Light/ひかり 福井祐介展

10/2[土]―10[日]

niigata eya exhibition 619

 4年前の展示「Rain」では驟雨のような墨線が、2年前の「鉄海」では鉄粉のマグマの噴出を思わせる筆致が、なにかにまっすぐ向かい、ほとばしるエネルギーを感じさせた。鉄海と同時に展示されたモノタイプ作品では、そのスピード感がほどけながらも、直線の気配は残り続け、ゆるやかさのうちにふしぎなユーモアをかもしだしていた。
 ひかりと題された今回のドローイングは、雲のような不定形の要素がさらに増してきたけれど、まるみというよりは、まっすぐが、抵抗に行き当たってできた形に見える。COVID-19の感染爆発はハンガリーに暮らす福井の日々にも大きい影響をもたらしたらしい。現実の壁につきあたり、つきあたり、福井の絵はなお「直」を生きている。(企画者:大倉 宏)

PHOTO上: 「Steamed/蒸された」 2020年 墨・胡粉・砂・膠/和紙・キャンバス22.5×15.7cm

Light/ひかり 福井祐介展

福井祐介展

PHOTO:「Distanced / 間を置いた」
2021年 墨・膠/和紙・キャンバス 22.5×15.7cm


動画公開中

福井祐介展「ひかり」 展示作品を語る

初日の夜、出品作品について作家自身の声を聞きました。

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さらに…

「福井祐介の世界」

展覧会に先駆け、東京滞在中の福井祐介さんと、これまでの制作についてご紹介するリモートトークを行いました。小さい画廊の空間ではなかなか紹介しきれない、福井さんのスケールの大きな仕事の全体像に近づいていただける話になったと思います。(大倉 宏)

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協力:ツムジグラフィカ


福井祐介(ふくい ゆうすけ)
1971年富山市生まれ。91年よりハンガリー、ブダペストに滞在。98年ハンガリー国立ブダペスト美術大学絵画科修士課程修了。95~2006年ハンガリーヤングアーチスト協会会員。98年よりハンガリークリエイティブアーチスト協会会員。ハンガリー、オーストリア、日本などで個展、グループ展多数。パブリックコレクションーハンガリー国立ブダペスト美術大学、佐久市立近代美術館、Kiscell美術館(ハンガリー)など。
www.fukuiyusuke.com

福井祐介

PHOTO:「山」2021年 墨・アルミ箔・膠/和紙・キャンバス 22.5×15.7cm



PHOTO:「Distance/間合い」2020年 墨・胡粉・砂・膠/和紙・キャンバス 22.5×15.7cm


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