木村千代春 日本の自然を描く写実彩画

4/17[土]―29[木・祝]

niigata eya exhibition 608

 桜をはじめ、日本の自然を描いている木村千代春さんが新潟絵屋に登場する。35歳から独学でイラストを学び、自然や童画を描いてきた。絵は、丁寧かつ緻密である。動植物を繊細に表現することから、写真みたいだという鑑賞者もいるが、ご本人はリアリズムであり、心の中の風景を思い描いているだけという。
 特に樹齢数百年の既に咲くことが難しい桜の樹を、山形や長野までスケッチに出かけ、それをキャンバス上に満開の桜を咲かせるのだ。童画にいたっては、下駄をはいた着物姿の女の子など、どこかで出会ったような懐かしい昭和の子どもたちがいる。千代春さんの心の風景なのだ。満開の桜や昭和を彷彿とさせる作品は、コロナ禍の日々を癒してくれることだろう。(企画者:横木裕子/アートプロデュース環)

木村千代春(きむら ちよはる)
1949年新潟県聖籠町生まれ。85年会社勤務の傍ら独学でイラストの勉強を始め、童画を描く。92年新潟県勤労展初入選、97年~越後湯沢全国童画展入賞、2001年北都・色いろいろ大賞、新潟県美術展覧会新潟日報美術振興賞、02 年ILEC(社)教育文化協会美術展優秀賞受賞。近年では、上野の森美術館主催「日本の自然を描く」展で彫刻の森美術館賞を受賞、2017年同展で無鑑査。県内で個展多数。

PHOTO(上): 「薬師桜」 2020年 アクリル/紙 29.0×40.2cm

PHOTO: 「桜とポスト」 2019年 アクリル/紙 28.0×19.0cm

木村千代春

PHOTO: 「雨宿り 新潟市下町・絵屋」 2020年 アクリル/紙 29.3×48.8cm


ほとけのこゑ展

PHOTO(上): 「聖観音菩薩立像」(平安時代/佐渡正覚寺蔵) 
ーー 千年や汝(なんぢ)へ拈(ねん)じ蓮の花 文應

4/3[土]―14[水]

niigata eya exhibition 607

写真:文殊堂・渡辺康文

俳句:白茅俳句会・坂内文應

 文殊堂渡辺康文氏と俳誌「白茅」代表の坂内文應氏は40年来のお付き合いと聞く。今回は写真と俳句のコラボレーション。新潟県内の仏教美術、仏像を撮り続ける稀有なフォトグラファー渡辺氏の仏像写真に、禅僧俳人坂内氏が句讃をそえる。
 人類の精神史上、宗教・芸術は共時的に発生した、とは坂内氏自らの境涯も含めた言葉である。目に見えない何ものかに怯え、立ち向かうことを強いられ、先を見通せない今、精神を支える勁(つよ)く、しっかりとした柱が必要なことを誰もが気づいているようだ。
 このコラボレーションは、それらに真摯にして静かに寄り添った試みである。ぜひ会場で、時代に合致するその空気と出逢っていただきたい。(企画者:伊藤純一)

渡辺康文(わたなべ やすふみ)
1952年新潟市生まれ。フォトグラファー。「文殊堂」主宰。東京、奈良を経て新潟市においてフリーに。新潟県の東洋美術の価値を広く紹介する事を目指し活動を続け「國華」(岡倉天心たちにより創刊された美術誌)の新潟仏像特集に掲載され、日本美術全集など多くの美術本に写真を提供している。新潟市在住。

坂内文應(さかうち ぶんのう)
1949年新潟生まれ。長谷川櫂『古志』元同人会会長。飴山實賞選考委員。第一句集『方丈』(花神俊英叢書)を2001年に刊行。同年『角川俳句年鑑』にて年間ベスト15句集の一冊に推挙。俳誌『白茅』を2013年に中田剛・羽野里美と発刊、現代表。第二句集『天真』を2019年に詩人高橋睦郎の選句・序辞の元に刊行。加茂市龍澤山雙璧禅寺住持。


202104rimenRE


▶ 俳誌 hakubou『白茅』
▶ 加藤啓 作品展 “人形—漂着物”
▶「俳誌 白茅」と蓮池もも カレンダー2016

ギャラリー&ミュージアムマップ 2021.3/20~4/25

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新潟島とその周辺のギャラリー&ミュージアムマップ
gallery & Museum Schedule 2021.3-4

2021年3月20日(土)- 4月25日(日)

ギャラリー&ミュージアムマップ 2021年3-4月号

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中央区 aigallery、ニカイギャラリー、BOOKS f3STACK-BOARDアートギャラリー万代島ギャラリー長美堂、メディアシップ、hickory03travelers蔵織コンチェルト・西堀ゆきわ、にいがた銀花医学町ビル、医学町画廊、 新潟美術学園、あらきギャラリー、花きりん羊画廊、新潟絵屋、万代島美術館敦井美術館新潟市美術館砂丘館NSG美術館安吾風の館、篠田桃紅作品館、北方文化博物館新潟分館新津記念館あさひまち展示館(休館中)旧齋藤家別邸旧小澤家住宅みなとぴあ知足美術館、新潟駅観光案内所、きさらぎギャラリー、なり、五徳屋十兵衛、クロスパル、シネ・ウインド、三宮商店、ナガイ画材、北書店、器、SWAN、パルム、涼蔵、ぽるとカーブドッチ、竹野、ノ縞屋、新潟県民会館、吉川酒店、新潟デザイン専門学校、市民活動支援センター、ホテル日航新潟、りゅーとぴあ、NHK文化センター、峰村醸造直売店、今代司酒造、新潟大学駅南キャンパスときめいと、絵画教室ウニアトリエ、新潟県立生涯学習推進センター、新潟NPO協会、栄楽亭、エフスタイル、日和山五合目、i media専門学校、アートホテル新潟

北区 楓画廊てんゆう花、nico、ビュー福島潟、ARTギャラリーHAFU
東区 巻菱湖時代記念館
南区 SHIRONE PRESSO
江南区 小さな美術館季、エムスタジオ、北方文化博物館
秋葉区 やまぼうし三方舎新潟市新津美術館
西区 雪梁舎美術館ギャラリー潟道、こんぺいとう
西蒲区 浜つばきギャラリー野衣、いわむろや

新発田市 清水園草舟(菅谷)  
村上市 Toi陶房(瀬波温泉)
柏崎市 游文舎gallery tanne(谷根)
長岡市 たびのそら屋県立近代美術館、長岡造形大
見附市 ギャラリーみつけ
燕市 燕市産業史料館、ツバメコーヒー  
三条市 D+5 ART、三条ものづくり学校
栃尾市 栃尾美術館
弥彦村 弥彦の丘美術館

川上鈴子展

3/12[金]―15[月]

Open Eya

 コロナ禍で旅行も難しいこの頃ですが、私の制作したヨーロッパなどの町並みの立体作品で、旅する気分を味わって頂ければと思い作りました。ヨーロッパの好きな方見に来て頂ければ幸いです。(川上鈴子)

川上鈴子(かわかみ すずこ)
新潟県上越市(旧直江津)出身。新潟と東京を拠点に創作活動を行う。
展覧会
2016年ギャラリー郁(新潟県上越市)
2017年カフェギャラリー椿(東京都江戸川区)
2017・20年ZEN展選抜展出展(銀座大黒屋ギャラリー)
2018年大島画廊(新潟県上越市)
2018年第50回欧美国際スペイン美術償展出展
2019・20年カフェモフリ
2019年ギャラリー潟道(新潟市西区)
2020年アートギャラリー万代島(新潟市中央区)
2021年銀座ギャラリー美庵 如月展出展など

受賞歴
2016年
日本手工芸美術協会新人の部 芸術新聞社賞
2017年
ZEN展立体工芸部門 優秀賞
日本工芸美術協会 特別賞
ZEN展蓼科テディベア賞美術館賞特別賞
2018年
サロンブラウン美術協会 佳作
日本手工芸美術協会 会報アジャスタ賞
2019年
DISCOVER THE ONE JAPANESE ART IN PARIS 審査員特別賞

2018・19年RBAイギリス王立美術家協会名誉会員認定

川上鈴子
川上鈴子
川上鈴子
写真を立体化した、細やかでたのしいデコラティブアレンジアートです。


しんぞう展

3/17[水]―30[火]

niigata eya exhibition 606

作家在廊日:3/17、18、22、23、26、27、29、30

 遠い表現がふっと重なることがある。先日たまたま見たスイス映画「山の焚火」のラストに、姉と弟が死んだ両親を雪に埋め、顔だけにガラス戸をかぶせ明かりを灯すシーンがあった。畑の畔に死者が埋まっている、しんぞうの「有機肥料」という5年前の絵を思い出した。映画は人も豚や牛や岩と同じ自然物だと言っていた。しんぞうの絵が言っているのと同じだ。UFOキャチャーでつまみ上げられる人を描く「選ばれる」も、体が土壌になっている「ほこら」も、現代日本から生まれたイメージであるはずなのに、映画の山中世界と地続きに見える。情報や消費に(そして今はコロナに)閉じ込められた生活は、山に閉ざされた生活と等価であり、そのどちらでも人は理性であり、本能であり、欲望であり、衝動であり、自然物なのだ。忘れがちな普遍を、絵と向き合いながら思い出したい。(企画 大倉宏)

しんぞう
1974年横浜市生まれ。武蔵野美術大学油絵科卒業。個展は、新宿眼科画廊(東京)、DAMギャラリー(韓国)、福住画廊(大阪)、ギャラリーsfera (京都)、2012年砂丘館 「あなたの心の裏の河」(新潟市)、13~16・18年新潟絵屋など。そのほか09年 「大地の芸術祭」に出品。芸術道場GP(グランプリ)銀賞、第29回損保ジャパン美術財団選抜奨励展入選、第44回神奈川美術展入選など受賞。装画に 「臨床の詩学」(春日武彦・著/医学書院)がある。新潟市在住。 www.sinzow.com

PHOTO(上):「選ばれる No.2」 2020年 アクリル/キャンバス100×80.3cm


PHOTO: 「ほこら」 2021年 モノタイプ/小国和紙 25.0×33.0cm

しんぞう
PHOTO: 「Warming」2020年 コラグラフ/小国和紙/18.0×25.5cm


関連記事

しんぞうさん ラジオ出演!
3/23(火)BSN新潟放送ラジオ「四畳半スタジオ」
パーソナリティ:遠藤麻理
番組放送時間:13:00~14:40*10分間くらい
初日の3/17に、遠藤麻理さんが新潟絵屋に来られて、しんぞうさんにインタビューしていただきます。


関連イベント

ワークショップ
水と土の文化創造都市 こどもプロジェクト2020
絵の具であそぼう!

2/20[土]14:00-15:30
講師:しんぞう

紙と紙のあいだに絵の具をはさみ、ギュッと押したらどんな模様ができるでしょう?
型にはまった描き方にとらわれない、絵を描く楽しさを感じてもらえるようなワークショップです。ぜひお気軽にご参加ください。

  • 会場:こども創造センター・光と音のホール
    新潟市中央区清五郎375-2
  • 内容:デカルコマニーなど
  • 対象:4歳~小学3年生(小学2年生以下は保護者同伴)
  • 参加料:500円
  • 定員:10名(要申込・応募多数の場合抽選)
  • 申込方法:以下のどちらかの方法でお申し込みください
    〈WEB〉新潟市かんたん申込み (新潟市HP内で検索)
    〈TEL〉025-226-2624(新潟市文化創造推進課)

  • 申込期間:1/18[月]8:30~2/5[金]17:30
  • 主催:新潟市・こども創造センター
  • 協力:新潟絵屋
  • お問い合わせ:025-226-2624(新潟市文化創造推進課/8:30~17:30/土・日・祝日を除く)

しんぞう
しんぞう


過去の関連記事
▶ 2019年3月 しんぞう展 呪いと笑いの日々(於ギャラリーみつけ)


しんぞうグッズ 好評発売中!

まちの日々180

特集 新潟絵屋

2021/03/vol.8

発売しました!
絵屋便デザイン担当者が個人的に発行している冊子「まちの日々180」。最新号はズバリ、絵屋特集です。絵屋メンバー総力戦&増頁の特別号。21年目を迎えた絵屋の今が詰まっています。

〈通信販売〉

eya shopにてお取り扱い中

税込990円
*送料180円
*お取り扱い店舗:新潟絵屋、砂丘館、北書店、ほか
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