展

11/15[火]―28[月]
niigata eya exhibition 640

 いつもスリリングな風が抜けていく華雪展。3年ぶりの展示です。お楽しみに。(企画者:大倉宏)

華雪(かせつ)
1975年京都府生まれ。立命館大学文学部哲学科心理学専攻修了、東京都在住。幼い頃に漢文学者・白川静の漢字字典に触れたことで漢字のなりたちや意味に興味を持ち、以来、文字の表現の可能性を探求することを主題に、国内外で展示やワークショップを行っている。刊行物に『石の遊び』(平凡社、2003)、『書の棲処』(赤々舎、2006)、『ATO 跡』(between the books、2009)、作品集『ながれる』(2019)など。作家活動の他に、『コレクション 戦争×文学』(集英社)など書籍の題字なども手がける。
instagram kasetsu_sho


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過去の個展 
2004年
2007年
2008年
2009年
2011年
2014年
2015年
2016年
2017年
2018年
ワークショップ「木」を書いて「森」をつくる
華雪による書と篆刻の講座『字がうまれたとき・書がうまれたとき』第3期
華雪による書と篆刻の講座『字がうまれたとき・書がうまれたとき』最終回
華雪の篆刻受注会

安藤喜治写真展 「Stand Still #3 In my eyes」

11/5[土]―13[日]
Open eya exhibition

 どこか遠くへ行くでもなく、安藤さんの目は、普通の毎日に劇的瞬間をみつける。2019年以来、毎年この時期に個展を開いてきた。今年はどのような写真に出会えるだろう。


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ギャラリー&ミュージアムマップ 2022.9/20~10/25

展覧会を見に行こう!
2008年創刊、毎月無料配布の展覧会情報紙です。

新潟島とその周辺のギャラリー&ミュージアムマップ
Gallery & Museum Schedule 2022.09-10

2022年9月20日(火)- 10月25日(火)

ギャラリー&ミュージアムマップ 2022年9-10月号

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ギャラリー&ミュージアムマップ 2022年9-10月号

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追加情報
tetote
10/1〜10…二人展 陶・加藤かずみ 籠・kegoya
月火金土 11:00〜16:00
日 12:00〜17:00
水、木 休み
新潟市中央区医学町通1番町41医学町ビル2階201
tel. 090-1051-9775

本紙 配布場所のご案内

中央区 aigallery、ニカイギャラリー、STACK-BOARDアートギャラリー万代島ギャラリー長美堂、メディアシップ、hickory03travelers蔵織コンチェルト・西堀ゆきわ、にいがた銀花医学町ビル、医学町画廊、 新潟美術学園、あらきギャラリー、羊画廊、新潟絵屋、万代島美術館敦井美術館新潟市美術館砂丘館NSG美術館安吾風の館、篠田桃紅作品館、北方文化博物館新潟分館新津記念館あさひまち展示館(休館中)旧齋藤家別邸旧小澤家住宅みなとぴあ知足美術館、新潟駅観光案内所、なり、五徳屋十兵衛、クロスパル、シネ・ウインド、三宮商店、ナガイ画材、北書店、器、SWAN、パルム、涼蔵、ぽるとカーブドッチ、竹野、ノ縞屋、新潟県民会館、新潟デザイン専門学校、市民活動支援センター、ホテル日航新潟、りゅーとぴあ、NHK文化センター、峰村醸造直売店、今代司酒造、新潟大学駅南キャンパスときめいと、絵画教室ウニアトリエ、新潟県立生涯学習推進センター、新潟NPO協会、栄楽亭、エフスタイル、日和山五合目、imedia専門学校、アートホテル新潟

北区 楓画廊てんゆう花、nico、ビュー福島潟、ARTギャラリーHAFU
東区 巻菱湖時代記念館
南区 SHIRONE PRESSO
江南区 小さな美術館季、エムスタジオ、北方文化博物館
秋葉区 やまぼうし三方舎新潟市新津美術館
西区 雪梁舎美術館ギャラリー潟道、こんぺいとう
西蒲区 浜つばきギャラリー野衣、いわむろや

新発田市 清水園草舟(菅谷)  
村上市 Toi陶房(瀬波温泉)
柏崎市 游文舎gallery tanne(谷根)
長岡市 たびのそら屋県立近代美術館、長岡造形大
見附市 ギャラリーみつけ
燕市 燕市産業史料館、ツバメコーヒー  
三条市 D+5 ART、三条ものづくり学校
栃尾市 栃尾美術館
弥彦村 弥彦の丘美術館

ワークショップ「墨絵をえがこう ―墨と水と?―」

講師:古田木綿子

9/11[日]13:30-15:00

古田木綿子さんは、自然との関わりを大切に、独自の技法で自然現象をキャッチして表現に変える作風です。今回は、「アワの現象」を取り入れ、刻々と変化する絵を観察し、墨絵を描くワークショップです。

新潟市こども創造センター・光と音のホール(新潟市中央区清五郎375-2)
■ 対象:5歳以上18歳以下の子(小学2年生以下は保護者同伴)
■ 参加料:1,000円/定員:各回15名(要申込)
■ 汚れてもよい服装で
■ 完成した絵は当日お持ち帰り
■ 参加お申し込み受付中
■ 申込先:新潟市こども創造センター TEL.025-281-3715(9:00~17:00)
※汚れてもよい服装で
※完成した絵は当日お持ち帰り

企画:新潟絵屋

「墨絵をえがこう  ―墨と水と?―」

古田木綿子(こだ ゆうこ)
1971年秋田県湯沢市生まれ。97年新潟大学教育学部美術科彫塑専攻中退。96年アートギャラリーJOY-1、2022年ARTギャラリーHAFUで個展。海や川でアートワークス遊びをしたことが作品制作の土台。ジャンベや歌唱など主に即興での音楽の活動も行う。 YouTube「Koda Yuko」チャンネル

古田木綿子


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6/30[木]―7/13[水]

「自然」に魅せられた二人の新潟のアーティスト。彼らがその自然(水、雨、雪、風など)とともに制作した作品群を紹介する。

古田木綿子 いつくしみ
PHOTO: 古田木綿子「いつくしみ」2022年 顔料・樹脂/フォト光沢紙 12.7×17.8cm

古田木綿子 しばし、しばし
PHOTO: 古田木綿子「しばし、しばし」2022年 顔料・樹脂/わら半紙 25.7×36.4cm 

カテゴリー: art