コイズミアヤ展「やわらかな座標」

7/17[土]―8/9[月・振替休日]
会場:ギャラリーみつけ
(みつけ市民ギャラリー) 展示室1・2
見附市昭和町2-4-1 tel.0258-84-7755
10:00―22:00(入館受付21:30迄/最終日16:00迄)
月曜休館/入場無料/駐車場完備

 コイズミアヤという人の頭の中はどうなっているのだろう、と個展を見る毎に感じる。
 本好きという言葉は大雑把にすぎるけれど、読書という経験がコイズミにとっていかに根源的なものであるかということを、作品で痛感したこともある。
 読む・考える・感じる・作る・書く・話す・聞くなど複数の動詞で書かれているものがひとつ、あるいはひと続きの行為になっているらしい。その「続き」方は輪の姿をしていて終わりという地点がない。
 表現は表にあらわすと書くけれど、コイズミの作品行為=輪はメビウスの帯のように表裏がなく、表にあらわれたものが裏に続き、どこまでもどこまでも続き、回り、高速回転の大縄跳びのように入りづらくなって、ふしぎな、目のまわる風景だなぁ、とただただ感嘆してたたずむことになる。
 ところで、そのメビウスの輪を中央線で2分割するともうひとつの輪になるが、この輪には表裏ができている。つまりメビウスの輪では表裏(内と外)が左右に「隣り合って」いたのだった。仮に自分の目を同じメビウスの輪状にして(どうしたらよいのかはまだ分からないが…)コイズミの表現の側面に添えてみると。と、不在と思えた裏面がこちらに滑り込み(というかこちらが裏側になってしまい)、気づくと一緒に回っているかもしれない。
(大倉宏/新潟絵屋)

コイズミアヤ展

PHOTO(上):「重なる箱_9」 2021年 15.9×15.5×h7.0cm

 旧作を通常の発表時とはちがうかたちで並べたり、制作に関わる思索や感覚について自由研究のようなまとめ(きれていないもの)を並べる展示を計画しています。日々の観察と類推、イメージの重なりが生まれるところや制作の経緯をご覧いただけたらと思います。主に木を素材にした立体作品、図面やドローイング、参考資料を出品します。(コイズミアヤ)

コイズミアヤ
1971年東京生まれ。94年武蔵野美術大学空間演出デザイン学科卒業。長岡市在住。
主に箱の作品を制作してきました。人やこの世界の成り立ちについての興味から、内側に向かって知ろうとすることが箱のかたちを用いた作品につながっていました。制作を続ける中で、箱(≒世界)の内と外、開くことと閉じることの関係は入れ替わり変容をはじめます。見えている世界の別の側面や別の生成の可能性について、制作を通じて取り組んでいます。不自由とも思える物体に無粋なまでにかたちを落とし込んでいくと、重さや手触り、その素材や大きさ(相対的でない、絶対的な大きさ)を持つが故に、未知の景色への手がかりが現れてきます。近年は同じテーマから、本や紐についての彫刻作品も制作しています。ホームページ


関連イベント

ギャラリートーク

7/31[土]18:00―19:00
会場:展示室2/定員:15名

*トークの記録映像を8月31日まで限定で公開します。

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コイズミアヤ


展示の様子と作品リスト
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<展示室1>
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1.
「聖なる山」2005 / 400×400×346mm /木
充満と空虚をめぐるドローイング「untitled5-1」2015 /紙・鉛筆/シート
充満と空虚をめぐるドローイング「untitled5-2」2015 /紙・鉛筆/シート
充満と空虚をめぐるドローイング「untitled5-3」2015 /紙・鉛筆/シート
「入る」2005 / 400×400×346mm /木
充満と空虚をめぐるドローイング「untitled9-1」2015 /紙・鉛筆/シート

2.
(『角川類語国語辞典』の序)/非売
①「行き先についてi」1999/木・アクリル・金具/220×220×h180ー220×440×h90mm
②「行き先についてii」1999/木・アクリル・金具/220×220×h180ー220×440×h90mm
③「庭-a.」部分1999/木・鉛・アクリルボックス/140×110×145mm/非売
④「庭-b.」部分1999/木・ミニカー・鉛・アクリルボックス/275×115×90mm/非売
⑤「庭-d.」部分1999/木・鉛・アクリルボックス/340×110×100mm/非売
⑥「山と家」2004/木・木粉粘土・アクリルボックス/380×260×h180mm
⑦「ひとつひとつの小さな通路 004」2005/木
⑧「空間に付随する 001」2005/木
⑨「空間に付随する 002」2005/木
⑩「a piece of a home as a body 01」2006/木/200×110×105mm
⑪「丘」2006/木/506×234×134mm
⑫「山と家 01」2006/木・アクリルボックス/200×200×150mm
⑬「器と塊01」2007/木/197×132×h167mm
⑭「crown」2008/木・ピアノ線/120×120×h90mm
⑮「増殖」 2008 w150×d606×h242mm/木・金具
⑯「周回的な塔」2010/木
⑰「求心的な塔」2010/木・ピアノ線
⑱「相貫する器」2010/木
⑲「しくみの内側のしくみ I 」2011 w492×d161×h192.5mm 木
⑳「しくみの内側のしくみ II 」2011 w602×d161×h200mm 木・ピアノ線
㉑「untitled」2011/木・建築模型材料
㉒「十字架の家」2011/木/300×200×h150mm
㉓「通過する」2012/木/168×270×h187mm
㉔「明滅」部分 2012/木/46×64×h20mm & 50×68×h20mm/非売
㉕「背後に聳える」の部分、丸い小さな構築物 2012/木/φ80×40mm/非売
㉖「一瞬見えるように」2012/木・和紙/220×35×h75mm
㉗「かぶさる箱2」2017/木(組み合わさった6つの箱)
㉘「かぶさる箱3」2017/木(組み合わさった8つの箱)
㉙「かぶさる箱5」2017/木(組み合わさった5つの箱)
㉚「かぶさる箱6」2017/木(組み合わさった5つの箱)
3.
「monad series」2008/ダイヤブロック/非売

<展示室2>
コイズミアヤ
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4.
「わのひも てっきょう」2015/各A4/鉛筆・紙/非売
「わのひも かめのこ・ゴム」2015/各A4/鉛筆・紙/非売
「Loop_かめのこのための図面」2016 方眼紙/非売
「Loop_かめのこ1/11」2016/180×250×h70mm/木・方眼紙・厚紙/非売
5.
(重ね書き_類語辞典とホフマンスタールの手紙に関連した散文)2021/ペン・紙・コピー/非売
6.
(ヒルマ・アフクリントが見ていたもの_『花・苔・地衣類』より)2021/ペン・紙・コピー/非売
7.
『点点(ぼちぼち)』vol.0〜3 /無料
8.
「重なる箱_9」 2021/木(組み合わさった5個の箱)


フリーペーパー『点点(ぼちぼち)』
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