内田美代子展 Jouer au vent ~風遊ぶ丘~

12月2日sat―10日sun

vol.544 作家在廊予定日:12/2~10(毎日午後)

 新しい内田さんのアトリエの大きな窓からは弥彦山の昼夜、四季が飛び込んでくる。部屋の開口部は開放的で裏山とつながり、生活が自然と一体となっている。創作の場が替わったことで今回はどのような作品に巡り会えるのか楽しみに新作を見に伺った。
 一見抽象画に見える作品、でもそれは浜辺の砂の部分を一部切り取った面だと聞く。砂の上には何処からかたどり着いた流木や色ガラスの破片、打ち上げられた小魚や海草、そこに被る波と流れる風と日差し、それらが絡み合い空気感を作り出す。そんな空気を作り出すそれぞれの素材が、形を削ぎ落とされ、色や線を持ちキャンバスに一体となって現れる。
「これが小魚でね、これが流木でこれらが潮風なの」
 と聞くと確かに抽象画ではない事に納得。
 今までのテーマであった「食」からの変遷も垣間見る事ができる作品「鯖の日」は、作品をじっと見ていると伝わってくる空気感が以前同様私の胃袋を刺激する。同じ感覚に至るのに作品作風の違いがとても興味深い。今回はそんな新作も多数展示。内田さんが見、感じた空気感を、新たなアトリエで創作した作品とそこに至るプロセスともいえる作品の繋がりから感じるのもおもしろい。(企画 伊藤純一)

内田美代子I

内田美代子(うちだ みよこ)
神戸市生まれ。武蔵野美術大学造形学部油絵科卒。在学中フランス、ブザンソンのエコール・デ・ボザールにて人体をテーマとして油彩を学ぶ。1991~93年TEAFOLLIES(パリ)・ギャラリー砂翁(東京)・CHRISTIAN ALEXANDRE(ターンレイ)・エスパスLE MANS ASSURANCE(ブリュッセル)他各地で個展。96~99年MUSEUMNATIONAL D’HISTOIRE NATURELLEに出展他、パリを中心に個展。2001年新潟県弥彦村に移り住み、自然の中で創作をしながら、ギャラリー砂翁等で個展を続ける。新潟絵屋では3回の個展05年 「パリ・新潟の朝市から」、11年「Viva Degustation!」、13年「Source de vie」を開催、そのほか食にまつわるグループ展 「ターフェルアート展」に出品。

PHOTO(上): 「鯖の日 Jour de maquereau」2014年 岩絵具・アクリル絵具・クレヨン・グワッシュ/キャンバス 60.6×102cm
PHOTO(下): 「金麦 〈初夏〉」2014年 岩絵具・アクリル絵具・グワッシュ/キャンバス 60.6×102cm


関連イベント

12.3[日] 18:30〜
◆内田美代子さんを囲むオープニングパーティ
参加費2,000円/定員12人 要申込(新潟絵屋へメールまたは電話にて)

▶みるものとよいところ 会場のようす