5/15[土]―27[木]
niigata eya exhibition 610
作家在廊日:5/15・20(予定)
新潟絵屋で菅野くに子の絵を初めて紹介したのは2002年。19年前になる。今回が8回目。昨年の開催予定が、新型ウイルスの影響で一年先送りになり5年ぶりの個展になる。ちょうど15年前の展示の案内に、菅野の「黒」にひかれると書いていた。鮮やかで、楽しく、質感のゆたかで暖かく見える菅野の絵にひそむ黒に、その後もひかれ続けてきた。黒ではなく影色なのだと、近作を見て思った。
影がなければ心は平板になると言ったのはユングだが、菅野の世界の幸福感は、明るさや、楽しさに縫い合わされる影の色によって奥行きを得ている。その影がさらに深まってきた。広葉樹の巨きな幹と葉の深々とした色。前晩にベンチを描き加えたと見せられた日に聞いたけれど、その赤がなければ、引き返せないほどの深い影の谷が開いている。(企画 大倉宏)
菅野くに子(かんの くにこ):東京都生まれ。武蔵野美術大学油画科卒業後、リトグラフ、エッチングの制作を続ける。98年より手漉き和紙による制作を始める。2001年ガレリアグラフィカ(東京)、05・07年ギャラリー舫(東京)、09年アートスペースエリコーナ(いわき)、11年新発田市市民ギャラリー(第1回アート・ナウしばた)、mu-an(長岡)、12年ギャラリーゴトウ(銀座)、15・17・19年ギャラリーアビアント、02・04・06・08・10・13・16年新潟絵屋で個展。
PHOTO(上): 2021年 ミクストメディア 22.3×24.5cm
photo:「時が過ぎていく」 2021年 ミクストメディア 20.5×18.5cm
PHOTO:「窓越しの花」2021年 ミクストメディア 26.0×21.8cm
PHOTO: 「夜汽車」2021年 ミクストメディア 25.6×22.2cm