小木曽瑞枝展「山々/こちら側とあちら側」

9/17[火]―30[月]

vol.583

作家在廊予定日 9/17・28

 小木曽瑞枝さんは、遠回り上手だ。制作に時間がかかる。テーマに向かいながら長い回り道に近くや遠くのものをよく観察して、広く思考をめぐらせた末に作品を完成させる。
 新作には2面がある。「鏡を境にあちらとこちらの背景はさかさまになってしまう」「いつでもどこでも、見えている側と見えていない側」――こんな考えごとをしながらできたのが今回の作品。
 前回の個展「前上下左右後」では、それまで壁に固定してきた作品が置きもの化した。新作では、それと共通する点もあるけれど、似て非なる。絵屋の展示室に出現する山々をおたのしみに。(企画 井上美雪)

小木曽瑞枝(おぎそ みずえ)
1971年東京都生まれ。96年東京芸術大学大学院修了。平成19年度ポーラ美術振興財団在外研修員としてスウェーデンに滞在。風景の観察を通じ、未知と既知の狭間にある世界観を平面や立体、インスタレーション作品として発表。2010年「祝祭」(ポーラミュージアムアネックス)、12年「虹の彼方」(府中市美術館)、15年「前上下左右後」(新潟絵屋)、16年「何処でそれを失くしたのかこころあたりはありませんか?」(ギャラリーみつけ)、18年は金沢・ガレリアポンテにて個展。東京、神奈川、群馬、長野、愛知、広島、兵庫、熊本の病院などにパブリックアートがある。

PHOTO(上左): 「Mountain/11.6.2019(仮)」2019年 アクリル絵具/シナ合板 17.0×11.0×1.5cm
PHOTO(上右): 「Mountain/7.6.2019(仮)」2019年 アクリル絵具/シナ合板 18.5×12.0×1.5cm

小木曽瑞枝展
ogiso mizue
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関連情報 
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小木曽瑞枝 × 青松ワークス「Round-scape 03」

青松ワークスの木工製品に、小木曽瑞枝さんが制作したパーツを組み合わせました。パーツは凧紐に吊られた円盤ごと回転します。

小木曽瑞枝青松ワークス

2015年
パーツ:アクリル絵具/シナ合板
土台:ニレ  
円盤:アルダー 
支柱:ラミン 
木球:ブナ
16.0×16.0×27.0cm
24,000円+税