宮嶋美明遺作展

7/1[木]―11[日]

niigata eya exhibition 613

 宮嶋美明は新発田出身、千葉で亡くなった大正元年生まれの画家である。二紀会を主な発表の場とし、挿絵の仕事も多かったらしい。
 2点の絵が新潟市美術館にあり、印象に残っていた。孫のKさんがこの春、残された絵の写真や人生のエピソードを携え新潟に来た。モジリアニや松本竣介やウィフレド・ラムが透ける絵もあるが、一貫して悲しみ、死への関心があった人のようだ。弟の戦死、出産時に亡くなった義妹の娘を育てたこと、解剖のスケッチという仕事の影響などもあったのではとKさんは言うが、どの絵もあまり暗くなく、苦や悲を物語に変換しようとする意志を感じる。行動的な孫に恵まれた幸運も、この画家の人間的な魅力に発するのだろう。叙情をにじませる小品を中心に展示する。(企画者:大倉宏)

宮嶋美明(みやじま みめい)
1913年新潟県北蒲原郡加治村(現新発田市)生まれ。太平洋美術学校で学び1942年独立展に入選。挿絵の仕事も手がける。1953年より二紀会に出品。57、58、59、60年同会で受賞し二紀会委員となる。70年黒田賞、79年の鍋井賞を受賞。二紀会千葉支部長、千葉県美術会常任理事などを勤めた。千葉大学医学部の技官として解剖のスケッチの仕事に携わった。85年没。

PHOTO(上): 作品:タイトル不詳 1960年代か パステル/イラストボード 39.6×27.3cm


PHOTO: 作品:タイトル不詳 1970 年代か 油彩/キャンバス 53.0×73.0cm

宮嶋美明-遺作展
PHOTO: 作品:「花」 1970年代か 油彩/キャンバス 53.0×46.0cm