清水 伸 展 「夜」

2月2日fri―14日wed

vol.548 作家在廊予定日: 2/3〜5、9

 清水伸はよく話す。しゃべる、と書いたほうがぴったりかもしれない。
 言葉のおおい画家を長く苦手に感じていた。けれど一昨年佐渡の個展を見に行き、ある絵の前でおしゃべりを聞いていた最中、だしぬけに、興味を持ち出している自分に気付いた。
 それが図版の絵で、放射状の格子は爆撃機B29の操縦席の風防ガラスの枠。テニアン島を飛びたった若いアメリカ人パイロットたちが原爆を落とすことができず、列島を越え、北の海の空でオーロラを見た。その光景を描いたという。
 現実を、非現実に変換する妄想の生き生きとした流れが、言葉に、絵に、あった。
 新潟ゆかりのパリ在住美術家たちのグループ展が、新潟市で開かれる。それにあわせ、この異色作を新潟絵屋に並べたいと思った。画廊ですから、販売も考えなければなりませんと話すと、パリから故郷の佐渡に戻るフェリーから今度の個展のテーマを夜にしたいと連絡が来た。そうすると、良寛の書を描いた絵も並ぶんですという。
 どんな妄想の夜が冬の画廊に広がるのだろうか。
(企画 大倉 宏)

清水伸 コックピットのオーロラ

清水 伸 (しみず しん)
1947年旧佐渡郡相川町生まれ。武蔵野美術大学で山口長男に師事。77年にパリへ拠点を移し、89年より佐渡とパリで制作。日仏両方の地で発表を重ねる。主な新潟での個展は1994年(創庫美術館)、2001・06年(知足美術館)、04年(佐渡市博物館ギャラリー)、09・15年(ギャラリーほたる縁・佐渡)など。新潟市美術館、新潟県立近代美術館・万代島美術館に作品収蔵。

PHOTO(上): 「夜の五合庵」良寛の書「いろは」より 2015年 アクリル/韓国紙 14.4×54.0cm
PHOTO(下): 「コックピットのオーロラ」 油彩/紙+キャンバス 140.0×240.0cm


関連イベント

清水 伸 ギャラリートーク 「夜について」

2月9日fri 18:00〜19:00 参加費500円 申込不要 聞き手: 大倉 宏


本展と同時期に、清水さんは別会場での企画に作品を出品されています。
三会場をめぐってお楽しみください。

羊画廊

パリの新潟—三人展 清水 伸・原田哲男・水上貴博
2月2日fri~13日tue
新潟市中央区古町通8-1438 TEL. 025-224-1397
11:00~18:00 (日・祝日17:00、最終日16:00) 水休

新潟市新津美術館

パリに生きる新潟の作家たち
1月27日sat~3月11日sun
新潟市秋葉区蒲ケ沢109番地1 TEL 0250-25-1300
10:00~17:00 月休 (2.12および3.5開館2.13休)