栗田宏展

6月12日fri―20日sat 新潟絵屋開廊15周年記念

vol.464

 2000年6月16日新潟絵屋は佐藤清三郎遺作展でオープンし、8月に栗田宏展を開いた。
 企画者の私は、当時発表の場を失っていた栗田の仕事を、継続的に「見る人」の目につなげていきたい思いを強く持っていた。展示で、新たな理解者がそれでも誕生し、波紋は広がった。2004年オープンの画廊Full Moonは毎年のように栗田の絵、陶器を展示し、2005年に開館した砂丘館でも個展、2人展等を開催した。
 新潟絵屋は「見る人」の立場に立つ所だ。けれど、当然ながら展示は企画者が紹介したいと思う「作者」なしに成立しない。15年間に絵屋が出会ってきた作者中の最古参であり、この新潟で描き続けて来た栗田宏の過去作から新作までを並べて、記念展としたい。図版の絵は、亡き洲之内徹が芸術新潮で紹介した「心臓」に先立つ一点。線が生き、はずみ、「心臓」や後の「密」へとつながる赤が萌える画面に、良寛の書と、その人に傾倒する30数年後の栗田宏が透けて見える。(企画 大倉 宏)

PROFILE
栗田宏(くりた ひろし)1952年白根市(現新潟市南区)生まれ。白根市役所に勤務し、在職中より絵を描き始める。その後、退職し絵に専念。「生成」「気」「密」などのテーマで制作を続ける。84・85年現代画廊(東京)、2000・02・04・14年新潟絵屋、04・05・07・08・09・10年画廊Full Moon、07年砂丘館、11年阿彌陀瀬(五泉市)にて個展。11年「栗田 点 華雪」、13年「平野充・栗田宏」開催。89年「新潟の絵画100年展」(新潟市美術館)、新潟の絵画100年展」(新潟市美術館)、00年「見えない境界 変貌するアジアの美術 光州ビエンナーレ2000(アジアセクション)日本巡回新潟展」(新潟県民ギャラリー)出品など。

PHOTO:「心臓閑」1981年頃 インク・水彩/紙 19.0×13.5cm

■作家在廊予定日:6/12.14.17.19.20

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