中島尚子個展 「絵にならない今日の絵」

7/31[土]―8/9[月・振替休日]

niigata eya exhibition 615
作家在廊日: 7/31(予定)

 中島尚子さんは観察のひとだ。絵になりそうもないことを基準に日々モチーフを探し、身近な、ごくありふれたものを観察した結果、市販のお菓子、落花生、納豆に付録のからし、一輪のそうめん、力士などが絵になった。たとえば「からし」。見覚えのある色やプラスチック越しの肉感が、モノクロームの絵を見て鮮やかに蘇る。隣のからしの「し」の字が入り込んでいるさま、ありうる。絵から伝わる肯定の眼差しに安心する。求められず、捨てられることも多いからしの気持ちになった。絵は、ほぼ実寸サイズである。
 ほかにも、中島さんが得意とする動物や独自の視点がひかる木口木版画や顔彩、木炭画、「新潟島とその周辺 ギャラリー&ミュージアムマップ」の表紙を飾った木彫りのマトリョーシカをご紹介する。 (企画 井上美雪)

PHOTO(上): 「ホームパイ」 2020年 顔彩/色紙 7.6×7.6cm

中島尚子「ヨーグル」
「ヨーグル」 2019年 木口木版画 6.2×6.2cm 
中島尚子「からし」
「からし」 2019年 木口木版画 5.4×7.3cm 
中島尚子「n市風景之図 - 犬」
「n市風景之図 – 犬」2018年 木炭/木炭紙 32.5×50.0cm

中島尚子(なかしま なおこ)
1981年神奈川県生まれ。2006年武蔵野美術大学造形学部油絵学科版画専攻卒業。個展は、2013年「S邸庭之図」、14年「万物観察記録之図」、17年「美しい物日誌」、20年「きょうの観察」(art Truth/横浜)、14年「たからづくし」(長府毛利邸/下関)、15年「動物図鑑 」(CAFE&JAZZNACK郭公/長岡)、「宝日誌」(新潟絵屋)、18年「ふだんの日」(展示室showroom-Tokyo/雑司が谷)など。グループ展出品多数。木口木版画を中心に制作してきたが、近年は描画にも熱を入れている。


「そうめん」2019年 顔彩/色紙 6.1×36.4cm

「ほぼ絵にならない日々」をテーマに制作した木口木版画、色紙画、木炭画の作品展です。


▶ 中島尚子展「宝日誌」
▶ 動物もの