Report 作品寄贈

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     5月の〈若槻菊枝蔵の「峰村リツ子の裸婦」展〉は、画家の若槻菊枝さんが所蔵されていた峰村リツ子さんの作品(油彩4点、素描8点)をご遺族が新潟絵屋へ寄贈してくださり、絵と人をつなぐ橋渡しの機会として実現した展覧会でした。

    峰村リツ子

    関連記事:若槻菊枝蔵の「峰村リツ子の裸婦」展

     さらに、このほど新潟市在住の方から、喜多村知(油彩画1点/写真下)、原美緒(長岡出身の日本画家/水彩画3点)寄贈をお受けしました。今後、これらは絵のある空間コーディネート事業「eto」*や砂丘館の常設展示で活用させていただきます。
    *「eto」は、空間をより居心地よく、豊かにする美術をみなさまの日常にお届けする新潟絵屋の作品展示サービスです。詳しくはお問い合わせください。

    喜多村知「マドリッド」
    喜多村知「マドリッド」1976 年頃 油彩/キャンバス


井田英夫展

7/17[水]―30[火]

vol.578

 昨年3月大手術で新潟の人々を心配させた画家の久々の個展。その経験をぐぐり抜け「ふだんを見つめる」(2017年の砂丘館での個展のサブタイトル)目と手が描き出す新作を展示します。(企画 大倉 宏)

PHOTO(上): 「自画像」 2019年 アクリル/キャンバス 53×45.5cm


前回の記事:井田英夫 巡回支援展
前回の展示会:井田英夫 新作展

「合同船」竹俣勇壱(金工)・華雪(書)

7/2[火]―15[月・祝]

vol.577

 硬く光沢あるもの(金属)と柔らかで薄いもの(紙・墨)。異種のモノに向き合う表現と表現が、ひとつ船に乗り、川に漕ぎ出ます。砂丘館との2会場で開催。(企画 大倉 宏)

竹俣勇壱(たけまた ゆういち)
1975年金沢生まれ。彫金師。95年より彫金を学び始め2002年独立。04年「KiKU」オープン。オーダージュエリーを中心に活動、08年ジュエリーに加え生活道具、茶道具の制作を始める。10年「sayuu」オープン。2店舗のショップを中心に全国で展覧会を開催。機能や技法にとらわれず意匠的な美しさを追求し時を経た様な古色仕上げ精密な鏡面仕上げなど様々な加工を使い分ける。金沢大学非常勤講師。
www.kiku-sayuu.com

華雪(かせつ)
1975年京都生まれ。立命館大学文学部哲学科心理学専攻修了、東京都在住。幼い頃に漢文学者・白川静の漢字字典に触れたことで漢字のなりたちや意味に興味を持ち、以来、文字の表現の可能性を探求することを主題に、国内外で展示やワークショップを行っている。刊行物に『石の遊び』(平凡社、2003)、『書の棲処』(赤々舎、2006)、『ATO 跡』(between the books、2009)など。作家活動の他に、『コレクション 戦争×文学』(集英社)など書籍の題字なども手がける。
kasetsuws.exblog.jp
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竹俣勇壱(金工)
華雪(書)

PHOTO(上): 竹俣勇壱
PHOTO(下): 華雪「舟」2019年 墨/和紙


関連イベント

「Bar 合同船」

7/13[土]①19:00 ②20:30
会場:ツバメコーヒーSTAND(新潟市中央区万代1-2-13 コスモビル2F)

協力:ツバメコーヒー地酒防衛軍吉川酒店


作家を囲むお茶会

7/14[日]①11:00 ②14:00 ③18:00
会場:砂丘館(新潟市中央区西大畑町5218-1)

協力:茶道ユニット○△□

○△□から
2014年結成。メンバーの山口満喜子、二村圭子、荒井直美、三者三様、別々の流派ながら、茶道の精神に惚れこんだというただそれだけで意気投合。現代に生きるわたしたちが等身大で楽しむことのできるお茶席を、おもてなしの心をこめて展開します。禅僧の仙厓義梵(せんがいぎぼん)和尚の書「○△□」にあやかって、だんだん角が取れていく修行の過程のわたしたちを表しました。一説には、○は水、△は火、□は土、とお茶に必要な3つの要素を象徴しているのだそうです。四角いお部屋に丸いお茶碗を囲む三人組…そんな風に見ていただけたらうれしいです。

※詳細は追ってお知らせいたします。

暮らしに生きる書 熊木英仁展

5/12[日]―15[水]

OPEN EYA

 営所通の忘時庵さんは、美味しく、店内を飾る書がすてきだと思っていました。書は店主の作品だと後から知りました。このたび忘時庵の熊木さんの、4日間限定の個展を開催します。
 金文、甲骨文字に取り組んでいる近作の書「幻想」「陶然」「聴雨」「雪月花」などを出品。原初の文字の面白さとパワー、墨色の美しさを味わっていただけます。

熊木英仁
1965年新潟市生まれ。
大東文化大学中国語学科卒業、日本書道教育学会書学院卒業、北京師範大学留学。幼少の頃より書に触れ、現在にいたるまで一貫して学習を継続中。
2015年1月より忘時庵を開業。日本酒の普及と暮らしに根付いた書道の在り方について追求している。

PHOTO(上): 作品:「幻想」 2018年 33.5×51.3cm


関連イベント

熊木英仁展 オープニングパーティー

5/11(土)17:00〜20:30

絵屋が小さな忘時庵に。
どなたでもご参加いただけます(ご予約不要)。
熊木英仁 暮らしに生きる書

Tango写真展『4718/R』

5/17[金]―30[木]

niigata eya exhibition 574

 Tangoさんが撮るのは一見、ごくごく当たり前の『日常』にある風景です。そこには劇的なものはなく、見慣れたものが写っているはずなのになぜか観るものの印象に深く残り、心の中に留まります。なんの変哲も無い日常の中には、確かにその時にしかない特別なものが含まれていて、作家はそれを見出し鋭敏な感覚で切り取ります。
 今回展示を行う作品では、二つの視点が並べられます。誰かと誰かが一緒にいるとき視点は決して重なることはありません。それでも、その時は同じ場所にいてどこかは重なっていたものもある筈――それが何だったかをTangoさん独自の感性で捉えようとする「一緒にいた人」と共有された「時間」と「場所」に取り組んだ写真展となります。(企画者:Bricole 桾沢和典・桾沢厚子)

Tango
1980年生まれ。新潟県在住。シリーズで継続しているZINE「e.o.a」と、グループで発行している「LIGHT」の製作を中心に活動している。
http://hachigatsunoowari.com

作家在廊予定日:5/19・22

Tango写真展

Tango写真展

PHOTO(上から): 作品:「NAGISA」
「4718」
「I Hope Not」


関連イベント

ギャラリートーク

5/19[日]18:00―19:00

会場:新潟絵屋 展示室

500円(要申込/新潟絵屋へ info@niigata-eya.jp)
ブリコール桾沢さんを聞き手に、Tangoさんのお話を伺います。
現在、本展覧会のための特別書き下ろし「インタビュー紙」を、ブリコールさんは製作中とのこと。そちらもどうぞお楽しみに…。

若槻菊枝蔵の 「峰村リツ子の裸婦」展

5/2[木]―10[金]

niigata eya exhibition 573

 若槻菊枝さんの新潟絵屋での個展は2007年6月。上大川前通りでのリニューアルオープン2つ目の企画展だった。真っ赤な服を来て車椅子で画廊にこられた菊枝さんの姿を今も思い出す。菊枝さんは3年後に94歳で亡くなった。夫の登美雄さんから、菊枝さんが持っていた峰村リツ子さんの絵を、以前「峰村リツ子展」を開いていた(2013年 砂丘館同時期開催)絵屋に寄贈したいとお申し出いただいた。
 菊枝さんと峰村さんのつながりが意外だったけれど、なんと峰村さんは菊枝さんの肖像も描いていたのだった。峰村さんが晩年個展をしていた現代画廊に登美雄さんはよく通ったという。新潟から東京に行き、それぞれ独自の人生を歩いたふたりが出会っていたということ、菊枝さん所蔵の絵が、菊枝像以外すべて裸婦であることが面白い。肖像、風景、裸婦は峰村リツ子の3大モチーフだが、なんと言っても裸婦の魅力が突出していると私は思っている。菊枝さんと意見が一致した。絵のセレクトがまた実に心憎い。何もまとわない女たちのなんとも明るく屈託ない体の表情に、空気に、菊枝・リツ子の自由な人生が重なって見える。 (企画者:大倉宏)

峰村リツ子(みねむら りつこ)
1907年新潟市の沼垂に生まれる。生家は味噌の醸造業。10代後半に東京へ行き、太平洋美術研究所で油絵を学ぶ。野口弥太郎、里見勝蔵、児島善三郎らの指導を受ける。女性の油絵画家の草分けの一人。戦前は1930年協会展、二科展、独立美術協会に出品。34年三岸節子、桜井浜江、佐州敏子らとグループ女艸会を結成。戦後は女流画家協会、自由美術家協会等で発表後、70歳を越えてからは主に個展で発表。洲之内徹のエッセイ「気まぐれ美術館」でもしばしば紹介された。93年朝日ギャラリーで自薦展を開催。95年没。

峰村リツ子

峰村リツ子

PHOTO(上から): 「マダム・ノアノア」 制作年不明 油彩/キャンバス
100.3×80.0cm(自由美術展出品作)
制作年不明 油彩/キャンバス 41.0×31.8cm
制作年不明 油彩/キャンバス 22.7×15.8cm


関連販売物
峰村リツ子 作品集
『峰村リツ子作品集』
1993年刊行/特別価格:税込1,000円

若槻菊枝 女の一生
『若槻菊枝 女の一生 新潟、新宿ノアノアから水俣へ』
奥田みのり・著(熊本日日新聞社)/税込1,620円

若槻菊枝(わかつき きくえ)
1916年新潟市(旧大形村)生まれ。26年木崎村無産農民小学校に入学するが1日だけの登校。35年上京。50年新宿にバー「ノアノア」を開店。画家、彫刻家の客が多く、自身も制作を開始。52年笠置季男氏(彫刻)の指導を得る。55年二科展彫刻部門、57年絵画部門へ出品、その後常連となる。98年に体調を崩すまで創作活動を続け、個展開催多数。日本美術家連盟会員。2010年没。