七里知子作品展 杳杳(ようよう)

5/29[土]―6/9[水]

niigata eya exhibition 611

 七里知子の平面(油彩)がどんどん金属感を増してきた。そのことにぞくぞくする。明るく美しい平面―水に映った空のような絵を描く画家が、銅版画に熱中し始めたのを奇異に感じたことがあった。小さい闇の底に潜み、息づくものたちへの親近と、光を吸い込んで無限定の色の広がりを生む平面のつながりが見えにくかった。
 近作では油彩がまるで、銅版画ならぬ、銅板そのもののような金属的質感を帯び、また銅版画の方の画面も変わってきた。無限定の闇と光が、ひとりの心と体のなかで接触、反応し、あたらしい物質が生まれたような…。ある雨の夕暮れ、西の空を見ていた。雲の切れ目に顔を出した陽が数分部屋の壁を染め、没したとき、残された空に一瞬、金が生まれたように見えた。その金と七里の絵が重なる。(企画者:大倉宏)

七里知子(しちり ともこ)
京都造形芸術大学(現・京都芸術大学)大学院芸術表現専攻修士課程終了。06・07・09・11・12・13・14年Gallery MIYASHITA、06年きのとやカフェ(札幌)、15年Gallery&Space SIO(大阪)、16年アートスペース虹(京都)、14・16・18年新潟絵屋にて油彩作品の個展。恵文社一乗寺店、kit、ちせ(京都)、ブックギャラリーポポタム(東京)、マゼコゼ(長野)や北書店にてメゾチントによる小品を発表。

PHOTO(上): 作品:2021年 油彩・顔料ほか/シナベニヤに綿布 14.8×10.0cm

TOLEDO×七里知子

七里知子作品展
PHOTO: 作品:2021年 油彩、顔料ほか/シナベニヤに綿布 24.0×13.0cm

七里知子作品展 杳杳
PHOTO: 作品:「夜明け」 2021年 カラーメゾチント/紙 10.0×14.8cm


TOLEDO×七里知子

*会期終了後、一部の作品は新潟市内のインテリアショップに巡回展示し、通信販売サイトでのお取り扱いもスタートします。
6/12[土]―8/29[日]
会場:オーダーカーテンと家具・インテリア TOLEDO
新潟市中央区万代3丁目5-36 tel.025-255-5502
10:30―18:00/水曜定休/駐車場有
新潟絵屋での個展終了後、一部の作品を家具とインテリアのお店「TOLEDO」ショールームに巡回展示します。Porter’s Paintsの美しい色合いの空間で、絵のある暮らしのイメージをおたのしみください。会場風景と展示作品は新潟絵屋の通信販売サイト「eyashop」で公開。ご購入も可能です。

七里知子作品展 杳杳
PHOTO: 作品:2021年 油彩、顔料ほか/シナベニヤに綿布 23.0×16.0cm


▶ 七里知子 メゾチント作品展 @北書店画廊
▶ 七里知子個展 -Reverberation-
▶ 七里知子展 2016