新田コージ展

PHOTO:「小品NO.175」2013年

8月17日fri―30日thu

vol.559

 岩手花巻の作家・新田コージさんを、彼の奥さんの故郷である新潟で初めて紹介出来ることを嬉しく思うのですが、それがこういう回顧展のような形になってしまったことは残念でなりません。
 私が東京新宿でやっていた画廊ポルトリブレで、彼の個展を初めて開催したのは2008年でした。今のような作品での東京での初個展でした。それが好評を博し、翌年は京橋で開催し、それから新宿と京橋で交互に開催するようになりました。
 彼の作品は、一見額のように見える廃材で作った枠の中に、絵の具や砂等、様々な素材を詰めて作るモノで、地面の一部のような感じもしますが、そこに鉄屑を埋め込むのが特徴です。これは、彼が以前生業としていた廃品回収の仕事で集まった鋏やノコギリや釘・ネジ等の古い鉄製品を、野晒しで積み上げた中から引っ張り出して埋め込むのだそうです。まだ一生分あると言っていましたが、一生の方が先に終わってしまいました。齢65、早過ぎる死でした。 (企画 平井勝正)

新田コージ(にった こーじ)
1952年花巻市生まれ。2006年以降湯本美術展示館・ギャラリーBun・萬鐵五郎記念館八丁土蔵ギャラリー(花巻)、諄子美術館(北上)、ギャラリーLavie・ギャラリー彩園子(盛岡)、あーとびる麦生(久慈)、ギャラリー尾形(福岡)、ポルトリブレ(新宿)、ギャラリーび~た(京橋)、江原画廊(銀座)などで個展開催。2012年度岩手県美術選奨受賞により、アートフェスタいわて(岩手県立美術館)出品。2018年3月逝去。

新田コージ展

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新田コージ展

PHOTO:「小品NO.95」2010年

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PHOTO:「小品NO.199」2014年

新田コージ 展