SONG BOOK アンティエ・グルメス展

2014年12月17日wed―12月25日thu

vol.450

 アンティエ・グメルスが、新潟絵屋に帰ってきた!
 そう叫びたくなる久々の個展。2001年以来、7回目。前の6回の一つ一つを思い出すと、わずか10年に、なんという変化が、ひとりの画家に起こったことだろうと、今さらながら、驚かずにいられない。それから約5年。東日本大震災の直前にドイツに行き、故郷の町で暮らしはじめた画家の生きた時間を、絵で感じることのできる機会がめぐってきた。
 やはり、新しい事態が生まれていた―と、SONGBOOKと名付けられた美しいドローイングのシリーズを見て思う。
 軽快に弾むような線、色、光。ラフで、自由で、生き生きした絵は画家が無意識に口ずさむ歌とともに生まれてきたようだ。あの「光の絵」からの何という変化…と思う一方で、これは「光の絵」のその後の姿なのだとも感じられてくる。10年前の劇的変貌を、新星の誕生にたとえたことがあった。その新しい星の光が、地上にとどき、岩を砕き、土を交ぜ、水を、霧を生み、小さい生命が生まれ、それらが動きだし、呼びかわし、風が舞い、昼と夜が豊かな陰影を刻みはじめる。歌われているのは、そんな「地上の誕生」だ。(企画 大倉 宏)

PROFILE
Antje Gummels(アンティエ・グメルス) 1962年旧西ドイツ・レーゲンスブルグ生まれ。78年イタリア・サンレモへ移住し各国アーティストと交流。87年に来日し新潟県巻町(現新潟市西蒲区)に住む。92年麻布工芸美術館(東京)、92・94年創庫美術館(新潟)、96年北方文化博物館(新潟)、98年ストライプハウス美術館(東京)、2001・05・07・09・11年新潟絵屋、07年砂丘館(新潟)、05年アートフロントギャラリー(東京)、画廊Full Moon(新潟)、07年ギャラリーARKA(ウラジオストック)、ギャラリー128(ニューヨーク)、08年中之沢美術館(前橋)、ギャラリーアートコンポジション(東京)、10年游文舎(柏崎)で個展。09年大地の芸術祭、11~14年観○光ART EXPO(京都、鎌倉)に出品。現在ドイツ在住。

PHOTO:ドローイング・シリーズ SONGBOOK「163」2014年 ミクストメディア・紙 29.7×21.0cm

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>