しんぞう展

7月2日thu―10日fri

vol.466

 今回出品の墨絵連作「神の犬」のいわく言いがたい魅力はなんだろう。
 犬の表情もそうだが、墨の広がり、線もいい。近作アクリル画の名付けようのない色がごっちゃり混ざった溶岩にも引かれる。画家が絵の前で語るエピソードにも驚かされるけれど。
 しんぞうの絵はしばしば制御しがたい感情やとりとめのない思考から始まるらしい。親に愛されない悲しみに一年川原で泣き続けたことのある画家は、今も感情の奔流を生きているようだ。一見汚く見える色は、その表出のようでもあるが、それだけでは第三者の目は揺らせまい。
 表出が表現に、汚いが美しいに変わる一線があり、そこに立つ犬が越境者を威嚇する。その番犬が「神の犬」なのかも。(企画 大倉 宏)

PROFILE
しんぞう 1974年横浜市生まれ。武蔵野美術大学油絵科卒業。個展は、2007・08・09・11・12年新宿眼科画廊(東京)、09・10・11・12・13・14年DAMギャラリー(韓国)、12年砂丘館「あなたの心の裏の河」(新潟市)、13・14年新潟絵屋など。そのほか09年「大地の芸術祭」に出品。芸術道場GP(グランプリ)銀賞、第29回損保ジャパン美術財団選抜奨励展入選、第44回神奈川美術展入選など受賞。装画に「臨床の詩学」(春日武彦・著/医学書院)がある。新潟市在住。
http://www.sinzow.com/

PHOTO:「神の犬」2014年 墨/和紙 16.0×20.0cm