ほとけのこゑ展

PHOTO(上): 「聖観音菩薩立像」(平安時代/佐渡正覚寺蔵) 
ーー 千年や汝(なんぢ)へ拈(ねん)じ蓮の花 文應

4/3[土]―14[水]

niigata eya exhibition 607

写真:文殊堂・渡辺康文

俳句:白茅俳句会・坂内文應

 文殊堂渡辺康文氏と俳誌「白茅」代表の坂内文應氏は40年来のお付き合いと聞く。今回は写真と俳句のコラボレーション。新潟県内の仏教美術、仏像を撮り続ける稀有なフォトグラファー渡辺氏の仏像写真に、禅僧俳人坂内氏が句讃をそえる。
 人類の精神史上、宗教・芸術は共時的に発生した、とは坂内氏自らの境涯も含めた言葉である。目に見えない何ものかに怯え、立ち向かうことを強いられ、先を見通せない今、精神を支える勁(つよ)く、しっかりとした柱が必要なことを誰もが気づいているようだ。
 このコラボレーションは、それらに真摯にして静かに寄り添った試みである。ぜひ会場で、時代に合致するその空気と出逢っていただきたい。(企画者:伊藤純一)

渡辺康文(わたなべ やすふみ)
1952年新潟市生まれ。フォトグラファー。「文殊堂」主宰。東京、奈良を経て新潟市においてフリーに。新潟県の東洋美術の価値を広く紹介する事を目指し活動を続け「國華」(岡倉天心たちにより創刊された美術誌)の新潟仏像特集に掲載され、日本美術全集など多くの美術本に写真を提供している。新潟市在住。

坂内文應(さかうち ぶんのう)
1949年新潟生まれ。長谷川櫂『古志』元同人会会長。飴山實賞選考委員。第一句集『方丈』(花神俊英叢書)を2001年に刊行。同年『角川俳句年鑑』にて年間ベスト15句集の一冊に推挙。俳誌『白茅』を2013年に中田剛・羽野里美と発刊、現代表。第二句集『天真』を2019年に詩人高橋睦郎の選句・序辞の元に刊行。加茂市龍澤山雙璧禅寺住持。


202104rimenRE


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