北書店画廊 梅田恭子展「ツブノヒトツ」

2月29日mon―3月19日sat

vol.475

連作銅版画「ツブノヒトツヒトツ」(全105 点)は、梅田恭子の2003 年の作品。それから10 数年後の現在のドローイング、モノタイプの作品を市役所前の書店・北書店の一角で紹介します。キャンバスの絵は、うすく溶いた油絵の具で描かれ、モノタイプ(一点ものの版画の意味)は、版に描いた絵を、絵の具が乾かぬうちに紙に転写したもの。「ヒトツヒトツ」から「ヒトツ」が一つ抜け、「ヒトツ」(作品の個)がさらに際立ってきました。(絵屋)…もっと読む(外部リンク)

北書店画廊

平日:10時~20時、土曜:正午~20時、日曜休
会場:北書店/新潟市中央区医学町通10-1ダイアパレス医学町101
主催:新潟絵屋、北書店

2016.3.12ギャラリーみつけオープン

見附市のにぎわい創出を目指したギャラリーが開館します。

ギャラリーみつけ開館記念「池山阿有展」3/12(土)〜27(日)1階展示室・2階展示フロア

・作家ギャラリートーク 3/12(土)13:00〜

10:00〜21:00(入場受付20:30迄。3/12は記念式典のため11:00〜)

休館日:3/22 入場無料 駐車場完備 見附市昭和町2-4-1 0258-84-7755

https://www.gallery-mitsuke.com

Gallery staff
小見秀男(館長)新潟絵屋理事、元新潟県立近代美術館学芸課長
外山文彦(副館長、企画運営担当責任者)新潟絵屋企画委員、アトリエZen代表、美術作家
小沼智恵利(学芸員、事業企画担当)版画家

見附市が公募したギャラリーの指定管理者(2015.11~2018.3)に、新潟絵屋・新潟ビルサービス共同企業体が選出されました。
今後、さまざまな催しを開催していきます。
リーフレット 展覧会スケジュール面

ギャラリーみつけ外観

■ 新潟市こども創造センター×新潟絵屋 出前講座
ギャラリーみつけ開館記念ワークショップ「新聞紙でオリジナル動物を作ろう」
3/19(土)10:00〜12:00 
定員15名/講師:浅井俊一・小林美果(新潟市こども創造センター)
昨年は新潟市こども創造センターさんを会場に新潟絵屋の共同企画体験事業を4つ行ないましたが、今回は、こども創造センターさんで好評の体験を見附市に出前に。繊維産業の町・見附ならではの材料も用います。申込はギャラリーみつけへ(0258-84-7755)。

新聞紙でオリジナル動物を作ろう

藤井芳則 「カミモッコ」展

 2月19日fri―28日sun

vol.485

藤井芳則藤井芳則

 藤井芳則は、知り合った十数年前は建築の装飾絵などを手がける「絵師」で、即興の切り絵の魔法で、まだ小さかった私の子供たちを憧れさせた。2000年代に数度絵屋で個展をし、亀田に自分でもギャラリーを開いた頃から、「大地の芸術祭」などの波で新潟に押し寄せるようになった「現代アート」の場に、積極的に発表をはじめた。最近では、前山忠が大地の芸術祭で松之山の民家を活用して作ったギャラリーYUYAMAでのグループ展で、屋根裏の一室に幻想的な「のぞきからくり」ならぬ「のぞき河岸段丘の雪景色」を作り、去年の弥彦の野外アート展ではすすきで拵えた原人「ヤーヒー」をやぶのなかに出現させたが、どちらも秀逸だった。
1970年代の新潟に「現代美術の波」を起こした前山との結びつきが面白いけれど、前山が東京で波の洗礼を最初に受け、東京への対抗を意識して活動したのと違い、どこで発表しても、新潟の町絵師である「チャックさん」が変わらずそこにいるという感じがする。時代の違いでもあるだろう。
久々の新潟絵屋での展示だ。個展などで残る案内ハガキを細く切って「毛」にしたものを、いろんなものに化けさせる。その膨大な毛を藤井さん自身がはさみで一本一本切り出す。「美術」を通過して進化した絵師の幻術を、ご覧あれ。(企画 大倉 宏)

藤井芳則 (ふじい よしのり)
1962年新潟市生まれ。88年から新潟市を中心に飲食店・ブティック・アミューズメントなどの壁画、オブジェの制作を手がける。2005・07・09年新潟絵屋、13年柏崎市・游文舎ギャラリー、15年ギャラリーゆうむで個展。アート・ウォッチング 自由な眼差し、越後妻有 大地の芸術祭 雪アートプロジェクト、弥彦野外アート展、ブルースカイプロジェクト国際美術展、「藤井芳則VS関根哲男」出品など。08年gt.moo gallery(江南区旭)を経営する。11年NIIGATAオフィス・アートストリート最優秀賞受賞。

▶みるものとよいところ 会場のようす①
▶みるものとよいところ 会場のようす②

桑山戯魚 書展 —ひな百句と—

2月2日tue―11日thu祝

vol.484

桑山戯魚 在廊日:2/11

 クリスマスにハロウィンとよその国のお祭りに乗っかって騒いじゃう日本人。でも今にはじまったことじゃない。桃の節句だって、元はと云えば中国に起源。端午の節句に対して上巳(じょうし)の節句と呼ばれていた。平安時代は体内に溜まった厄や穢(けが)れを形式に移し、身を清める日だった。それが時代が下がるにつれ、白いぺなぺなの人形(ひとがた)は豪華な段飾りの人形へ、女の子の健やかな生長と幸福を願う祭りへと変化していった。
そんな原点に心を寄せつつ、生命を、命を生み出す女性を寿ぐ日として、雛の日を祝いたい。成長がますます楽しみな桑山戯魚の活きのいい書を中心に、陶の星野貴代、金工の阿部信子、松本健宏は土人形と、個性豊かな面々が会場を彩り、戯魚の書による俳句結社「童子」のひな百句が春の豊穣と陰影をうたう。
(企画 田代草猫)

桑山戯魚(くわやま ぎぎょ)
1965年新潟市生まれ。88年新潟大学教育学部特別書道科卒業。2008年新潟三越にて個展。現在、公益財団法人書壇院評議員、新潟県書道協会理事、新潟市美術協会理事、新潟県美術家連盟会員。書道教室の運営や新潟大学教育学部附属新潟中学校非常勤講師を務める。2016年1月東京都美術館 「TOKYO書2016 公募団体の今」出品。

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賛助出品

阿部信子

(金工)阿部信子
1966年新潟市生まれ。ジュエリーをメインに金属工芸の作品を制作。97年以降、日本クラフト展、日本ジュエリーアート展などにコンテンポラリージュエリーの作品を出品。2004・08年新潟絵屋、15年やまぼうし(秋葉区)で個展。アトリエNOVI主宰。15年ニカイギャラリー(中央区沼垂)オープン。

星野貴代

(陶)星野貴代
1974年新潟市生まれ。99年佐藤公平氏に師事。2001年新潟市(旧中之口村)に開窯。02年〜15年ギャラリー栞、05年アートスペース・ガレリエ、09・11〜14年ギャラリー炎舎、15年ギャラリーゆうむ、シロネプレッソにて個展。

松本健宏

(人形)松本健宏
1967年京都府生まれ。京都精華大学テキスタイル科卒業。京展工芸部門京都市長賞など受賞。2010年~山奥の民家を譲り受け京都市内から通い、山と都会の暮らしとを続けながら染色と人形の造形に励む。07・11・14年新潟絵屋で個展。京都工芸美術作家協会会員。

「墨・絵」展

 2016年1月11日mon/holiday―20日wed

vol.482

 学生のころ、講義で墨絵(水墨画)の誕生の物語を教えられた。
 中国の唐代末期、世の中が混乱した時代に奇矯な画家たちがあらわれた。酒を飲み、歌い、騒ぎ、興にのって墨を紙にぶちまけ、手や脚でなすり、長髪の毛も筆にしてあばれまわる。ところが絵ができあがり、画家がわずかに筆をいれると墨の跡は見事な山水画になり、墨汚(ぼくお)をいささかも残さなかったという。アメリカの抽象表現主義の画家たちの制作ぶりと重なる逸話に、そのとき、この目で見たような気のした画家たちの「制作光景」はいまも心に焼き付いている。
 墨絵は禅宗とともに日本に入り、盛衰をくり返して現在にいたる。モノクロームという地味な一面をもちながら、心を妖しく揺らす魅力があるのは、その起源に、上記のような「自由」そのものの体験があるからではないだろうか。色彩画家である橘三紀のアトリエで、思いがけず墨一色の絵を見せられたとき、新潟絵屋で発表している画家たちの、墨の絵だけを並べてみるというアイディアが浮かんだ。
 それから日をおかず、5人の画家たちにお願いして開催することになった 「墨・絵」展。色のない空間にどんな自由の風が吹くだろう。
(企画 大倉 宏)

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料治幸子 「ドローイング」
料治幸子 「ドローイング」2013年 墨・紙 39.0×27.5cm

橘三紀 「バラ図」
橘三紀 「バラ図」2015年 墨・紙 63.5×48.6cm

渡辺隆次 「エノコログサ」
渡辺隆次 「エノコログサ」2013年 墨・紙 52.5×36.5cm

しんぞう 「神の犬」
しんぞう 「神の犬」2015年 墨・紙 20.4×37.4cm

小林春規 「船」
小林春規 「船」 2015年  木版・紙 26.0×36.0cm

小島隆子コレクション展

 1月22日fri―31日sun

vol.483

 小島隆子さんは明るく、はつらつとした人だった。そしていつも玉のような目をしてものを見ていた。
 父は銀行で佐藤清三郎の同僚だった小島一弥さん。一弥さんは市井の思索家、哲学者のような人で芸術に関心が深かった。同じく同僚の田部直枝さんが、佐藤哲三の支援をし、退職後自宅を改装して画廊を始めたのも、一弥さんの影響があった。隆子さんと私が最初に会ったのも、その「画廊たべ」でだったという気がする。
 隆子さんも退職後、画廊を始めたい気持ちがあったようで、電話で相談を受けたことがある。私は積極的に勧めなかった。画廊を真剣にやろうとすれば、どれほど陰でエネルギーを使わなければならないかを、当時つくづく実感していたせいもあった。
 あんなに元気だった小島隆子さんが、急逝され、弟の春生さんと電話でお話し、残された絵を一括してお預かりすることになった。春生さんのご了解もいただいて、砂丘館でその全体を見ていただき、ついでその一部を絵屋で頒布させていただくことにした。絵を愛し、絵屋を応援して下さってもいた隆子さんの思いを汲んでいただける方々に、大切にしていただけるとうれしい。なお春生さんによれば、絵の半数以上は一弥さんが買われたものだろうとのこと。父娘二代の、絵を愛した親子の選んだ絵ということになる。
(企画 大倉 宏)

小島隆子 (こじま たかこ)
1942(昭和17)年2月9日小島一弥、節子の二女として新潟市中大畑町にて出生。1949(昭和24)年小田原市に移住。1952(昭和27)年横浜市に移住。1960(昭和35)年ソニー入社。1975(昭和50)年川崎市に移住。1997(平成9)年ソニー退社。その後は好きな美術・芸術に多くの時間を費やす。2014(平成26)年逝去。享年72歳

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三浦逸雄
三浦逸雄 題名制作年不明 油彩・キャンバス F6

本間吉郎 「瓢湖の夏」
本間吉郎 「瓢湖の夏」1979年 孔版画 18.5×25.9cm

山上嘉吉
山上嘉吉 題名制作年不明 油彩・キャンバス F8

出品作家 (予定)
安泰・上野誠・上野酋・小野忠重・高良真木・徳本恭造・東本つね・早川昌・平松敬子・本間吉郎・三浦逸雄・村國豊・山上嘉吉・横田海・T. Ohkawa・T. Hiraiwaほか
※頒布価格は3,000~10,000円です。
※複数の方がご希望の作品は、会期終了後抽選となります。