梅田恭子展「足許と景色」

1/8[土]― 23[日]

niigata eya exhibition 623

 梅田恭子の絵をときどき身近にかけて見ている。絵は空気を作り出す。一点かけると部屋中にその空気が広がっていくことがある。ふしぎなことに、梅田の空気はそういう広がり方をしない。絵の周囲にある濃密な気圏ができ、その一角にうずくまっている感じなのだ。だから逆に気になって、見つめてしまう。支持体である板に鉛筆、色鉛筆の粒子が摩り込まれるように描かれているのだが、板と絵もまた距離を保っている。
 梅田の手から生まれるものはどれも、環境、支持体、すべてから自立して、純粋な絵であろうとしている。拒否しているのではなく、それらと関係を結ぶために、純粋を欲し、願っている。今回の新作が染み込まない支持体であるOHPフィルムに描かれているのを見てその希望の強さに胸をつかれた。純粋な絵の小惑星たちが、新潟絵屋に浮かび、光り、めぐりだす。(企画 大倉 宏)

梅田恭子(うめだ きょうこ)
1971年東京都生まれ。多摩美術大学美術学部デザイン科グラフィックデザイン専攻卒業、96年同大学大学院美術研究科デザイン専攻修了。94年から個展を中心に、東京、新潟、名古屋、大阪、神戸、宇部などで作品展を開催。刊行物に銅版画集 『ツブノヒトツヒトツ』(言水制作室)、がある。umedakyoko.com

PHOTO(上):「一歩」 2021年

梅田恭子展
PHOTO:「二歩」 2021年

梅田恭子展
PHOTO:「三歩」 2021年


同時開催企画 1

梅田恭子展「足許と景色、それから、空」(銅版画)

みつけ市民ギャラリー ギャラリーみつけ
新潟県見附市昭和町2-4-1
tel.0258-84-7755
1/8[土]―30[日]〈入館無料〉
10:00-22:00(入館受付21:30迄・最終日16:00迄)
月曜休館※1/10(月・祝)は開館、1/11(火)休館
ギャラリートーク
出演:梅田恭子・久保舎己(リモートで三重から参加)
聞き手:大倉 宏
収録日:1/23

https://youtu.be/xad2qDqfc4Y
公開期間2/11まで

梅田恭子 久保舎己

同時開催「久保舎己展 2000-2021」(木版画)


同時開催企画 2

梅田恭子銅版画 「ツブノヒトツヒトツ」特別展示

2021.12/21[火]―2022.1/23[日]
会場:砂丘館

関連イベント

ライブパフォーマンス
「それから、空」

1/15[土]16:30-
出演:堀川久子(舞)・梅田恭子(絵と投影)
2,000円(定員15名)
※事前に砂丘館へお申込ください
yoyaku@bz04.plala.pr.jp

梅田恭子


▶ 梅田恭子展 –かごのなかから–
▶ 北書店画廊 梅田恭子展「ツブノヒトツ」