ささめやゆき展

11/17[火]― 30[月]

niigata eya exhibition 599

作家在廊日:11/20・21(予定)

 写真家の白石ちえこさんのご紹介で、ささめやゆきさんからお手紙が届いた。横に細長ーい紙に、金平糖のような字で。展覧会をいつか開催しましょう、とやりとりがはじまった。リノニューム版画集や新刊の絵本、演劇のチラシ、鎌倉の絵本作家さんが合同でつくっている冊子など、手がけた仕事を、折々に手紙を添えて送ってくださった。
 展覧会が近づいて、こんどは額装された絵がひとつ届いた。箱を開けると、ボクサーがひとり、リングに立っていた。今回は絵で勝負する、ささめやゆきさんの個展。この案内状をつくる間にも、大きくゆれているささめやさんへ、新潟からエールを送っている。 (企画者:井上美雪)


ButとOrのくりかえし/決めるでもなく/決めないでもない/文の頭につくbut/フレーズの後ろにおくor/ゆれるロープの上のよう/曖昧模糊のボクのこと/自分で決めなくてもいいんだよ/なにかがあとで教えてくれる

(著書『ButとOr』より)


ささめやゆき
1943年東京・蒲田うまれ。45年空襲にて家消失。以後68年までボーッとしてくらす。その年にはじめて絵を描く。70年フランスへ。71年ニューヨークへ。72年フランス・シェルブールへ。一年間ただ絵を描きつづける。73年帰国するも仕事なし収入なし。77年油絵のほか銅版画を制作する。絵本や挿絵の仕事多数。『ブリキの音符』(文・片山令子、白泉社)『ガドルフの百合』(文・宮沢賢治、偕成社)、『マルスさんとマダムマルス』(原生林)、『幻燈サーカス』(文・中澤晶子、BL 出版)、『あしたうちにねこがくるの』(文・石津ちひろ、講談社)、『ねこのチャッピー』(小峰書店)、『くうき』(文・まどみちお、理論社)、『椅子』『Butとor』(BL出版)、『あるひ あるとき』(文・あまんきみこ、のら書店)、『ワタシゴト』(文・中澤晶子、汐文社)など。

PHOTO(上):「ボクサー」 版画 20.5×14.2cm

ささめやゆき
「デニス・スウィンナートン」

ささめやゆき

「マヤコフスキーノート」

ささめやゆき

「恐るべき子供たち」