Report 「清五郎に住む  ふしぎな生物をつくろう」

 11/18[土] ▶新潟市こども創造センター

講師:藤井芳則

今年藤井さんが台湾でも行った、空想の生き物創作と影絵遊び体験。「清五郎」は、会場の施設が立地する地名です。付近には、鳥屋野潟から通じる清五郎潟があります。5歳〜11歳までの参加者たちは、そこに暮らす生き物を想像して、プラスチック板に絵を描き、切り取り、ストローや専用ハトメで動く細工をし、清五郎潟の水中に見立てた幕に生き物を映し出して遊びました。そこでは、明るいラオスの民族音楽が流れ、影絵は幻想的でした。細工を手伝う藤井さんの手業を見て、目を輝かせるこどもたちの姿も印象的でした。 (新潟絵屋・新潟市こども創造センターの連携企画)

清田悠紀子展

1月22日mon―30日tue

vol.546 作家在廊予定日: 1/26、27、28

 清田悠紀子の描く、人と人のいる光景は、若さにまつわる一途さと、危うさと背中合わせの光と、見えにくい闇を、ひとかたまりに掬いだしている。移植ごての上の一握の土のような新鮮な宇宙を感じる。
 ここに掲げた一枚の素描は、思いに耽るような、上目使いに何かを見据えるような、高ぶる感情につかれるような、目から口にかけての濃密な表情が強烈だが、しかしこの画面で同じくらい強く語りかけてくるのは、粗めになぞられた髪の線や、白を重ねた服の面、染みのにじむ紙のテクスチュアといったものなのだ。さまざまな異なるものが、土の粘度で密着し、一枚の絵にさらされている。
 ほかの作品に見られる写真のソラリゼーション(部分的にネガとポジを反転させる)的な描法や、水玉模様で描かれざる面を妖しく揺曳させる手法も、「法=技法」であることを踏み越えて、見る者の心情を動かす。
 清田が描く人は、女子の身体なのだが、絵の空間では主に見られるものとして存在してきたそれを、見えざる側から裏返そうとする、射程の長い覚悟が、この人の絵のあらゆる細部にひそんでいる気がする。
(企画 大倉 宏)

清田悠紀子展

清田悠紀子(せいた ゆきこ)
1977年新潟市生まれ。2002年岩手大学大学院農学研究科修士課程修了。06年武蔵野美術学園造形芸術科絵画専攻研究課程修了。06年より個展10回、グループ展多数。08年第10回雪梁舎フィレンツェ賞展 入選(雪梁舎美術館)。16年第51回昭和会展 ニューヨーク賞受賞(日動画廊)。現在、日本美術家連盟会員、武蔵野美術学園講師、新制作展出品。

PHOTO(上): 「蜉蝣」2017年 
PHOTO(下): 「死と少女のエチュード」2017年 アクリル・鉛筆・コンテ・油彩/キャンバス F3号


関連イベント

1.26[金] 18:30〜19:30 参加費500円 申込不要
◆清田悠紀子ギャラリートーク 「人物を描くこと」
聞き手: 大倉 宏

三瓶初美展

1月12日fri―20日sat

vol.546 作家在廊予定日: 1/12~14、19、20

 東京に住む三瓶初美さんと、銀座で落ち合って、今度の個展に出品をしたいという絵を見せてもらった。
 ルノアールという喫茶店の一角で、絵を広げていたら注文したコーヒーが運ばれてきた。今回の三瓶さんの絵もコーヒーで描いたということで、コーヒーで描くということがどういうことか、詳しく聞きそびれてしまったが、それは私が絵には関心があるが、技法や描き方に、あまり興味がないせいかもしれない。インスタントコーヒーの粉を顔料にしたということだったような気がする。コーヒー色の絵は喫茶店のざわめきと、運ばれてきたコーヒーの香りと味に溶け込んで見えた。
 絵を預かり、新潟で撮影しようとしていたら、窓から朝日が差し、絵を照らした。一瞬、なめらかで艶のある絵肌が生き生きと輝き、コーヒーの香りが匂いたった。日の出とコーヒーの香りが運ぶ幸福の一瞬が、絵の姿でそこにあった。
 作者と絵を親子になぞらえる人があるが、むしろ姉妹や兄弟に近いのではないかという気がする。絵を描く時間の楽しさで、弾むように生きている、三瓶さんの双子の妹があらわれて、澄んだ笑い声をあげたようだった。(企画 大倉 宏)

三瓶初美展

三瓶初美(さんべ はつみ)
東京都生まれ。上野の森美術館大賞展、川の絵画大賞展(加古川)、風の芸術展(枕崎)、熊谷守一大賞展、上海アートフェアに出品。2013・15・17年ギャラリー島田deux(神戸)で個展。

PHOTO(上):「風は回転扉」2017年 アクリル/キャンバス S20号
PHOTO(下): 「風は回転扉」2017年 アクリル/キャンバス S20号


関連イベント

ギャラリー&ミュージアムマップ 12/20 2017~1/25 2018

私たちは、画廊や美術館を巡るひとが増えるにはどんな環境が必要か、考えています。
2008年創刊、毎月無料配布の情報冊子です。

新潟島とその周辺のギャラリー&ミュージアムマップ | gallery & Museum Schedule 2017.12-2018.1

2017年12月20日(水)- 2018年1月25日(木)

Erika’s Room yamatani hideaki

12月12日tue―20日wed

vol.545 作家在廊予定日:12/12.15〜17.20

 絵屋の一角に、銅製のシェードランプがある。ごつい金具の下に細いコイルが巻かれ、渦は部分的にハンダづけされ少々危うい感じでひと塊りを維持している。「処理をしない方針」と聞いた。溶接やハンダづけの工程で、肉が盛り上がったようになる溶加材が美しいのだと。日が暮れると、ささやき声のような明かりが灯る。2014年のheya展でBOTTEGA GIRASOLE_山谷秀昭が発表した作品のひとつだ。
 今回の個展では、山谷が同居している架空の女性Erikaのある日の部屋を形にし、そこへみなさまをお迎えする。Erikaは1960年代にヘルシンキに生まれたフィンランド系イタリア人。5歳から12歳まで祖母の郷里青森で育つ。両親離婚。母の故郷イタリア、ミラノに移住。19歳で結婚。女の子を出産。23歳で離婚。仕事はキャバレーダンサー、秘書、演劇役者、トラック運転手、ファッション誌エディター、ウエイトレス、レストラン経営、会計士などの経験がある。現在、パリ郊外に暮らしている。もっといろいろ聞きたい気はするが、作品を見て、Erika像をおもいたい。作品は明かりの形態が主。「FRAGILE」と書かれたテープも材料のひとつだ。
(企画 井上美雪)

山谷秀昭

山谷秀昭(やまたに ひであき)
1954年三条市(旧下田村)生まれ。東京デザインスクール卒業。95年「BOTTEGA GIRASOLE(ボッテーガ・ジラソーレ)」ブランド設立。鉄とガラスの可能性をコンセプトに照明を主体とするデザインアートの制作を始める。ミラノフォーリサローネ出展、東京国際家具見本市出展、ミラノと新潟を拠点に作品を発表。新潟での個展は2003・12年新潟絵屋、06・08年画廊Full Moonなど。新潟絵屋でのグループ展、02年「あかり展」、13年 「ナイトエヤ」、14年 「heya展」出品。新潟デザイン専門学校非常勤講師。プロダクトデザイナー。2016年3月には食のブランド 「轍」を立ち上げた。

PHOTO(上): Height: 385cm/B:94cm・W:63cm・H:120cm
PHOTO(下): 2014年 鉄・布帛・ボタン H87cm

内田美代子展 Jouer au vent ~風遊ぶ丘~

12月2日sat―10日sun

vol.544 作家在廊予定日:12/2~10(毎日午後)

 新しい内田さんのアトリエの大きな窓からは弥彦山の昼夜、四季が飛び込んでくる。部屋の開口部は開放的で裏山とつながり、生活が自然と一体となっている。創作の場が替わったことで今回はどのような作品に巡り会えるのか楽しみに新作を見に伺った。
 一見抽象画に見える作品、でもそれは浜辺の砂の部分を一部切り取った面だと聞く。砂の上には何処からかたどり着いた流木や色ガラスの破片、打ち上げられた小魚や海草、そこに被る波と流れる風と日差し、それらが絡み合い空気感を作り出す。そんな空気を作り出すそれぞれの素材が、形を削ぎ落とされ、色や線を持ちキャンバスに一体となって現れる。
「これが小魚でね、これが流木でこれらが潮風なの」
 と聞くと確かに抽象画ではない事に納得。
 今までのテーマであった「食」からの変遷も垣間見る事ができる作品「鯖の日」は、作品をじっと見ていると伝わってくる空気感が以前同様私の胃袋を刺激する。同じ感覚に至るのに作品作風の違いがとても興味深い。今回はそんな新作も多数展示。内田さんが見、感じた空気感を、新たなアトリエで創作した作品とそこに至るプロセスともいえる作品の繋がりから感じるのもおもしろい。(企画 伊藤純一)

内田美代子I

内田美代子(うちだ みよこ)
神戸市生まれ。武蔵野美術大学造形学部油絵科卒。在学中フランス、ブザンソンのエコール・デ・ボザールにて人体をテーマとして油彩を学ぶ。1991~93年TEAFOLLIES(パリ)・ギャラリー砂翁(東京)・CHRISTIAN ALEXANDRE(ターンレイ)・エスパスLE MANS ASSURANCE(ブリュッセル)他各地で個展。96~99年MUSEUMNATIONAL D’HISTOIRE NATURELLEに出展他、パリを中心に個展。2001年新潟県弥彦村に移り住み、自然の中で創作をしながら、ギャラリー砂翁等で個展を続ける。新潟絵屋では3回の個展05年 「パリ・新潟の朝市から」、11年「Viva Degustation!」、13年「Source de vie」を開催、そのほか食にまつわるグループ展 「ターフェルアート展」に出品。

PHOTO(上): 「鯖の日 Jour de maquereau」2014年 岩絵具・アクリル絵具・クレヨン・グワッシュ/キャンバス 60.6×102cm
PHOTO(下): 「金麦 〈初夏〉」2014年 岩絵具・アクリル絵具・グワッシュ/キャンバス 60.6×102cm


関連イベント

12.3[日] 18:30〜
◆内田美代子さんを囲むオープニングパーティ
参加費2,000円/定員12人 要申込(新潟絵屋へメールまたは電話にて)