石井一男展

4月2日thu―10日fri

vol.457

 石井一男さんの出品作の画像が、ギャラリー島田から送られてきた。
 3つは石井さんのあの「女神」の絵だったが、もう1点「ひとり」と題された違う絵があった。白く四周を縁取られた画面に暗い海面らしきものが覗き、波がひとつ、尖った峰をつくっている。その上方、しぶきが霧になったのか、白いものが流れる中空を小さい鳥のような人が飛んでいる。
 新潟絵屋での前回の個展は12年前。その時は旗野秀人さんの企画で、私は少し話しただけだったけれど、石井さんのお人柄ならぬ、お「ひとり」柄が印象に残った。49歳まで未発表だった画家石井一男の抱え続けたひとりは、島田誠という他者の力で開かれた。開かれても、なお変わらぬひとりがここにいるとそのとき感じた。それから12年、その後の石井さんの絵も、人も見ぬままに、島田さんの依頼を受けて久々の個展を開くことになった。
 絵を見ると、やはり、石井さんは変わっていないと感じる。変わらないこと、変われないことの辛さをかみしめながら、生きている。(企画 大倉 宏)

PROFILE
石井一男(いしい かずお) 1943年神戸市生まれ。画家。92年より海文堂ギャラリー、2003年よりギャラリー島田にて毎年個展を開催。そのほか天音堂ギャラリー(大阪)、ギャラリー愚怜(東京)、松明堂ギャラリー(東京)、ギャラリー枝香庵(東京)、ギャラリー風(福岡)、亀の井別荘・談話室(大分)、新潟絵屋(新潟)などで個展開催。11年BBプラザ美術館(神戸)にて企画展「無垢の画家 石井一男」、12年佐喜眞美術館(沖縄)にて「奇蹟の画家 石井一男展」が開催される。画集に『絵の家』、『絵の家のほとりから』、『女神』がある。後藤正治氏による書き下ろしノンフィクション『奇跡の画家』(講談社)やテレビ番組「情熱大陸」(TBS)などでも紹介された。

PHOTO:「ひとり」2014年 油彩/キャンバス SM

■作家在廊予定日: 4月2・3・4日

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