久保舎己 木版画展

9/17[木]―30[水]

vol.597

作家在廊日:9/19(14時〜)・20(終日)

 言葉がもどかしい。久保さんの作品をはじめて目にした際の衝撃を、いったい何と表現しよう。
 アートサロン環というギャラリーを運営されていた染色家の神田節子さん。彼女が「ずっと気になっている作家さんがいるの」と見せてくださった久保作品は、暗い、インクの黒以上に黒い画面。なぜ目が離せないのだろう。強い。人の弱さから、人類の弱さ、愚かさを、みつめ続ける強さ。いや、その愚かしさは、また自分の中にもあると認める強さ。そして赦す優しさ。それは「強い」「弱い」「優しい」などという言葉では包括出来ない世界。
 だから、久保さんの作品に会いに来て欲しい。夜空に光るどんな小さな恒星ですら、すべて灼熱に燃えている。そんな事をふと思い出す。(企画者:田代早苗)

久保舎己(くぼ すてみ)
1948年三重県津市生まれ。66年東京寛永寺美術研究所に学ぶ。75年木版画を独学ではじめる。三重を中心に、愛知、東京、新潟などで発表。2018年ドイツ・ブッフハイム美術館で企画展。刊行物に『久保舎己 版画集 1977-2012』(ドイツ語/英訳・日本語訳あり)、『ホシヒト ある“個”の軌跡―久保舎己木版画集』(言水制作室)がある。

PHOTO(上): 「横むきの顔」 2018年 木版画 32.5×25.0cm

久保舎己

PHOTO(下): 「手を上げる人 4」 2017年 木版画 26.5×17.0cm


会場のようす

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