藤井芳則 「カミモッコ」展

 2月19日fri―28日sun

vol.485

藤井芳則藤井芳則

 藤井芳則は、知り合った十数年前は建築の装飾絵などを手がける「絵師」で、即興の切り絵の魔法で、まだ小さかった私の子供たちを憧れさせた。2000年代に数度絵屋で個展をし、亀田に自分でもギャラリーを開いた頃から、「大地の芸術祭」などの波で新潟に押し寄せるようになった「現代アート」の場に、積極的に発表をはじめた。最近では、前山忠が大地の芸術祭で松之山の民家を活用して作ったギャラリーYUYAMAでのグループ展で、屋根裏の一室に幻想的な「のぞきからくり」ならぬ「のぞき河岸段丘の雪景色」を作り、去年の弥彦の野外アート展ではすすきで拵えた原人「ヤーヒー」をやぶのなかに出現させたが、どちらも秀逸だった。
1970年代の新潟に「現代美術の波」を起こした前山との結びつきが面白いけれど、前山が東京で波の洗礼を最初に受け、東京への対抗を意識して活動したのと違い、どこで発表しても、新潟の町絵師である「チャックさん」が変わらずそこにいるという感じがする。時代の違いでもあるだろう。
久々の新潟絵屋での展示だ。個展などで残る案内ハガキを細く切って「毛」にしたものを、いろんなものに化けさせる。その膨大な毛を藤井さん自身がはさみで一本一本切り出す。「美術」を通過して進化した絵師の幻術を、ご覧あれ。(企画 大倉 宏)

藤井芳則 (ふじい よしのり)
1962年新潟市生まれ。88年から新潟市を中心に飲食店・ブティック・アミューズメントなどの壁画、オブジェの制作を手がける。2005・07・09年新潟絵屋、13年柏崎市・游文舎ギャラリー、15年ギャラリーゆうむで個展。アート・ウォッチング 自由な眼差し、越後妻有 大地の芸術祭 雪アートプロジェクト、弥彦野外アート展、ブルースカイプロジェクト国際美術展、「藤井芳則VS関根哲男」出品など。08年gt.moo gallery(江南区旭)を経営する。11年NIIGATAオフィス・アートストリート最優秀賞受賞。

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