後藤裕子展 

PHOTO:「綿雲」2018年 20.0×48.3cm

9/17[月・祝]―30[日]
9/21[金]18:30―ギャラリートーク
(トーク開催日は、21:00まで夜間営業)

新潟絵屋 企画展 vol.561

 今年3月、ギャラリーみつけでの後藤裕子展に私は感動した。そこには新潟・中越の自然を、鏡のように映しながら、その自然が、個人という、屈曲する川を下って、矩形に構成される絵という名の海へ注ぐ——そのプロセスが、ドラマが、キラキラした、透明な美しい色彩の結晶になって並んでいた。
 鏡のように、と書いたのは、山や空や風や光の繊細な表情が、草の葉のような筆先のこまやかな仕草に、あざやかに映しとられていたからだ。若いころ、パリのボザールで絵をコンポジション(構成)する面白さを学んだ彼女が、山と海と平野が隣接する長岡に暮らして20数年。
 この人生と、この場所が、時の濾過をへて、化学反応を生じて現れた、素晴らしいヴィジョン(視覚)の世界を紹介したい。(企画 大倉 宏)

後藤裕子(ごとう ひろこ)
1951年東京都生まれ。父に画集を祖母に油絵具箱を贈られる環境で育つ。美大を経て油彩画を組成と技法から学び直そうと仏留学し、帰国後は子育てや介護等家庭の中で過ごす。夫の赴任地新潟県長岡市で病院や施設に風景画を飾る機会があり、スケッチと構成画制作を始めた。

関連イベント
ギャラリートーク 9/21[金]18:30―(1時間予定)

後藤裕子
聞き手:大倉宏
500円/予約不要。お気軽にご来場ください。

後藤裕子「養鯉池」

PHOTO:「養鯉池」2018年 30.0×18.6cm

後藤裕子「信濃川蛇行」

PHOTO:「信濃川蛇行」 2018年 29.6×29.8cm

後藤裕子展