安田 洋 展

11/17[日]―30[土]

vol.586
作家在廊予定日:11/17・21・22・24・25・30 *21日以外は終日
Event 11/24[日] 15:00-16:00 ギャラリートーク

 「6月の風」と題された6曲の屏風が、私のギャラリーに持ち込まれた時、さわやかな風と、描かれた水面に漂う水草が優しく動くように感じた。私の五感に響く初めての感覚だった。
 東京から越後平野のど真ん中に移住して10年。 360度のパノラマが題材となり四季折々の身近な風景を描く安田洋さん。畑に咲く矢車草、夕焼けの越後平野。私たちのあたりまえの日々が、安田さんの手にかかると瑞々しく光り輝く。描き手の感性でいかようにも生かされる。安田洋の世界をご堪能ください。
 安田洋さんは、美術教師として後進の指導にも力を注いでいる。その傍ら「日本画の手引」を著した。恩師からも評価された一冊は誰でも理解できる内容だ。ぜひ一読いただきたい。(企画者:横木裕子/アートプロデュース環)

安田 洋(やすだ・ひろし)
1974年東京都生まれ。2001~03年佐藤国際文化育英財団奨学生。03年武蔵野美術大学大学院日本画コース修了。個展は06年ギャラリーゴトウ(銀座)、 08・10・12・13・15・17年銀座煉瓦画廊、18年二代目アートサロン環、など。2000年臥龍桜日本画大賞展入選(同01・05年)、01年東海テレビ墨画展奨励賞受賞。2010年新潟県燕市に移住。furinsha.blog78.fc2.com

安田洋
PHOTO: 「六月の風」 140×252cm


安田洋
PHOTO: 「茄子畑」 87.3×94.0cm<

関連イベント

11/24[日] 15:00-16:00 ギャラリートーク

  • 話し手:安田洋
  • 聞き手:横木裕子(「安田洋展」企画者)・大倉宏(美術評論家)
  • 会場:新潟絵屋展示室
  • 参加料:500円(要予約)
  • 申込方法:新潟絵屋へ電話またはメールでお申込みください。

安田洋

PHOTO: 「山茶花」


安田洋日本画の手引き

 初心者にも分かりやすいよう解説した日本画の技法解説書。日本画教室指導の中で訊かれてきた疑問に答え、画材、制作、写生、模写の基礎、日本画独特の表現技法や考え方の背景などを丁寧にまとめた一冊です。

著者:安田洋 A4版/92ページ
2,500円+税

安田洋 201911

渡辺雪子展

11/2[土]―10[日]

vol.585

 新井郷川に近い渡辺雪子さんの家は、ゆるやかな仕切りで、隔てるというより繫がるようにつくられた空間に、おそろしくたくさんのものが溢れているが、それでいて雑然の感じがなく、住み手に何が、どこにあるか、しっかり把握されているような気持ち良さがある。
 渡辺さんは40歳を過ぎてから本格的に絵を学び、長年制作を続けてきた。その抽象 空間も、激しい筆致の筆が画面を走りながら、やはり雑然に似た整然があって、美しい。そこが、少し物足りないと感じて見ていたら、部屋が地震でくずれたと感じさせる絵があった。抽象というより、風景や人間など、具体的なイメージにかき回されたような画面で、心地よさを越えた躍動がある。美しい絵もいいけれど、こういう、事件とも言うべき絵も描く、そこが画家としての、渡辺さんの魅力だと思う。 (企画:大倉 宏)

渡辺雪子(わたなべ ゆきこ)
1940年新潟市(旧北蒲原郡長浦村)生まれ。 85~91年人体デッサン等を学ぶ。91年武蔵野美術学園修了。97年~自由美術協会に出品。個展は、99年千駄木画廊(文京区)、2002年ギャラリーさくら(羽村市)、2010年コートギャラリー国立(国立市)、15・16年K’sギャラリー(京橋)、19年ギャラリーHAFU(新潟市北区)など。

渡辺雪子
PHOTO:「景」 2012年 ミクストメディア/紙 32.0×24.0cm


渡辺雪子
PHOTO:「Romance 2002」年油彩/キャンバス 60.0×49.0cm 


渡辺雪子 201911


TOLEDO×髙橋ノリユキ

11/30[土]まで開催中

絵のある空間コーディネートeto

インテリアショップのショールームで、季節ごとに絵のある空間をコーディネートさせていただいております。現在は、髙橋ノリユキさんの田んぼから季節の移ろいを感じ撮った「Rice is Beautiful」、田んぼまわりの身近な喜びをとらえた「Village」をご覧いただけます。高山ウッドワークス、USM、 vitra、artekなどの家具、Porter’s Paintsの美しい色合いの壁面に作品を組み合わせました。とても素敵なお店です。ぜひお気軽にお訪ねください。

会場:オーダーカーテンと家具・インテリア TOLEDO
新潟市中央区万代3丁目5-36 TEL.025-255-5502
営業時間/10:30~18:00 定休日/水曜日・駐車場有

トレド


▶ 髙橋ノリユキ写真展「Rice is Beautiful」@ギャラリーみつけ【2019年7〜8月/終了】

「イメージと抽象」

「イメージと抽象」佐佐木實・湊雅博

佐佐木實・津田真帆・中島佳秀・湊雅博

10/17[木]―30[水]

exhibition vol.583

 抽象的は、具体性がなく、よく分からないという意味で言われる。イメージは抽象的なものを具体的に伝えようとして使われる。けれど、たとえば中島佳秀の絵は、ケーキというイメージを描きながら、とても抽象的に(=何の絵なのか分かりにくく)見える。
 イメージと抽象の境はどこにあるのだろう。
 デュブーシェは言う。「イメージの火、それは、またもういちど、遅れだ。過剰な生のうえで燃え、尽きさせる遅れ」…「その尽き果てるときへとたどりついたイメージ。たどりつく、おびやかされゆれている終わりへと」…「その尽きるぎりぎりのはしで、イメージは始まる。奇妙な瞬間だ」。
 ケーキ(というイメージ)が燃えて尽き、中島の絵(というイメージ)が始まる、瞬時の、目をみはるような転換、変容が、抽象なのだと思う。
 そんな跳躍を、ここに紹介する4人の表現はみな生きている。 (企画者:大倉 宏)
*引用はアンドレ・デュブーシェ「イメージ、尽き果てるときに」(吉田加南子訳)より


イメージと抽象 佐佐木實 「イ」
PHOTO: 佐佐木實 
左/「イ」 2018年 鉛筆・色鉛筆・木炭・パステル・水彩・インク/紙 67.0×53.3×2.7cm
右/「イ」 2019年 鉛筆・色鉛筆・インク・ビール/紙 99.2×51.2cm
佐佐木 實(ささき みのる)
盛岡市生まれ。東京藝術大学大学院修了(美学)。フランス国立社会科学高等研究院博士課程言語学専攻修了。制作と学問の双方から言葉/文字を記す行為に向かいあい、近年は『ヒ象る』『イ充つ』など一つの片仮名から着想を広げインスタレーション性の強い作品を制作する。 2011・14・15・17年新潟絵屋で個展開催。
www.minorusasaki.com

イメージと抽象 津田真帆
PHOTO: 津田 真帆「明るさへ向かう花」2019年 ミクストメディア/紙 19.5×19..5cm
津田真帆(つだ まほ)
1966年東京都生まれ。東京藝術大学卒業。子どもの絵画・造形教室に携わる。装丁・挿絵の作品に 『デ・ラ・メア物語集』、絵本に 『巨男/おおおとこの話』『うずまき・うずまき・かたつむり』『あかちゃんがいるの!』、『わたしのあかちゃん』、『あきですよ』がある。2006・08・10・12・14・17年新潟絵屋で個展開催。

イメージと抽象 中島佳秀 cakes
PHOTO: 中島佳秀 「cakes」 2017-2019年 ミクストメディア/紙 21.0×29.7cm
中島 佳秀(なかじま よしひで)
1975年京都市生まれ。都市計画・建築を学んだ後、独学で平面の制作を始める。2008年より個展を中心に平面作品の発表を行う。2010・11・16・17年新潟絵屋で個展開催。 www.instagram.com/yoshihide_nakajima/

湊雅博 FUSION
PHOTO: 湊雅博「FUSION」ゼラチン・シルバープリント 23.5×23.5cm
湊 雅博(みなと まさひろ)
写真家としての作品制作する傍らディレクターとして風景に係わる写真家の新たな表現と可能性を表象する「リフレクション」展を開催。本年5月には自身の作品集『FUSION:環』を刊行し森岡書店銀座店で記念展を開催する。www.masahirominato.com


関連イベント
ギャラリートーク
10/25[金] 19:00-20:30
抽象=抽(ひ)き出し象(かたど)ること。その一枚の絵、写真において、何から、何が引きだされ、何が象られたのかー4人の表現で考えます。

  • 話し手:大倉宏(「イメージと抽象 展」企画者/美術評論家)
  • ゲスト:佐佐木實・津田真帆・湊雅博
  • 会場:新潟絵屋展示室
  • 参加料:1,000円(要予約)
  • 申込方法:新潟絵屋へ電話またはメールでお申込みください。

イメージと抽象 中島佳秀 cakes
PHOTO: 中島佳秀 「cakes」 2017-2019年 ミクストメディア/紙 21.0×29.7cm


作家在廊予定日
佐佐木實:10/17・25・26
津田真帆:10/25・26
中島佳秀:10/20
湊雅博 :10/25・26

安藤喜治写真展 「Stand Still」

10/2[水]―10[木]

Open eya

 ブログ「Yoshi-Aの写真の楽しみ」では、「瞬きをするようにとりたいです。ぼつぼつ撮った写真をできれば、毎日。」と自己紹介している安藤さん。個展を開くことは、ひとつの作品にまとめることでもある。今回はどんな作品になるだろう。「Stand Still」は「じっと立っている」の意味。

安藤喜治写真展「Stand Still」


会期中の作家のブログ


小木曽瑞枝展「山々/こちら側とあちら側」

9/17[火]―30[月]

vol.583

作家在廊予定日 9/17・28

 小木曽瑞枝さんは、遠回り上手だ。制作に時間がかかる。テーマに向かいながら長い回り道に近くや遠くのものをよく観察して、広く思考をめぐらせた末に作品を完成させる。
 新作には2面がある。「鏡を境にあちらとこちらの背景はさかさまになってしまう」「いつでもどこでも、見えている側と見えていない側」――こんな考えごとをしながらできたのが今回の作品。
 前回の個展「前上下左右後」では、それまで壁に固定してきた作品が置きもの化した。新作では、それと共通する点もあるけれど、似て非なる。絵屋の展示室に出現する山々をおたのしみに。(企画 井上美雪)

小木曽瑞枝(おぎそ みずえ)
1971年東京都生まれ。96年東京芸術大学大学院修了。平成19年度ポーラ美術振興財団在外研修員としてスウェーデンに滞在。風景の観察を通じ、未知と既知の狭間にある世界観を平面や立体、インスタレーション作品として発表。2010年「祝祭」(ポーラミュージアムアネックス)、12年「虹の彼方」(府中市美術館)、15年「前上下左右後」(新潟絵屋)、16年「何処でそれを失くしたのかこころあたりはありませんか?」(ギャラリーみつけ)、18年は金沢・ガレリアポンテにて個展。東京、神奈川、群馬、長野、愛知、広島、兵庫、熊本の病院などにパブリックアートがある。

PHOTO(上左): 「Mountain/11.6.2019(仮)」2019年 アクリル絵具/シナ合板 17.0×11.0×1.5cm
PHOTO(上右): 「Mountain/7.6.2019(仮)」2019年 アクリル絵具/シナ合板 18.5×12.0×1.5cm

小木曽瑞枝展
ogiso mizue
ogiso mizue


関連情報 
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小木曽瑞枝 × 青松ワークス「Round-scape 03」

青松ワークスの木工製品に、小木曽瑞枝さんが制作したパーツを組み合わせました。パーツは凧紐に吊られた円盤ごと回転します。

小木曽瑞枝青松ワークス

2015年
パーツ:アクリル絵具/シナ合板
土台:ニレ  
円盤:アルダー 
支柱:ラミン 
木球:ブナ
16.0×16.0×27.0cm
24,000円+税