小島隆子コレクション展

 1月22日fri―31日sun

vol.483

 小島隆子さんは明るく、はつらつとした人だった。そしていつも玉のような目をしてものを見ていた。
 父は銀行で佐藤清三郎の同僚だった小島一弥さん。一弥さんは市井の思索家、哲学者のような人で芸術に関心が深かった。同じく同僚の田部直枝さんが、佐藤哲三の支援をし、退職後自宅を改装して画廊を始めたのも、一弥さんの影響があった。隆子さんと私が最初に会ったのも、その「画廊たべ」でだったという気がする。
 隆子さんも退職後、画廊を始めたい気持ちがあったようで、電話で相談を受けたことがある。私は積極的に勧めなかった。画廊を真剣にやろうとすれば、どれほど陰でエネルギーを使わなければならないかを、当時つくづく実感していたせいもあった。
 あんなに元気だった小島隆子さんが、急逝され、弟の春生さんと電話でお話し、残された絵を一括してお預かりすることになった。春生さんのご了解もいただいて、砂丘館でその全体を見ていただき、ついでその一部を絵屋で頒布させていただくことにした。絵を愛し、絵屋を応援して下さってもいた隆子さんの思いを汲んでいただける方々に、大切にしていただけるとうれしい。なお春生さんによれば、絵の半数以上は一弥さんが買われたものだろうとのこと。父娘二代の、絵を愛した親子の選んだ絵ということになる。
(企画 大倉 宏)

小島隆子 (こじま たかこ)
1942(昭和17)年2月9日小島一弥、節子の二女として新潟市中大畑町にて出生。1949(昭和24)年小田原市に移住。1952(昭和27)年横浜市に移住。1960(昭和35)年ソニー入社。1975(昭和50)年川崎市に移住。1997(平成9)年ソニー退社。その後は好きな美術・芸術に多くの時間を費やす。2014(平成26)年逝去。享年72歳

▶みるものとよいところ 会場のようす

三浦逸雄
三浦逸雄 題名制作年不明 油彩・キャンバス F6

本間吉郎 「瓢湖の夏」
本間吉郎 「瓢湖の夏」1979年 孔版画 18.5×25.9cm

山上嘉吉
山上嘉吉 題名制作年不明 油彩・キャンバス F8

出品作家 (予定)
安泰・上野誠・上野酋・小野忠重・高良真木・徳本恭造・東本つね・早川昌・平松敬子・本間吉郎・三浦逸雄・村國豊・山上嘉吉・横田海・T. Ohkawa・T. Hiraiwaほか
※頒布価格は3,000~10,000円です。
※複数の方がご希望の作品は、会期終了後抽選となります。

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