荻間 久美 展 「イデア―私の心臓」

6月22日wed―30日thu

vol.497

作家在廊予定日: 6/22〜26・30

 荻間さんが制作をする胎内市の坂爪勝幸工房を訪ねた。いつも制作以外のことが忙しいと坂爪さんが言った。土や釉薬を作る、草や木を刈る、などなど。用意されたものを使うのではなく、使うものは時間をかけて自分たちで作る。
新作は素焼き前の状態で、木枠の中で宙づりに浮かんでいた。木枠の天地左右を変えながら360度の視点で制作するためだ。いくつかは木枠時代を経て、ウレタンの上でごろんと転がっている。次の工程を待つ土の塊に期待を持った。火を受けてむくむくと力をつけそうだ。
荻間さんは後から次の言葉を寄せてくれた。
「イデア」という言葉には、もともと持っている本質という意味があります。私はその中心にある種のような、人の中心にある心臓のようなものに強く憧れを持っています。この多様で複雑な形は、私自身かもしれません。
(企画 井上 美雪)

荻間久美 (おぎま くみ)
1978年新発田市生まれ。2003年陶工房セラにて、06年坂爪勝幸工房(胎内市)にて制作。坂爪勝幸氏に師事。09年大地の芸術祭越後妻有アートトリエンナーレ妻有焼展入選。08年2人展 「ハナとウツワのカタチ」(カーブドッチ・薪小屋)、10年グループ展「この界隈のビジュツ―〈いま・ここ〉のパフォーマンスを上げる―」(ギャルリー炎舎)、12年グループ展「風の通り道」(芹川画廊/銀座)、水と土の芸術祭2012プレイベント「東日本大震災復興支援 松浜地区心意気ARTフェスタ」出品など。14年新潟絵屋にて個展。

▶みるものとよいところ 会場のようす

PHOTO: 「イデア Complex Form」h35cm

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です