周 豪 展

4月22日fri―30日sat

vol.475

作家在廊予定日:4/23

 周豪の絵は色彩がすばらしい。その魅力を考えていて、昔、学生のころ、色彩学の授業で学んだ「孔色(こうしょく)」を思いだした。空の色とか、穴の向こうに見える色などを指す言葉だ。
 孔色には紙の色とか、石の色というときの紙や、石の「質感」がないかわりに、もの表皮から放たれた透明がある。周豪の絵独特の渋い色は孔色ではない。反対に、荒めのキャンバス地や絵の具の堅牢な質感がある。けれども豊かな質感を持つ色に、その豊かさに拮抗するほどの「透明」が感じられるのだ。シンプルで、表情に節度ある抑制を加えた形に、華やかとも穏やかとも違う、ある品格ある響きを、その見えざる透明がかもしだしている。(企画 大倉 宏)

周 豪(Thou HAO/つぉうはう)
1960年中国上海市生まれ。’90年武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻版画コース修了。ポーランド、スロベニア、ノルウェーなどでの国際版画展、2001年CWAJ現代版画展(東京アメリカンクラブ/神保町)出品。’04年早稲田大学芸術学校非常勤講師、’05 ワークショップ特別講師(宇都宮美術館)、2008・
’10年Atelier Remy Bucciali(フランス)にて銅版画制作。町田市立国際版画美術館、武蔵野美術大学美術資料図書館、神州版画美術館(中国)、多摩美術大学美術館、フランスポスター美術館、アメリカボストン美術館、アメリカスミス大学美術館、ポーランド国立美術館などに作品収蔵。横浜市在住。http://zh1920.com

▶みるものとよいところ 会場のようす

PHOTO: 「B.160123-56」2016年 油彩・キャンバス 11.5×19.7cm

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です