泉谷眞知子展

12/2[水]―13[日]

niigata eya exhibition 600
作家在廊日:会期中毎日(予定)

 スイスの画家クレーは、学生たちに絵について語るとき、画面が四角い形をしている話から始めたという。
 泉谷眞知子の絵が、どこか私に絵ばなれして映るのは、その四角が、ほとんど意識されていないせいかもしれない。
 紙の四角ばかりでなく、素早い円弧状の線を重ねて生まれる色面が、さまざまな形に近づこうとすると、現れようとするその形の枠や輪郭から、絶えず逃れようとする本能をこの人の筆記具は持っている。形が形未満でありつづける空間では、色が色そのものとして、色に響き、溶け、重なり、共振し、美しい干渉縞を織りなす。描くことは、そのような場に反響するうつろう自分の内面の音律を聞き取ろうとすることだと、この人は感じているようだ。
 ある朝、そんな絵から顔を上げると、夜明けの窓から窓枠が消え、光が色を、色が光を打ち返す、見えないさざなみに目を洗われる気がした。 (企画者 大倉宏)

泉谷眞知子 (いずみや まちこ)
1950年新潟市生まれ。制作と共に35年にわたり絵画教室を続け、絵を通して子供から大人までの教え子たちと向き合ってきた。1997・2001年アトリエ我廊(新潟市)、2005年たけうち画廊(新潟市)、2012・16年新潟絵屋で個展。

PHOTO(上): 「2019.2.21」 色鉛筆・紙 15.8×22.7cm

泉谷眞知子 「2020.2.21」
PHOTO: 「2020.2.21」

泉谷眞知子展
PHOTO: 「2018.19.1」 色鉛筆・紙 14.0×18.1cm


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