ジャン-フランソワ・ゲリーの目

3/4[土]―16[木]

砂丘館同時期開催 2/16[木]―3/26[日]*先行開催中!

niigata eya exhibition 646

 ジャン-フランソワ・ゲリーが遺した写真を見ていて新発見があった。稲荷神社のキツネたちの素晴らしい肖像写真の数々である。 すらりとして、ふっくらした体躯、生き生きとして鋭い目、やさしそうで、しかし恐ろしい力を持っていそうな動物、キツネ。日本人にきわめて身近な存在であり、そして畏怖の対象でもあったこのキツネたちが姿を変じ、彼の前に再び、そして最後に姿をあらわしたのが冬の浜の流木たちだったのではないか。
 その流木シリーズの映像に「死、エロス、幻想と沈黙」という言葉を付した直後に彼は逝ったけれど、この言葉は、稲荷の写真にも、そしてゲリーのすべての写真に通底するものを指している。写真は彼にとって自分の底にある魂の孤独にめぐり会う場であり、道だったのだ。作家自身によるオリジナルプリントと愛蔵の日本陶器や浮世絵などをあわせて展示する。(企画者:大倉宏)

ジャン-フランソワ・ゲリー 
(Jean-François Guerry)
1943年スイスに生まれ、パリで育つ。スイス大使館の文化担当官として東京、ニューヨークで勤務した後、90年辞職しフリーの写真家となる。92年から新潟市に暮らす。90年ギャルリーワタリ(東京)、98年羊画廊(新潟)、99年Arterage Modem Art Gallery(ウラジオストク・ロシア)、2000年新潟絵屋、04年たけうち画廊(新潟)で個展。『週刊新潮』、新潟日報などに写真と文を発表。著書に『旅の虫』(00年 新潟日報事業社)『パリでまた逢おう CI VEDIAMO』(04年 同)がある。20年12月砂丘館で最後の作品「流木」の映像を展示中に死去。

PHOTO 上: 制作年不明 写真/印画紙 19.9×29.7cm 

PHOTO: 制作年不明 写真/印画紙 31.1×21.4 cm




〈同時期開催〉

「ジャン-フランソワ・ゲリー遺作写真展 流木を中心に」
2/16[木]―3/26[日]
会場:砂丘館

新潟市中央区西大畑町 5218-1
9:00-19:00(3月から21:00閉館)
月曜および祝日の翌日休館

ジャン-フランソワ・ゲリー


〈ギャラリートーク〉

「ジャン-フランソワ・ゲリーを語る」
3/11[土]13:30―15:00
会場:砂丘館

阿部周子・大倉宏(聞き手)
参加料500円/定員15人/要申込(2/22~)
砂丘館へ電話またはメールでお名前、電話番号、人数を添えお申込下さい。

TEL: 025-222-2676
Email: sakyukan@bz03.plala.or.jp


▶ 砂丘館2020年12月「ジャン-フランソワ・ゲリー『流木』」
▶ 新潟絵屋2000年7月