企画展 niigata eya exhibition 586
前期 2019.12/14[土]―27[金]
後期 2020.1/15[水]―28[火]
『阿賀に生きる』のスチール写真を、映画の一場面と錯覚していた時期がある。その写真は、映画とともに今も生きているが、映画によりかかって生きているのではない。
個展毎に新たな面を見せる、村井勇の写真は、その都度の独特の対象への「ためらい」を息づかせていた。その微妙な距離感覚が、映画の質そのものでもあったことに気づく。ボケを共通項とする今回のシリーズもまた、「ブレ、ボケ」の語が、ことに写真を語るときに連想させがちな「荒」や「粗」ではない、映画がそうしたような、「とらえない/ためらう」力――力ではない力で、レンズの向こうに耳をすまそうとしている。(企画 大倉 宏)
村井 勇(むらい いさむ)
1961年東京都生まれ。88年より製作開始された記録映画『阿賀に生きる』で現場スタッフを務める。担当はスチール撮影。93年、記録映画『地域をつむぐ―佐久総合病院付属小海町診療所から』に撮影助手として参加。映画撮影終了後、単独で南佐久のお年寄りの姿を撮り続け、97年に新潟市万代リターナにて初個展「ぼちぼちいこか」開催。その後、98年長野、99年神戸、京都で巡回展を開催。新潟絵屋では2000・04・10・12・15年個展開催。新潟市在住。
◯作家在廊日:土日予定
村井勇写真展
「ツタエナイコトバ」〈後期〉
2020.1/15[水]―28[火]
後期もお見逃しなく!
ギャラリートーク
1/18[土]18:00-19:00
村井勇+聞き手・大倉宏(本展企画者/美術評論家)
- 会場:新潟絵屋展示室
- 参加費:500円(要予約)
- 申込:新潟絵屋へ電話またはメールでお申込みください。
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