6/1[日]― 14[土]
niigata eya exhibition 693
25回目の誕生月にふたつの記念展を開催します。
25years
アンティエ・グメルス展 Sun Diary / 蓮池もも展
新潟絵屋は2000年6月16日に「見る人の見る人による見る人のための企画展空間」として誕生した。それは「作る人の発表の場」という面から見られることの多かった「展覧会」を「見る人」というもう一つの視点からとらえ直そうとする試みだった。
展覧会は「見る人」(企画者)と「作る人」の協働で実現する。25年という歳月の中で、私たちもたくさんの作る人と交流した。また作る人、作られたものたちから、活動のエネルギーをもらってきた。ことに創作の劇的ないまを共に体験できたことは、新潟絵屋が与えてくれたかけがえない賜物だった。
アンティエ・グメルスと蓮池ももの「変容」は今も忘れられない。
アンティエの新潟絵屋の初個展は2001年。少しシニカルで不思議な生き物たちの賑やかな「パレード」の数年後に、思いがけない「光の絵」が現れようと誰が想像できただろう。蓮池は「島」「文様」、湿地のイメージへと推移していく素描の連作など、その都度新しい、魅力ある結晶体を産み落としてきた。
ドイツに居を移し、ここ数年制作に力を十分に注げずにいたアンティエは、新潟絵屋の「おめでたい」月のために「太陽の日記」シリーズを描いた。旧作を加えて展示する。蓮池の近作には「ラジオ」が登場。遠い場所を近づける小箱は、自らの深みをめぐる道を歩いてきた画家の、心的世界の広がりを暗示する。
「ひとりぼっちは絵描きになる」は友川かずきの歌だが、たくさんの見る、作る、ひとりぼっちがつながり、心を通わせてきた場所が新潟絵屋だった。(企画者:大倉 宏)
Antje Gummels(アンティエ・グメルス)
1962年旧西ドイツ・レーゲンスブルグ生まれ。78年イタリア・サンレモへ移住。87年に来日し新潟県巻町(現新潟市西蒲区)に住む。92年麻布工芸美術館(東京)、92・94年創庫美術館(新潟)、96年北方文化博物館(新潟)、98年ストライプハウス美術館(東京)、2001・05・07・09・11・14・17年新潟絵屋、07年砂丘館(新潟)、05年アートフロントギャラリー(東京)、画廊Full Moon(新潟)、07年ギャラリーARKA(ウラジオストック)、 07・09・17年ギャラリー128(ニューヨーク)、08年中之沢美術館(群馬)、ギャラリーアートコンポジション(東京)、10年游文舎(新潟)、11年ギャラリーゆうむ(新潟)、17年ギャラリーみつけ(新潟)で個展。09年大地の芸術祭、11~16年観○光ART EXPO(京都、鎌倉)、会津漆の芸術祭に出品。ドイツ在住。
PHOTO(上): 「Sun Diary:The Bird」 2025年 インク・色鉛筆/紙 10.5×14.7cm
PHOTO:「The Big Parade:Under the Stars」2001年 墨/和紙 11.0×20.0cm
PHOTO:「Sun Diary」インク・色鉛筆/紙 10.5×14.7cm
関連イベント
25 years 記念トーク
6/20[金]18:30 – 20:00
蓮池もも/聞き手:大倉宏
蓮池もも展
6/16[月]― 29[日]