野中光正 展

7/30[土]―8/12[金]

作家在廊日:7/30.31
niigata eya exhibition 634

 52年前の夏、二十一歳の野中光正が東京の墨田区、江東区を歩き描いた素描を紹介したのが2005年。展示は評判が高かった。「その直後から、野中さんの絵は見えるもののなかに揺曳する気分の光と影を追って線へ、陰影へと抽象化され」と当時の紹介文に書いた。その抽象化の始まった時期の素描と、近作の抽象を今回は合わせて展示する。二人の野中光正が半世紀を隔てて向かい合う。
 抽象を抽象的に考えても答えは見つからない。絵画の抽象は個人の体験の中に生まれるのだということを、向かい合った絵の間で私も追体験したい。 (企画者:大倉 宏)

野中光正(のなか みつまさ)
1949年東京都生まれ。67年に絵画を、73年に木版画を始める。89年新潟県高柳町に移住し、紙漉を学ぶ。91年かやぶきの家(高柳)で個展、同年東京に戻る。以後、ゆーじん画廊、ギャラリーアビアント、ギャラリー枝香庵(東京)、高志の生紙工房ギャラリー、画廊Full Moon、砂丘館、新潟絵屋などで個展。2017年画集『昭和四十五年の夏・野中光正』、19年その続編『昭和四十五・六年』刊行。

PHOTO(上):「71.6.1」1971年 コンテ/紙 9.0×23.0cm

野中光正
PHOTO:「71.2.5」1971年 コンテ/紙 37.0×23.0cm

野中光正
PHOTO:「220629」2022年 混合技法/門出和紙 60.8×45.6cm


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