6/2[木]― 13[月]
niigata eya exhibition 630
第45回全国町並みゼミ新潟市大会 が予定されており(6/11・12)、砂丘館では斎藤應志の昭和30年代の新潟の町(町並み)を描いた約400点の油絵を展示し(6/2―7/3)、新潟絵屋ではキャンバスの作品を紹介する。
斎藤應志の自宅兼アトリエは、海辺の高台(砂丘上)の、松林のそばにあり、市営住宅の一部を改装した家で、今も建設当初の名残をとどめている。大正期に建てられたその市営住宅は、洋風瓦の乗るモダンなデザインで、旧市街の市民の目には立地とあいまってまぶしく映ったに違いない。「洋画(油絵)」そのものも、まだ日本人にはまばゆかった時代である。
斎藤應志の絵の、ことに色の明るさは、そんな時代の「洋」の輝きを宿しているようだ。洋服も洋食も洋楽も、あまりにふつうとなりくすんでしまった今、一時代の前のその光が、逆に新鮮に、なぜか若々しく私たちの目に映じてくるのがおもしろい。(企画者:大倉 宏)
斎藤応志(さいとう おうし)
1903年中条町(現胎内市)生まれ。24年新潟師範学校卒業。戦前の民間主催の洋画公募展「新潟県展」(旧県展)の企画・運営に参画し、自らも同展に出品した。旧県展第1回で3点の作品が入選し、「選外特選」の「船」は市長賞を受賞。第4回で特選。白日会(大正13年創立)へ出品していた時代がある。戦後は中学校美術教師をしながら、新潟の風景や静物画を描き、数多くの個展を開催した。81年没。2019年新潟絵屋で弟との二人展「斎藤應志・鉄臣展」を、2020・21年個展開催。2021年に胎内市美術館で開催された「斎藤應志・鐡臣二人展」の圖録がこのほど刊行された。
PHOTO:「さざん花」制作年不明 油彩、キャンバス 27.3×22.0cm
PHOTO:「アマリリス」 制作年不明 油彩、キャンバス 22.0×27.3cm
PHOTO:「たそがれの西堀」 制作年不明 油彩、キャンバス 41.0×31.8cm
PHOTO:「造船」制作年不明 油彩、キャンバス 31.8×41.0cm
同時期開催
6/2[木]― 7/3[日]
「新潟の肖像 1955―70 斎藤應志展」
昭和30年代の新潟市を描いた作品群を一挙に展示します。
9:00―21:00/月曜休館/観覧無料
会場:砂丘館 新潟市中央区西大畑町5218-1
tel.025-222-2676
PHOTO(上から):「市役所の見える西堀」、「街の花賣り」、「紅い雲」、「焼け土蔵」
▶ 2021年 斎藤応志展 3
▶ 2020年 斎藤応志展 2
▶ 2019年 新潟の画家たち[前期] 斎藤応志・鉄臣展
▶ まちの日々180 vol.9『特集 新潟島』
斎藤應志さんの新潟の風景画をめぐる特集記事のほか、多彩な執筆陣が描き出す「新潟島」の記事が満載です。